2020/07/06

入試情報室より【関関同立2020年度入試問題研究〈英語〉】

今年も例年通り2月1日から関西の有名私大である関関同立の入試がスタートしましたが、その出題傾向はどのようなものであるか、どのような違いがあるのかについてお知らせしておきたいと思います。

まず、文系・理系関係なく入試にとって重要な英語についてです。

問題構成と素材文のテーマにご注目ください。

29日も入試が行われていますが、次の日の入試がありませんので毎年即日分析は行っていません。したがって今のリストにも掲載はありません。)

関西大学

例年文法や発音問題の単独問題の出題はなく、基本は長文だけで問題が作られている関西大学は今年も変化がありませんでした。大問1aの会話文は、基本的に大学内での学生同士の日常会話という場面設定で、大問1bの文整序も形式は変わらず。テーマも専門的なものではないのですが、時系列で何とか推測できる「○○の歴史」と、指示語や接続語に注目しなければならない説明文とでは解き方が変わりますので要注意です。

大問2は伝記・歴史の頻度が今年は高くなっています。一方大問3は自然科学系の内容で実験や観察結果が書かれた文章が増えてきています。数値の単位換算など基本的な小学校算数も使いますのでそのつもりで取り組むようにしましょう。

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関西学院大学

大問数も多く、頭の切り替えとスピードが要求される関西学院大学の英語ですが、長文3つのテーマが多岐にわたっていて、人によって当たりはずれがあるように思えます。会話文は平易な内容が多いので、文法・語法問題と合わせてそちらから先に片づけておくというのも作戦としては有効かもしれません。

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同志社大学

こちらも長文への対応力勝負の同志社大学ですが、自然科学系の素材文も時々使われています。なんといってもジャンルの振れ幅が大きいので、素材文のテーマをつかむまで結構骨が折れる日もあります。語注も多く思考が中断されがちですので、時間もかかります。また、内容一致の問題(8つのうちから3つ選ぶ)も、本文から改めて証拠を探すという手間もかかります。

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立命館大学

かつては語句整序問題があったので関西学院と同じように大問が6つだった立命館大学ですが、今は大問が5つとなり長文の比重が上がっています。長文のうち一つは環境問題など現代社会に関する内容が多く、普段から新聞などニュースに触れる機会が多い受験生には有利な内容となっています。

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このように問題数も、その内容も4大学全く異なります。したがって、例えば法律を学びたいので、関関同立4大学の法学部を受験する、という考え方は志としては正しいのですが、受験の作戦としては同じ大学内での併願受験がおすすめとなるわけです。

具体的な作戦や併願パターンは関西8大学大研究でもお伝えします。ご興味のある方はそちらもぜひご利用ください。

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>

【フリステWalker 第139号(2020.5月)掲載】