2026/03/23

入試情報室より【近畿圏 2026年度私立中学入試を振り返る】

私立中学入試の大半の日程が終了し、入学者もほぼ確定しました。幸い今年の入試は天候にも恵まれ、順調に実施できたのではないでしょうか。今回は近畿各府県の中学入試の状況を簡単にまとめてみました。

地域別に、出願数(のべ数)を集計しています。

【大阪府】59

昨年度と今年度両方の出願数が判明している日程について合計してみました。すると大阪府下の私立中学校は合計で23,643件(2025年度)→24,839件(2026年度)と5%ほど増加しています。他の府県より先行している私立高校の修学支援制度の充実(高校無償化)の影響もあり、高校受験では私立専願の割合が上昇していますが、中学入試にも影響が出ているということでしょうか。

今年100件以上の出願があった学校の中で伸び率が最も高かったのは箕面自由学園で、2位以降は大阪薫英女学院、追手門学院大手前、関西大倉、大阪女学院と大阪市~北摂の学校が続きます。いずれも安定した大学合格実績を出している学校ですので、その教育力に対する期待感の表れでしょう。

【兵庫県】38

同じく2か年両方の出願数が判明している学校の合計数を計算してみました。すると11,097件(2025年度)→12,048件(2026年度)と8.6%の増加です。兵庫県の私学は、別学(男子校・女子校)が共学校よりも多い地域ですが、近年共学化の流れが進行しており、それらの学校の活況から平均を引き上げたと考えられます。

共学化した学校に関し、共学化2年目の親和は、822件(2025年度)→1,007件(2026年度)と23%増。神戸山手グローバルも404件(2025年度)→520件(2026年度)と29%増と大きく伸びています。

一方で、今年100件以上の出願があった学校の中で伸び率が最も高かったのは神戸海星女子学院、2位以降は小林聖心女子学院、神戸龍谷、滝川第二と続きます。大学の共学化で話題となった武庫川女子大学附属も昨年より増加しています。全国的には男子校・女子校(別学校)が共学化する動きもありますが、兵庫県では別学校も人気です。

【京都府】24

京都府の場合は人口減の影響が受験率の上昇を打ち消したような形です。合計では8,080件(2025年度)→8,016件(2026年度)とほぼ同じでした。

こちらでも共学化の影響でしょうか、京都光華が32件(2025年度)→132件(2026年度)と爆増しています。同じく今年100件以上の出願があった学校の中で伸び率が最も高かったのは京都橘。京都文教、立命館宇治、同志社、同志社国際、立命館と続きます。大学の附属校も安定した人気です。

【奈良県】11

合計で6,684件(2025年度)→6,913件(2026年度)と3.4%増加しています。

最も増加率が高かったのは、智辯学園奈良カレッジ。高校では大阪府の無償化の対象校であることも追い風となり、大阪からの受験者が増えたのではないでしょうか。300名募集と奈良県私立中学校で最も募集の多い帝塚山は、その無償化には参加していませんが、1,604件(2025年度)→1,891件(2026年度)と大きく増加しています。ロケーション的に大阪府の私立中学受験ブームが影響しているのかもしれません。

【和歌山県・滋賀県】各4

和歌山については、判明している4校すべて増加しています。大阪からの流入か?と思いましたが、近畿大学附属新宮が37件→55件と増加しているので、それだけではないようです。人口減よりも受験率上昇が上回ったということでしょうか。

滋賀県は逆に比叡山以外の3校は減少しています。高校の無償化策は滋賀県の中学入試にはあまり影響がないようです。

【次年度に向けて】

首都圏は例外ですが、全国的に少子化は進行しており、近畿圏の各府県でも12歳人口は減少しています。しかし、地域の公立中学校の部活動の廃止(地域移行)や公立高校の統廃合による選択肢の減少により、子育て世帯の私学に対する期待度は高まっています。また、高校の無償化策によって、私立中学進学は検討しやすくなっています。

首都圏では、中学受験率は近畿圏の約2倍、募集定員合計よりも志願者実人数の方が上回るなど中学受験がブームとなっていますが、今年はさすがにピークアウトしたとの情報もあります。しかしトップ校、有名大学系列校、特色教育推進校などを中心に、変わらず高い人気を誇っています。近畿圏でも少子化を打ち消すほどの受験率の向上があれば、中学受験はさらに活性化していくことでしょう。

< 文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦 >