2024/11/18

入試情報室より【地域によって異なる大学入試動向】

 近年4年制大学への進学率は全国平均で6割程度ですが、地域ごとに違いがあるのかどうか気になったので調べてみました。(※以下の数値は豊島継男事務所発行の『2024年度一般選抜志願状況レポート』の<第2表>から抜粋・参照)

 まず、大学入学者数を高校3年生の人数で割った進学率を地域ごとに集計しました。大学入学者数には既卒も含まれますが、入学が次年度に回る受験生も同程度いると仮定しています。

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 すると最も進学率が高いのは東京の78.8%。人口の多い東京ですが、大学も多いのでこんなに高い割合になるのですね。

 次に大学入学共通テストの志願率(出願数÷高3生徒数)も計算してみました。

こちらも最も高いのは東京ですが、2位は北陸。国公立志向が強いということでしょうか。3位は東海、4位は北関東、5位甲信越と続きます。近畿は9位。近畿圏も私立大学が多く、大学入学共通テストを使わない入試が多い事も関係しているのでしょう。

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 大学入学者の出身地についても調べてみました。東京の大学への入学者の出身地ですが、南関東と東京の出身者が7割以上を占めています。しかし、 東北、北関東からも多くの入学者がいる様子がわかります。

 一方京阪神の大学への入学者ですが、近畿圏からの入学者が76%と圧倒的な占有率となっています。東海地方の出身者は約半数が東海地方の大学に進学しますが、残り半分は東京と京阪神にちょうど2分されているようです。

 大学入試は全国区ですが、実際には地域による違いがある、というお話でした。

 

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>