2024/08/19

入試情報室より【大学入試の準備はお早めにー私立大学「入学者に占める選抜方式割合(2023年度入学生)」から考えるー】

 旺文社から出版されている「蛍雪時代別冊 大学の真の実力情報公開BOOK2024」という冊子には、各大学の入学者数や選抜方式別の内訳がまとまっていますが、今回そのデータを元に入学者に占める選抜方式の割合をグラフにしてみました。まずは首都圏の大学からいくつか紹介します。但し今回データの提供が無かった慶應義塾大学、明治大学、立教大学、獨協大学は集計から除外しています。

 まず、東京理科大学、青山学院大学、法政大学、早稲田大学、中央大学、上智大学、学習院大学の7大学についてです。

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 最も一般選抜からの入学者割合が高いのが東京理科大学。2023年度は総合型選抜は行っていませんし、付属・系列校もありませんので、多くの入学生が一般選抜を勝ち抜いて入学してきています。理系の学部が多い大学ですが、研究成果や高い就職率に関係しているかも知れません。

 2番目以下はご覧の通りですが、多彩な選抜方法を取り入れている上智大学と歴史的に指定校の割合が高い学習院大学でも約半数が一般選抜からの入学者ということで、全国的には高い割合となっています。

 では次に駒澤大学、東洋大学、専修大学、成蹊大学、武蔵大学、國學院大學、成城大学、明治学院大学、日本大学の9大学を見てみましょう。

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 ご覧のように指定校推薦の割合が高い明治学院大学、付属・系列校の割合が高い日本大学を除くといずれも一般選抜からの入学者が半数を超えています。もちろん海外経験があるなど特別な背景がある受験生を除けば、首都圏の大学入試では推薦系の入試を狙うより、一般選抜での募集枠が大きいため、それに向けた準備を行って狙う方が合理的だといえるでしょう。

 因みに関西8大学(関関同立産近甲龍)ではこのような状況です。

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 ご覧のように近畿大学、甲南大学、京都産業大学では一般選抜からの入学者が半数を下回っていますが、まだ一般選抜からの入学者の割合が一番高くなっています。

 最後にこれ以外の近畿圏の大学でデータが判明しているところをいくつかピックアップしましたので見てみましょう。

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 いずれも関西8大学よりも低い割合となっています。一般選抜からの入学者が少ない大学を狙う場合は総合型選抜や公募制推薦入試など年内に行われる入試機会を積極的に活用するべきでしょう。全国的にみると私立大学の一般選抜からの入学者割合は年々低下してきています。それだけに首都圏の受験生はさておき、これからの受験生は早目の入試日程に備えた準備が重要だといえるでしょう。

 

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>