2025/04/21
入試情報室より【<医師 歯科医師 獣医師>国家試験 大学ごと合格率ランキング2025】
2月~3月といえば入学試験、卒業式のシーズンですが、国家試験の時期でもあります。今年も3月に厚生労働省から各種国家試験の結果発表が行われました。
【医師国家試験】 大学ごと合格率ランキング2025
日本の「医学部医学科」82大学のランキング(20位まで)を作ってみました。新卒(つまり受験時は現役)での合格率です。
なんと今年は4大学で全員が合格!千葉県成田市に2017年に開設された国際医療福祉大学医学部は多くの留学生を受け入れ、授業は英語でも行われるなど先進的な教育方針が特徴的ですが、国家試験については今年が3回目で、3か年合計で384名の受験に対して不合格は僅か2名という驚異の合格率となっています。
兵庫医科大学も今年の不合格者は1名のみと圧倒的な合格率を誇っています。因みに海外の大学の医学部を経て受験した「認定」という枠では新卒168名中合格は96名、合格率57.1%と日本国内のどの大学よりも低くなっています。海外医学部への留学については詳しく調べてからにしましょう。
医師というのは国家試験に合格すれば医療行為ができるのかといえば、この後2年間以上の臨床研修と3年以上の専門研修が必要となります。なかなか一人前になれない世界ですね。
【歯科医師国家試験】大学ごと合格率ランキング2025
歯科医師の国家試験の結果も厚生労働省のホームページ上で公表されています。歯科医師の数を抑制するという方針からでしょうか、2000年頃は9割前後だった合格率が2004年から7割台に、2014年からは6割台まで低下していましたが、今年は12年ぶりに7割台に回復しました。
国内で29の歯学部(日本大学歯学部と日本大学松戸歯学部のように、同じ大学で2つの学部を設置している場合もあり)あるのですが、そのうち新卒の合格率が9割を超えた13大学のランキングを紹介します。校名は現在の大学名に統一しています。
すると1位が大阪歯科大学。全員合格は快挙です。4位まで私立が独占し、5位から8位は難関国立が並びます。今年も全国で2千人以上の歯科医師が1年間(またはそれ以上)の臨床研修をはじめることになります。
【獣医師国家試験】大学ごと合格率ランキング2025
獣医師の国家試験の結果も厚生労働省から公表されています。全国で1036名の合格となっています。獣医学部は全国に17大学ありますが、今年現役での合格率が80%以上となった12大学を紹介します。
ご覧のように国立大学が支配的なのですが、獣医学部が設置されている唯一の公立大学である大阪公立大もランクインしています。
今年2回目の卒業生を送り出した岡山理科大学は大きく順位を上げ、私立大学としては麻布大学に次いで2位と躍進しました。学部設置のときにはごたごたしましたが、教員の皆様方の涙ぐましい努力が感じられる数値だと思います。合格者はこれから2年間以上の臨床研修に臨むことになります。
大学受験生の多くは、大学合格を目標に頑張っていると思いますが、大学は勉強をするために行くところです。今回紹介したように制度として入学後も、そして卒業後も勉強しなくてはいけない分野もありますが、それ以外の専門分野でも、在学期間を有効に使って多くの知識や能力を得て、未来社会に貢献できる力を高めていってほしいと思います。
<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>