2024/12/16

入試情報室より【減少する短期大学】

 戦後の学制改革で旧制専門学校は新制大学として生まれ変わることになりましたが、設置基準に満たない学校も大学として認可するために、1950年に「短期大学」という学校種が新たに作られました。短期大学は2年間(看護は3年間)で教員免許や医療系の資格や専門知識を得ることができ、就職率も高く、1953年には当時の4年制大学226校を追い越し、ついに1996年には598校まで増加しました。しかしその頃から企業のOA(オフィスオートメーション)化が進み、人海戦術で行われていた事務労働がパソコンに置き換わるなどで短大卒の就職環境が一変し、多くの短期大学は4年制大学への転換、または募集停止となっていきました。2023年度の全国の短期大学は公立15校、私立285校の合計300校とほぼ半減となっています。

 近畿圏では国立で8つ(大阪外国語大学短期大学部・大阪大学医療技術短期大学部・京都工芸繊維大学工業短期大学部・京都大学医療技術短期大学部・神戸大学医療技術短期大学部・滋賀大学経済短期大学部・三重大学医療技術短期大学部・和歌山大学経済短期大学部)の短期大学がありましたが、すべて今はありません。

 私立では59校が募集停止(予定も含む)となっています。京都府の池坊短期大学、龍谷大学短期大学部、京都文教短期大学、兵庫県の武庫川女子大学短期大学部、などの伝統校も募集停止となっています。人口減少などで学生確保が難しいと判断したのでしょう。

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 また近年、特にそのペースが上がっているように感じます。

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 短期大学は職業人材育成としても大きな役割を果たしてきました。しかし、高校卒業後の選択肢が少なくなるのはとても残念ですが、今後はさらに減少していくことでしょう。但し、短期大学は比較的少ない学費負担で、早く社会に出て働くことができる(労働期間が4年制大学卒業者よりも長くなる)、専門学校と違い4年制大学に編入する事も可能、といったメリットもあります。このような観点で幅広く進学校を検討する事も大切だと思います。

 

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>