2020/12/21
入試情報室より【東京都 高校別 大学合格実績(国立難関10大学)】
今回は首都圏の2020年度入試、高校別大学合格実績をまとめてみました。
(実績数は「サンデー毎日増刊『2020年度版大学入試全記録』毎日新聞出版」を参考にしています。学校休校で混乱していた4月上旬時点での集約ですので、現段階の学校発表の数値と多少の差異があることはご了承ください。)
旧帝国大学7校に東京工業大学、一橋大学、神戸大学を加えた10大学の合格者数を合計し、卒業生数で割った「率」を算出し、その値が3%以上の62校についてのランキングを作成してみました。首都圏の東大ランキングでは国立の筑波大付属駒場に加えて、自由な校風の麻布、体育祭などを通して生徒の団結力を育む開成、少人数制授業が多く、面倒見の駒場東邦といった男子校に、理系女子の天国?桜蔭を加えた5校がいつも上位争いしていますが、10大学となると、名古屋や大阪、九州への進学者も多い都立国立や都立西、少人数制の武蔵、理系に強い海城といった男子校が上位にランクしてきます。因みにこの表には入っていませんが、難易度では10大学に匹敵する国公立の医学部医学科等への進学者もいますので、このリストで10位以内の高校は、学年で半数近くの生徒が、この10大学に合格できる程度の受験学力を持っていると考えられます。
ここから11位から50位までには公立高校が約半数ランクインしています。そんな中で小石川、南多摩、立川国際、三鷹といった都立の、加えて千代田区立の九段「中等教育学校」がランクインしています。「中等教育学校」というのは中学校と高等学校が合体したものですが、1998年6月の学校教育法改正に伴って誕生した学校種で、まだ多くはありません。但し、高校内容の先取りを合法的に行うことが可能であるなどのメリットがあり、今回のランクインにつながったと考えられます。
決して大学合格実績が中学校・高等学校の教育の質を表すわけではありませんが、今回ランクインした学校はいずれも大学合格に向けた学校文化が出来上がっていると考えられます。校風も含めて学校選びの材料の一つにしてみては如何でしょうか。
<文/開成教育グループ 入試情報室 藤山正彦>