2020/10/26

入試情報室より【中3生対象】~コロナ禍と高校入試の範囲について~

今年の高校受験生にとっては、例年と異なる対応が必要となってきます。

まず、3月~5月の休校期間の影響で、学校の授業時間数が減ったことによる試験範囲の変更(削減)が挙げられます。

過去問題に頼り過ぎない対策が必要

こちらは大阪府教育委員会から発表されている大阪府公立高校の出題内容の一部ですが、ここで問題になるのは過去問題の扱いです。

大阪府公立高校試験範囲+.jpg

今までは出題範囲は毎年変わらないので、過去数年分の問題を解いてみることで、出題傾向やペース配分がつかめたものですが、今年は出題から除外される範囲がありますので、単純に自己採点して目標点を超えるのかどうか、といった判定ができなくなっています。昨年の出題ではどの問題が必要無くなるのかを塾の先生に聞いて、残りの問題での得点率で判定することになると思いますが、逆に出題範囲として残っている分野についての出題が増える、または問題内容が深くなることも考えられますので、過去問題に頼り過ぎない対策も必要になると思います。

なお、公立高校の試験範囲について、都道府県によってその除外範囲が異なりますので、各府県からの発表の確認が必要です。

私立高校の出題範囲

一方私立高校でも、出題範囲を同じように削減するところもありますが、こちらは学校によって対応や表現が異なります。こちらは武庫川女子附属高校の除外範囲と百合学院高校の出題範囲の一部を例として挙げています。

武庫川女子附属高校試験範囲+.jpg百合学院高校試験範囲+.jpg
同じ府県の私立高校でも、削減個所・出題範囲は一律ではありませんので、出願直前に受験校を変更する場合、特に注意が必要です。

入試日程・会場について

次に気を付けなければいけないのは、入試日程や会場の新型コロナウイルス感染症に関する対応です。

受験生本人が感染、または家族に感染者がいるなど濃厚接触者と認定されてしまった場合の対応も学校によって異なります。最初から後日の予備日程が用意されている学校もありますが、その日程が公表されていなくても個別に対応していただける場合もあります。もしそのような場合には落ち着いて、受験予定だった学校に電話で問い合わせ、その指示に従ってください。一方、学校で感染者が発生するなど、試験会場として学校が使えなくなるというリスクも考えられます。この場合に備えてすでに外部会場を用意している学校もありますが、一部建物の閉鎖という形で、学校内での試験会場の変更で対処するケースも考えられます。しかし、場合によっては門から離れた校舎になるなど移動時間が増える可能性もあります。したがって今年の入試では特に、時間には余裕をもって受験校に向かうようにしましょう。

入試は寒い時期ですので、体調を崩す可能性が高い時期でもあります。原因がはっきりしない発熱やその他体調的にすぐれない場合も落ち着いて学校に連絡して、その指示を受けるようにしましょう。

<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>