2024/11/18
中学生のための定期テスト勉強法ガイド【定期テスト攻略の基本】
定期テストで点数を取るための学習ポイントや勉強方法についてご紹介します。定期テストは普段の学習の理解を図るテストであることはもちろん、高校受験の合否にも大いに関係しています。
定期テストで点数を伸ばしたい人は今回ご紹介する勉強方法をぜひ参考にしてください。
INDEX ■勉強を始める前の準備 ■科目別アプローチと勉強法
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勉強を始める前の準備
定期テストに向けての基本的な流れについてご紹介します。まず、勉強するまでの準備は下記のような流れになります。
効果的な勉強環境の整備
第一に普段から勉強に集中できる場所をできるだけ多く作っておきましょう。家で勉強に集中できない場合、塾などの自習室や図書館の自習スペースを活用するのもいいでしょう。また、誘惑に打ち勝つ工夫も必要です。勉強するときは、スマホ・TVなど、自分が勉強より優先させてしまうものは目の届く範囲に置かないようにしましょう。どうしても学習中にスマホを使う必要がある場合は、スマホの一部機能を一定期間ロックするアプリを使ってみるのもおすすめです。
定期テストの内容確認、問題傾向の把握
定期テストの勉強にとりかかる前に、まずは出題範囲を確認します。定期テストは試験範囲が明確です。試験範囲は原則、前回の試験範囲の後から次の試験日程の直前まで学校の授業で進んだところになります。そのため、ある程度どこまでが出題範囲になるかが予測できるのです。
次に、過去の定期テストの見直しを行い、傾向を把握しましょう。教科ごとに「授業中のノートがポイントになっている」、「プリント、ワーク、問題集から多く出題されている」などの分析をします。テストの傾向を調べることで、「テストに出るポイント」=「身につけるべき重要なポイント」を知ることができます。ここが把握できれば、同じように教科書に書かれているところ、学校の先生が強調したところを重点的に学習することで、効率の良いテスト対策を進められます。さらに学校のノートを見ながら、先生が授業中に強調していた部分はどこか、授業で時間をかけて何度も取り上げていた箇所はどこかを思い出しながら重要なポイントを探していきましょう。
定期テストの目標設定
目標を決定するポイントは、点数や順位の目標を少し高めに設定することです。たとえば、「前回のテストが5教科合計350点だったので、次の定期テストでは5教科合計400点を目指す」、「英語と数学は85点を取れるようにする」といった具合です。そしてその目標設定は、将来進学したい高校へいくのに必要な定期テストの点数を越えているようにしておきたいです。志望校へ行くのに必要な目標設定ができれば、定期テストで目標点数を取ろうという動機付けにもつながります。また、成績アップのためには、つまづいている部分、理解が不足している部分、いつも点数が取れない教科や苦手分野に関して重点的に取り組む意識をもってください。これまで後回しにして取り組んでこなかった分野があればそこからスタートしましょう。
実現可能な勉強計画の立案
出題範囲の確認と目標決定をしたら、目標をクリアするための計画を立てて、実行に移します。成績アップをするための計画を立てるポイントは、「つまずいている部分」「理解が不足している部分」「いつも点数が取れない教科や苦手分野」に関して重点的に取り組むようにすることと、「実現可能な」計画を立てるということです。「実現可能な」計画を立てる理由は、1つ目に無理な計画を立てると計画通りにいかないことが連続し、勉強のモチベーションが下がってしまうことがあるためです。そして2つ目が、計画を達成することで何かにチャレンジした結果それを成し遂げたという自信につながり、その後の勉強のモチベーションを向上させることにつながるためです。そのため、計画を立てる際は「ちょっと大変だな」と思うぐらいである程度余裕を持たせておくようにすることをおすすめします。
次に、優先順位を考えて取り組むことがポイントです。必ず出題される箇所は先に復習する、理解している得意な分野は目を通す程度であまり時間かけないといった具合です。
そして、最後に学校で使っているテスト範囲のプリントやワークは3回解くつもりで計画を立てることです。人は何かを学んだとき、1日後には約7割程度忘れてしまうといわれています。そのため問題集などを3周して繰り返すことは、科学的に見ても成績アップのためには重要なことなのです。それに加えて、苦手分野はさらに繰り返す必要があるので、時間配分も想定して計画に盛り込んでから取りかかりましょう。
時間管理の基本とスケジュールの作成
勉強計画を実際のスケジュールに落とし込む際は、以下の点に注意して作成してみてください。ざっくりとでもいいのでスケジュールを立ててから勉強に取り組むと、限られた時間を有効に活用していく練習や、自分にとって効果的な勉強法を探る手掛かりにもなります。
<一日の計画の立て方>
・絶対削れない予定から埋めていくこと。まずは、学校や部活・習いごとを埋めていきましょう。
・余った時間の配分を考えること。どの科目をいつにするかを決めていきましょう。
・休憩も適度に入れること。リフレッシュも必要です。時間を決めて休憩しましょう。
<起床時間・睡眠時間>
・睡眠時間は絶対に削らない。中学生なら1日7時間の睡眠時間は確保しましょう。
・起床時間と就寝時間はなるべく固定しておくこと。生活リズムが整い、頭が働きやすくなります。
<予備日を用意する>
・土日を丸1日勉強で埋めない。スケジュールを立てる際は土日に予備時間を確保し、平日にできなかった分をやる時間にしましょう。
・予備日があれば、予定通りにいかなくても調整できるので、定期テストまでの計画をうまく進めることができます。
科目別アプローチと勉強法
次に、国・数・英の3教科に絞り、科目別の学習ポイントについて説明していきます。定期テスト前だけではなく、普段の学習にも意識して取り入れてみてください。
数学:問題解決力を高める方法
基礎問題の重視
数学は特に、基礎を固めていくことが重要です。まず教科書や基礎問題集の問題を確実に解けるようにしていきます。ただ公式や解法を丸暗記するのではなく、なぜこの公式が使えるのかも理解しながら解いていくと、応用問題にも対応しやすくなります。また、定期テストには用語や定義を答えさせる問題が出ることもあるので、問題を解くことばかりに一生懸命にならずに定義や用語も理解しながら覚えていきましょう。加えて正確かつ解答スピードを上げるためには、よく出る計算の答えをあらかじめ暗記しておく、ただ漠然と解いていくのではなく計算自体を簡単にできないか考える、といったことを実践してみましょう。
理解を深めるテクニック
間違えたところは消しゴムで消さず、赤ペンで線を引き、「計算のこの部分で間違えた」「この公式の理解が不十分だった」と間違えた原因をはっきりさせることで、自分の間違えるパターンに気づき、同じ失敗をしなくなります。数学においては間違えた後にその部分を自分なりに分析し、次回につなげていくという反復がとても大切です。また、数学には公式や解法のコツを知らなければ、解答の手が全く進まない問題があります。このような、いくら考えても時間の無駄になってしまう問題に出くわした場合には、先に答えを見て「なぜこの解答になるのか」を考える、または答えの解説をじっくり読み、解法のコツや使用する公式を理解した上で、自分で解答を一から再現してみましょう。
国語:普段からテスト勉強の準備を
まず、国語は定期テストに向けての色々な準備を普段から行うように心掛けましょう。例えば、授業中のノートについても縦書きにして使い、板書だけでなく先生が口頭で話した内容をメモすることや見やすさを考えて、行と行の間は間隔をあけてゆったりと使うようにしましょう。つぎに、問題集や試験範囲の文章を読み大まかな流れをつかんだら、内容をポイントごとに分けてみましょう。ポイントごとに分ける時は細かくなりすぎないように、またポイントが少な過ぎてはいけないため、まずは3つに分けることを意識していきましょう。文章自体の内容を3つの短い文で表すことができれば、テストで長文を読む際には役立ちますし、作文を書くときにも分かりやすいあらすじの文を作ることができるようになります。そして、普段から語彙力を鍛える訓練をしましょう。国語の勉強において語彙力があるということは大きな強みです。文章を読解する際も自分で文を書く際も自分の強い味方になってくれます。学校の授業でも文章中には新出語彙が出てきます。語彙力は短期間で身につけることが難しいものなので、新しい言葉が出てきたらその都度、辞書などで調べるようにしましょう。
英語:単語・文法の定着と応用力向上
中学校では「聞く」「話す」ことが中心であった小学校の内容に加え「読む」「書く」が追加されるため、英単語や文法を覚えなければなりません。また、最近は学年が上がると、リスニング・英作文・初見問題が出題されることも珍しくないので、今学習しているのはどのような単元なのかを理解するようにしましょう。また、普段からその日に習った英単語や文法は記憶が新しいうちに復習して定着させるようにしておくと試験勉強がぐんと楽になります。特に、be動詞やbegin(始める)などの不規則動詞の活用などは理屈抜きに覚えるしかありません。教科書や参考書に掲載されている不規則動詞表から頻出の動詞の原形・過去形・過去分詞をリストアップして、一気に暗記してしまいましょう。大事なのは何回書いたではなく、覚えたかどうかです。
また、前置詞などを理解する際に図を使うことで前置詞のもつイメージをつかみやすくなり、自分の頭の中も整理され、応用問題にも対応しやすくなります。
暗記技術と理解を深める勉強法
英語の英単語や社会・理科など、中学の定期テストでは暗記項目の対策も重要です。ここではより効果的に学んだことを記憶していく方法を紹介していきます。
暗記術と繰り返し学習
「実現可能な勉強計画の立案」でも述べたように、人の記憶は1日後には7割近く忘れてしまうと言われています。しかし、復習をすることで記憶は9割近くまで戻り、記憶も持続するとされています。そのため、学習したことを頭に定着させるには、ある程度時間をおいて繰り返し復習していくことが効果的です。記憶術については過去にも記事が出ているので参考にしてみてください。(藤山正彦のぷち教育学【学習と記憶 Learning and Memorization】-前編-)
ノートの取り方と復習のコツ
復習に取り組む際には、授業中にとったノートを利用することが多いと思います。では、復習しやすいノートを作っていくには、どのようなことを意識していけばいいのでしょうか。また、記憶を定着させやすい復習のコツについて、それぞれいくつかポイントを紹介します。
<ノートの取り方のポイント>
・日付とページ(P)を書く
いつ勉強したか、教科書のどこを勉強したかが、復習するときにわかりやすくなります。
・余白は広くとる
余白があると見やすく、間違い直しや気づいたことも書けて覚えやすくなります。見直しをする時にそこに新しい知識を書き加えていけば、より学習が深まります。
・表やグラフはフリーハンドでも正確に描く
フリーハンドで書くと、より正確な形が理解できるようになります。また、テスト本番で役立つことになります。
・見出しは位置をそろえる
単元名・問題番号の数字の種類・文字の大きさをそろえ、また書き出し位置もそろえることで、どこに何が書いてあるのか、わかりやすくなります。
・色は基本2色で書く
色が多すぎると、どこが大事なのかわからなくなります。基本は黒、目立たせたいところは赤で書きます。
・間違えた問題は必ず解き直し、理由も書く
消しゴムでは消さず、間違えたら赤色で正確に書き、どこを、なぜ間違えたのかをわかるようにしておきます。理由も書くことで自分の弱点が明らかになり、間違いを繰り返しにくくなります。
・見開きで使い、学習内容が変わったら次のページに移る
ノートは見開き単位で使い、学習内容・単元が変わったら、ページの途中でも次のページに移ります。全体の構成がわかりやすくなり、余白には気づいたことも書き込めます。
<復習のポイント>
・宿題は遅くとも翌日に始める
記憶は時間が経つごとに薄れていきます。学習した内容がまだ新しいうちに宿題に取り組むことで繰り返し学習となり、再度一から覚えるよりも楽に記憶に定着させていくことができます。
・宿題をやるときは授業中に書いたノートを見ながらやる
授業で間違えた問題は宿題でも間違える可能性があります。間違えた理由をノートに書いているので、宿題をやるときにノートを見れば理由や解法が書いてあり進めやすくなります。
・間違えた問題は何度もやり直す
間違えた問題をそのままにしていても、実際のテストや入試で点数を取ることはできません。復習では「わかる」から「できる」ようになるまで何度もやり直しましょう。
・暗記事項は覚えているかどうかの確認をする
単語や用語、漢字など何かを覚える際に気を付けたいことは、覚えているかどうかを必ず確認するということです。例えば漢字などは実際に自分で問題を作り、「漢字」↔「ひらがな」に直してみることで自分の定着度を確認してみるといいでしょう。いつも書きながら覚えている人は書くことが目的にならないように注意しましょう。
中学生のテスト対策と勉強方法の総まとめ
今回は中学生の定期テスト対策について紹介しました。定期テストにはただ漠然と勉強に取り組むのではなく、①出題範囲・傾向を把握し、②目標を設定、そして③実現可能な計画と自分に合った時間配分・スケジュールの作成をもって臨んでいくことが重要です。また、勉強する環境の整備や、学校で習ったことをこまめに復習する習慣・学校や塾の課題への取り組みなど、普段の学習習慣も定期テストの点数アップには必要になってきます。自分の習慣を見直し、少しずつでもよりよくしていく努力を続けると、定期テストやその先の高校受験にも余裕をもって取り組めるようになりますよ。
定期テストに向けて学習習慣がついているか学習習慣チェック表でチェックしてみてください。できるだけYesの数を増やせるようにしましょう。
学習習慣チェック表
定期テストに向けた学習習慣がついているのか下記の30項目でチェックしてみましょう!
フリーステップでは定期テスト対策に対して各生徒の目標の設定を行い、目標点にあわせてS-CUBEというシステムを利用して試験日から逆算し年間単位、毎授業単位のカリキュラムを作成しています。 カリキュラムの進捗、毎回の授業において定期テストの目標点に対してどの程度達成できているかを過去の各学校の過去問から作成されているラップテスト(授業の理解度確認テスト)で中間計測していきます。
Lapテストは定期テストに対する予想問題になるため、タブレットなど各種モバイル端末で視聴できる解説動画を自宅で授業の復習として視聴してもらい、デジタルLapテストで解きなおして学習したことの定着を図ります。 カリキュラムやLapテストがどの程度進んでいるかはMy Step Log(マイステップログ)で生徒、保護者、担当講師、教室チーフの4者がいつでも確認・共有できるようになっており、定期テストに万全の準備と環境で対策を行っています。
以上のことを参考にして定期テストで点数アップを目指しましょう!
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>