2021/08/23

【入試情報室より】関関同立大 文系学部 合格必要得点率ランキング

大学入試改革とコロナ禍のダブルパンチで何かと異例づくめだった2021年度入試でしたが、今年もまだその影響が続いているようです。今年6月に行われた全統模試の受験者数は全体で2割以上増加したといわれていますが、昨年の1学期には模試の開催そのものが制約を受けていたことによる影響で、18歳人口が増加したわけでも、大学志願者が急増したわけでもありません。従って昨年よりも志願者が増えている大学や学部をみて、弱気になる必要もありません。しかし募集人数と志願者のバランスによって、同じ大学内でも難易度は異なってきます。そこで今回は、関西4大学文系学部それぞれの、「合格必要得点率ランキング」を紹介したいと思います。

1.関西大学

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1位は社会学部。社会学を幅広く究めたい、ジャーナリストになりたいという学生に加えて臨床心理士を目指す受験生も集まります。近年安定して1位です。

2位は外国語学部。多くの大学で外国語系・国際系の志願者がコロナ禍の影響により減少しましたが、関西大学はほぼ減少が見られませんでした。

3位は商学部。就職状況でも定評のある商学部ですが、5つの専修にわかれ、ファイナンスや会計など専門性の高い教育内容への評価も高いです。

2.関西学院大学

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1位は国際学部。今年の得点率は8割以上と最難関となっています。ただし、推薦系の入試による入学者が多い学部なので、国際学部を目指す受験生は一般入試だけはなく、他の受験方法も調べてみましょう。

2位は教育学部・教育科学。昨年よりも大きくランクアップです。共通テスト利用の出願者・合格者が昨年からの揺り戻しで増えたため、一般入試での基準が急上昇したようです。こちらも一般入試ではなくAOなど総合型の選抜の利用がお勧めです。

3位は社会学部。現代文化論や民俗学、文化人類学の視点からフィールドワークをする専攻なども人気で、例年上位にランクする学部です。

3.同志社大学

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1位はグローバル地域文化学部。グローバルコミュニケーション学部とあわせて同志社の中で上位常連学部となりました。こちらもコロナ禍の中で上位キープという根強い人気が数値に表れています。

2位は社会学部、社会学科。社会学・心理学・人類学の切り口から、現代社会を分析する研究内容は、問題解決型の探究活動を行っている高校生には魅力的なのでしょう。グローバル系とあわせて同志社の新たな看板となっています。

3位はグローバルコミュニケーションの英語コース。こちらも例年トップグループに入る募集単位です。海外展開している日本企業や海外の企業への就職状況も良く、人気となっています。

4.立命館大学

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1位は大阪いばらきキャンパスにある総合心理学部。文学部から独立してから立命館の新たな看板学部となりました。

2位は文学部 国際文化学域。専門分野としては海外の文学はもちろん、美術や音楽、演劇など含めて研究し、そこから比較文化論、現代社会論からジェンダー論まで広げて考える幅広い専門分野が魅力です。

3位は同じく文学部の日本史研究学域。立命館大学が入試で伝統的に「クセの強い」日本史・世界史を出題するのは受験界では有名ですが、その総本山、日本史研究学域は全国からさらに歴史を極めたい猛者が集まります。京都というフィールドを活かしたフィールドワークやインターンシップも魅力です。

かつては法学部が文系の最難関だった時期もありましたが、時代に応じて難関学部は変化していきます。同じ大学内で学部併願を行う場合は、大学の受験ガイドなどで合格最低点を数年分調べ、ある程度幅のある出願をしておくことをお勧めします。

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>