2024/01/22

入試情報室より【大学入試 国公立大学 医学部医学科の志願動向】

大学には様々な専門分野がありますが、その中で昔も今も難易度が高いのが医学部医学科でしょう。しかし、医学部医学科は就学期間が6年間以上と定められており、学費も高額となってきます。

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私立大学 学費ランキング | 医学部比較ランキング | 医学部受験ラボ (https://www.igakubujuken.jp/ranking/payment)

ここで、参考までに私立大学の医学部医学科の現時点での学費が高い順に並べてみました(メディカルラボ調べのデータおよび各大学HPを参照)。31の私立大学の平均値は初年度納入金で約716万円、6年間総額で約3,245万円となります。2017年に千葉県成田市に開設された国際医療福祉大学は学費を最も低く設定していますが、それでも6年間の学費合計は1,850万円となっています。

一方で、国公立大学は学部を問わず入学金は282千円、学費は年額535800円と定められており、医学部医学科であっても6年間の学費合計は約350万円となります。つまり6年間合計では私立の平均の1割ほど、最も学費が高い川崎医科大学と比較すると13分の1の学費で済むという計算になります。

志望動向

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2023年度入試状況分析【国公立大】駿台(https://www2.sundai.ac.jp/news/2023news/2023k_bunseki_medi_shigan.pdf)

このような理由もあり国公立大学の医学部医学科の競争率は高いのですが、2015年からの推移をみると2020年度まで実質倍率が低下しています。この時期に一般選抜の募集枠の5%ほどが総合型選抜や推薦系の募集枠に切り替わっているのですが、それに伴い各大学からは医学に向いた人材、医学部が求める人物像についての情報発信が強まっており、受験学力が高いから医学部、といった安易な進路選択が減少したのではないかと考えられます。

一方でコロナ禍によって医療系への関心が高まり、看護学部など医療系の志望が高まりましたが、医学部医学科も例外ではなく、2023年度には平均で約6倍、後期入試に限ると21倍を超える高倍率となっています。

さて、医学部に入学できたとしてもほぼ必修科目だけの6年間を過ごし、6年生の2月に行われる国家試験合格の後、2年間の初期研修、3年間の後期研修を経て初めて臨床医として独り立ちすることになります。というわけで、医学部合格はその後の11年間の修行の入り口にしか過ぎませんので、医学部志願者はそれなりの覚悟を持っていただければと思います。

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>