2021/09/27
【大学受験】過去問題の効果的な活用方法
受験生のみなさん、こんにちは!今回は「過去問題集」(俗にいう『赤本』・『青本』・『黒本』など)の効果的な使い方をお伝えします。
まず、最初に受験生のみなさんに確認です。自分自身が受験予定の過去問題集はすでに持っていますか?まだ持っていないという人は、この記事を読んだ後すぐに準備してください。志望校の入試ではどんな問題が出るのか?ということを知っておくことは受験勉強で何をやったらいいのかを明確にできます。
それでは、過去問題の効果的な活用方法について「準備編」「実践編」「分析・対策編」の3点に分けてご紹介します。
《準備編》解く前にまずは傾向を知ろう
受験はよく部活に例えられます。そこでまず大切なことは「敵(=受験する大学の傾向)を知る」ということ。過去問題集には「傾向と対策」という各大学の出題傾向分析が載っています。過去問を手にしたらまずはここをチェックしましょう。各出題教科の、日時・試験科目・試験時間・問題数・問題の種類・配点・難易度などは大学・学部によって違いますし、各大学・学部の出題には必ず、「傾向」があります。各教科とも「必須」・「出やすい」・「出にくい」問題があるのでそれを探りましょう。そして、過去問の合格最低点(あくまでも目安ですが)・倍率・受験日など、あらゆるデータを参考にして、どういった力が求められているのか、どの単元をより重視して対策していかなければいけないのかを知ってください。
その上で、自分の力とのギャップを確認していきます。次の≪実践編≫では自分自身がどれくらいの力をつけているのかを知る方法を紹介しています。過去問題集の使い方がわからない、うまく成果が出てこないなど困っている人は特に参考にしてください。
《実践編》実際に解いて自分の実力を確かめよう
傾向分析が終わったら、実際に過去問を解いていきましょう。時間は無制限だと思って問題を解いてください。その大学の、その学部の問題が自分に解けるのかどうかを試してみてほしいのです。ただし、時間は無制限ですが、解答するためにかかった時間は測っておいてください。
そして以下のことを問題用紙に記入しながら解いてください。①は解きながら、②は答え合わせの時でよいです。時間の計測にはストップウォッチ(携帯)がお勧めです。直前期は試験で使用する時計を使って解く練習をしてください。
設問について、
①大問ごとの所要時間。
②その問題の答えに自信があるか
(ABC評定をつける。A:自信がある、B:少し自信がある、C:自信がない)。
次に採点についてです。 点数に関しては、
Ⅰ.トータルの点数。
Ⅱ.大問別の点数。
Ⅲ.ABC別の点数。
に分けて採点することが理想です。
このデータはあなた自身の「傾向」を表しています。特に[②・Ⅲ.ABC別の点数]は模試などでは分からないデータとなります。
次年度以降の問題は、「制限時間内に解く」・「解く大問の順番を変える」などの工夫をしてトライしてみることになるのですが、その前にデータの分析が必要となります。
《分析・対策編》解いた後は今後の対策を決めよう!
最後は、解いた結果から今後の対策を考えることが必須です。たとえ点数が悪くても、この分析・対策を徹底的に行って実行に移せば実力向上していきます。分析・対策のポイントを5点お伝えします。
①過去問対策用のノートを準備しよう
過去問の分析・対策用としてノートを1冊準備してください。これから紹介する過去問題を解いた後の分析・対策内容をまとめておいて、いつでもすぐに見直せるようにするためです。
そのノートには、これまでにお伝えした《準備編》の傾向分析内容や、《実践編》の採点結果もまとめておくページを作っておくと、自分だけの〇〇大学対策用過去問ノートが出来上がります。過去問用ノートを上手くまとめておくことで飛躍的に実力がアップした受験生を今までたくさん見てきました。これは本当におすすめなので、是非実践してみてください。
②どの単元やどういった形式の問題で点数を落としているか
[(採点)Ⅱ. 大問別の点数]が参考になることも多いです。例えば、英語は大問1会話文、大問2長文(図表読み取りを含む説明文)、大問3長文(物語文)、大問4文法問題、大問5英作文のように大問ごとに問題形式が明確に区別されていることが多いです。上記のような構成で大問1の点数が極端に低い、などの場合は会話文の見直しを重視したほうがよいという対策の方向性が明確になります。その他の科目も毎回決まった大問で特定の単元や問題形式での出題傾向が見られるものにはこの方法で対策が明確になります。
③知識の定着度合いや未習部分の確認
[(採点)Ⅲ. ABC別の点数]が参考になります。重要なのはAで間違えている場合とCの問題です。A(自信がある)なのに間違っているということは間違って理解している、完璧に覚えていると自分では認識している知識が曖昧な可能性があります。C評価の場合はそもそも見たことがなく、まったくわからない問題という場合と見たことがある問題だが自信がない場合の2通りあると思います。見たことがない、まったくわからない場合は未習部分がある可能性があります。解答・解説などを確認して未習部分なのかそうでないのかの確認をしてください。
・分かっているつもりだが実はわかっていない(自己評価Aで間違っている)
・未習部分(自己評価C)
→上記2つは致命的な弱点になるので最優先で見直し、あるいは学習をしましょう。
④解く順番の見直し
脳は疲労します。疲れた頭で「配点の高い問い」や「難易度の高い問い」を解くことは、おすすめできません。問1から解かなければいけないというルールはありません。そして脳のコントロールにも個人差があります。解く順番はおおまかでもいいので、必ず考えて決めてください。何度か解いて最終的に自信が持てる解答順序を見つけましょう。
⑤正解すべき問題の見極め
みんながとれているところで落とすと致命的!目標点数に届くためにはどこで点数をとれないといけないのかを確認します。自分での判断は困難な場合は、学校の先生や塾の先生に聞きましょう。
上記のような分析は勿論、自分でやっても結構ですが、受験をより知っている人から客観的な意見・アドバイスを聞くことをおすすめします。学校や塾の先生に過去問題集・自分が解いた解答・結果を持っていき「過去問題集を解いた結果、こういった対策を考えているのですがどうですか?」と聞いてみましょう。
実践は勿論一回だけよりも、回数を重ねた方がよりよいデータ(現状把握)となります。いずれにせよ「過去問題集」の問題は一度ではなく複数回解いていくことをお勧めします。「過去問題」は「一度出た」問題なので、やはり「これと同程度」で「同傾向の」問題が出ることが多いです。10年間で、ほぼ同じ問題を複数回出題している大学もあります。大過去の「過去問題集」は古本屋さん等で探してみるといいでしょう。
フリーステップでも過去問演習は大切な学習過程ととらえて、授業の中での対策はもちろん、過去問の傾向対策と個人の課題を分析して1日で10%以上得点率をあげるようなイベントを実施し、志望大学で合格をするためにどうしたらいいかを知ってもらう取り組みをしています。
どうでしょうか、参考になりましたか?過去問題集をフル活用することは志望校合格に向けて大切な過程です。これからの入試直前期に、しっかり実践をして合格点クリアを実現させましょう。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>