2025/09/22

入試情報室より【大阪府高等学校 大学合格実績の推移(2021年度~2025年度)】

 入試情報室では毎年、高校毎の大学合格実績を調査していますが、現時点で判明している大阪府下220校(国立3校、公立113校、私立104校)の大学合格実績の推移をまとめてみました(大阪教育大学附属高校は本来1校なのですが、3つの校舎は地理的にも離れているので3校とカウントしています)。

 合格実績の実数では、大規模校の方が有利になりますので、合格件数÷卒業者数で補正し、その順位をグラフ化しました。すべての学校をグラフにすると見にくいので、今年10位以内の学校に絞って紹介しています。この計算の元となる合格者数には既卒生も含まれていますので、他の資料と多少の差が出る場合があることをご了承ください。

【難関10国立大ランキング】

 週刊誌などにも採用されている難関10国立大学合計の指標です。難関10国立大学とは東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学の旧7帝大に東京科学大学(2024年度以前は東京工業大学)と一橋大学、神戸大学の3大学を加えたものです。

入試情報室①.jpg

 大阪府立北野高校が2023年度を除いて首位を守っています。今年も京都大学に107名、大阪大学に59名合格など圧倒的な実績となっています。大阪星光学院の今年の京都大学合格数は51と北野高校の半分ほどですが、卒業者数も170名と、312名卒業の北野高校の半分ほどですから、いい勝負となっています。

 今年の3位は天王寺高校、4位は茨木高校と府立高校が並んでいますが、いずれも安定して上位ランキングをキープしています。私立の高槻高校は2017年度から共学化、つまり2023年度から女子も卒業していますが、大学合格実績が同じタイミングで上昇しているのがわかります。

【関関同立ランキング】

 関関同立と呼ばれる関西の難関私大4校(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)合計のランキングの変動も見てみましょう。

入試情報室②.jpg

 こちらでも府立高校が優勢です。2025年度では茨木高校、豊中高校、春日丘高校のいずれも大阪府北部の学校がベスト3を占めています。

 大阪公立大学(2021年以前は大阪市立大学、大阪府立大学)や神戸大学の合格ランキングでは上位となる高津高校も、今年は4位キープです。

 さて、この中で2021年度には19位だった三島高校が今年は9位と急上昇しています。入学時では地域3番手校なのですが、2025年度は309名の卒業者数に対して国公立に56名合格など近年大きく進学実績を伸ばしており、今回は紹介しませんが、産近甲龍ランキングでは大阪府下1位となっています。ということは大学受験に向けて学校では厳しい指導がなされているのか?と思われるかもしれませんが、在校生の多くは部活動や委員会活動に伸び伸びと取り組んでいるようです。このように学校の雰囲気というのは数字だけではわからないところです。

 これから高校受験を迎える皆さんは、大学合格実績など進路という観点も受験校選択の材料にしていると思います。それも大切ではありますが、できればオープンスクールなど学校で行われる説明会に参加し、学習環境や設備はもちろん、進学に対する取り組みなどについても着目して説明を聞き、納得して受験校を選ぶことをお勧めします。

 次回は同様の分析を東京都の高校で行ってみたいと思います。お楽しみに。

 

< 文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦 >