2020/06/30
受験生の心得
受験合格へ向けての大切なことの1つとして、学習面以外での「準備」があります。
受験までにどれだけ万全に学習面での準備をしても、不安定な気持ちや体調不良のせいで、本番当日に力を十分に発揮できないとなれば元も子もありません。いかに安定した精神状態で受験にのぞめるか、受験当日いかに万全の体調で取り組めるのかが、志望校合格に大きな影響を与えます。体調面や精神面におけるケアは受験生本人だけでなく、周りのご家族の方々の協力が必要です。
「受験生の心得」と題して、これからの生活で気を付けるべき項目を紹介していきます。ぜひ参考にしていただき、万全な状態で受験当日を迎えていただきたいと思います。
受験生のみなさんへ
いよいよ12月を迎え、受験生にとっては「追い込み」の時期になりました。受験生の皆さん、「準備」は万全ですか?やり残したことはありませんか?
受験期間は、合格するために必要な力を1つずつ順序立てて手に入れていく、合格するまでの「準備」の期間です。学力以外にも受験に必要となる様々な力をつける訓練をしてきたことと思います。目標を定め「いつまでに、何を、どれだけ」やりきるのか決める『計画力』や、起床後や睡眠前、通学中などの短い時間を有効活用するために必要な『集中力』、どんなに辛くても結果を出すためにやり抜く『突破力』・『忍耐力』など、受験生になるまでは考えもしなかった「力」が皆さんには身についていると思います。こうした「準備」の期間を通して成長してきた皆さんは、受験という関門を突破できる力が備わっているはずです。
いよいよ「受験直前期」に入ります。しかし、多くの不安や、失敗するかもしれないという恐怖や、まだ勉強が足りないのではないかという焦りもたくさんあると思います。ですがここまで「準備」してきた自分を信じて、これまで通り、しかるべき「準備」をすることを心がけてください。必ずその先に「合格」という喜びが待っています。揺るがず、怯まず、目標だけを見据え、「合格」に向かって一直線に突っ走ってください。
入試直前の過ごし方
受験までに見直すべき生活の心得・過ごし方□毎朝、早起きして太陽の光を浴びる
□朝食をしっかり取る
□うがい・手洗いを欠かさない
□人の多いところではマスクを着用する
□栄養のあるものを食べる
□防寒はしっかりする
□体調が悪い時は無理をしない
□勉強中は携帯電話の電源はOFF
□夜更かしせず、しっかりと睡眠をとる
入試直前期、とくに気を付けたいのは体調管理です。また、試験は朝から行われますので、試験時間にしっかりと頭が働くように睡眠リズムを整えることも必要です。入試直前は少しでも不安をなくそうと、夜更かしして勉強したくなることもあるでしょう。しかし夜更かしをすることは、生活リズムを崩すことにつながります。加えて人の多い自習室で勉強することは、風邪やインフルエンザなどに感染してしまうリスクも高めます。そうなってしまうと、結局大切な時期に、体調不良で満足に勉強できないことになります。入試直前期、まずは体調管理をしっかりと行いましょう。
入試1週間前に気を付けるべきこと
□否定的な言葉は発しない□難問・奇問を解こうとしない
□焦って無理をしない
受験まで1週間を切ると、気を付けなければならない3つの要素があります。それは「無理・無駄・無茶」です。
無理
人間不思議なもので、「自分には無理」などといった否定的な言葉を発していると、本当にできなくなることがあります。「自分なら大丈夫」と肯定的な言葉を発するよう心がけましょう。
無駄
1週間前に難問や奇問に挑んで解こうとしても時間がかかり、また、なかなかできないことから焦りが生まれてしまうだけで、時間の無駄です。試験1週間前になったら、「自分はできる!」と自信を持つためにも、確実に解ける問題をしっかりと復習し、確実に得点できるものを落とさないようにしておきましょう。
無茶
この時期に無茶をして、知識を詰め込むために夜更かしをすることはもってのほかです。試験当日、万全の状態で受験することができないというリスクが高まります。焦る気持ちはわかりますが、絶対にやめましよう。
入試前日にやること
□ゆっくりお風呂に入るなどして、気持ちを落ち着かせる□しっかりと晩御飯を食べる
□目覚ましをセットする
□家族・先生たちからエールをもらう
□『合格するぞ!』と強い気持ちを持って早く寝る
持ち物リストを作成して、
リストを見ながら持ち物を確認する
□受験票
□生徒手帳・学生証
□会場までの地図
□鉛筆・シャープペンシル・消しゴムなどの筆記用具
□昼食
□チョコレートなど(糖分摂取・リラックス用)
□鉛筆削り
□時計(時計機能のみで、秒針音がせず、小型のもの)
□上履き・上履きや下履きを入れる袋(必要な場合のみ)
□お金(電車の遅延などがあったとき用)
□メガネ(必要な場合のみ)
□マスク(必要な場合のみ)
□着脱しやすい防寒着
□雨具(折り畳み傘など)
□参考書・ノート
□携帯電話(入室したら電源を切ること)
□お守り
当日の朝に焦ることのないよう、持ち物はもちろんのこと、心の準備もしっかり整えましょう。持ち物は持ち物リストを作成して、ひとつひとつ確認しながら準備をしておいてください。また、ゆっくりとお風呂に入ったり、しっかり晩御飯を食べることで気持ちをリラックスさせ、早めに就寝しましょう。
入試当日
入試当日は緊張して当たり前です。緊張しているのは自分だけではなく、周りの人も緊張しています。『緊張するな』と考えることはかえって緊張を高めてしまうので、『緊張して当たり前』と開き直ってしまいましょう。それでも緊張が解けない場合は、今まで指導してくれた先生や家族といっしょに頑張ってきたことを思い出してみてください。きっと、『自分なら大丈夫!』と思えてくるはずです。
また終わった科目の試験のことは気にしないようにしましょう。周りの受験生が話していても耳を傾けずに、次の科目のことを考えてください。
快眠のススメ
受験直前はなかなか寝付けなくて寝不足、昼寝をしてすっきりした反面、夜には目が冴えて...と悪循環に陥ることもしばしば。睡眠の質を改善することで、気分をすっきりさせ、勉強に集中しましよう。
■入浴を工夫して快眠
目を覚ましたいときに、熱めのシャワーを浴びることは有効ですが、睡眠を誘導したい場合は逆効果。ぬるめのお湯にゆっくり入り、30分~1時間後に就寝するとぐっすり眠れます。冬の寒い時期に熱いお風呂で暖まりたいなら、入浴後2~3時間後に就寝すると、脳や内臓の熱も引いているので、眠りを妨げられません。
■ホットミルクで快眠
冷たい牛乳ではなく、ひと肌程度に温めた牛乳は就寝前に飲むと、適度に体が温まった後、体温が下がっていくので眠りにつきやすくなります。睡眠のための材料となる物質がたくさん含まれるので、快眠にホットミルクはうってつけです。
■朝は朝日を全身で浴びる
朝日を全身にしっかり浴びることで体内時計がリセットされ、すっきりとした朝を迎えることができます。
■睡眠時間を90分の倍数にする
人間は浅い眠りと深い眠りを90分ごとに繰り返しています。浅い眠りのときに目覚めると不快感がなく、すっきり目覚めることができます。よって睡眠時間を90分の倍数にすると、スッキリと目覚めることができます。
×寝る直前にしてはいけないこと
■カフェインを摂取する
→目が冴えてしまう
■熱い湯につかる
→内臓が温まりすぎて寝付けなくなる
■テレビやパソコン、携帯電話などの画面を長時間みる
→これらの光の刺激は睡眠ホルモンを抑制してしまう
<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>
【フリステWalker 第135号(2020.1月)掲載】