2021/10/11

【高3・高卒生対象】共通テスト直前対策

 受験生のみなさん、いかがお過ごしでしょうか。いよいよ共通テストの日が近づいてきましたね。ここで皆さんに向けて、いくつか共通テストに関するアドバイスをしようと思います。

新テスト導入の2年目は難しくなる?

センター試験から共通テストへと変更され、今年度の受験生は2年目の共通テストの受験生にあたります。共通テストを受験するにあたり、過去の共通一次やセンター試験の導入時の事例について知っておき、それを踏まえた対策をしておくことが重要です。過去の共通一次、センター試験の2年目は初年度と比較し、問題が難化したため、多くの教科で平均点が下がりました。中には共通一次の英語B(初年度平均点:125.49 / 2年目平均点:94.18点)や、センター試験の数学Ⅰ(初年度平均点:73.37点 / 2年目平均点:50.72点)のように初年度から大きく点数を下げた教科もあります。(※数学Ⅱ・世界史などは他科目との問題難易度の調整で平均点が上がっています)。

受験生は過去の事例を踏まえると、共通テスト2年目は難易度が上がる科目が多くなる可能性があります。もともと共通テストは平均点50%設定を目安として作問予定で、初年度から難化することが予想されていました(センター試験の平均点目安は60%)。ところが、実際にふたを開けてみればセンター試験と大きくは変わりのない平均点となりました。そのため、もともとの平均点目標を導入2年目で目指す方針がとられることになれば、難易度が上がることになるでしょう。特に、数学ⅡBは共通テスト初年度平均点59.93点と高い点数(59点以上の平均点は2002年度入試以来)であったため、その反動で2年目は難化されると推測されます。

本番に向けての対策としては、初回の共通テストの問題をベースとしたうえで、それよりも難易度の高い問題に対応できる学力をつけることや、2017年度・2018年度に実施された試行調査問題を解いておくことが重要です。どのような問題レベルが出題されたとしても動揺しなくてすむ準備を整えておきましょう。

時間配分・解答順序を意識した過去問演習を繰り返す

 受験で最高のパフォーマンスを発揮するためには学力に加え、試験への戦略も重要となります。中でも各大問にどれだけの時間をかけるかという時間配分は事前にしっかりと計画をしておきましょう。過去問や模擬問題を使って、各大問でどれくらい時間がかかるかを計り、本番の試験でどのくらいのペースで解くかのシミュレーションをしておくとよいでしょう。また、解答順序を決めることも戦略の一つです。例えば、国語であれば知識で解ける問題がある古文と漢文を先に解くのが一般的です。自分にとって最適な解答順序については、過去問演習を通じてあらかじめ確立させておきましょう。

時間配分についての戦略を立てることは自分自身の弱点と向き合うことにつながります。全体でかかった時間だけではなく、大問ごとにどれだけの時間がかかったかを確認しておくことをお勧めします。時間がかかり過ぎている問題がある人はそこが自分の弱点です。

時間がかかる要因について、例えば数学の場合であれば、計算をするのに時間がかかっているのか、または解法を思いつくのに時間がかかっているのかによっても対策が異なります。計算に時間がかかり過ぎてしまう人は計算の演習量を増やして計算力を高めることが重要です。解法を思いつくのに時間がかかり過ぎている人は、発送力を鍛える訓練はもちろん、時間をかけてじっくり考えると解けそうな問題と時間をかけても解けそうにない問題の見極める力をつけることが重要です。この判断がうまくいかないとじっくり考えたら解けたはずの問題が、時間が足りないせいで解けなかったということになってしまいます。このような点に注意しながら受験本番前までに弱点を補強していきましょう。

本番と同じスケジュールで過ごそう ~本番をイメージトレーニング!~

 試験当日までに本番と同じスケジュールで対策をしておくことは重要です。2日間で長時間の試験を受験するため、思考のスタミナが重要になります。30分程度で休憩をとらなければ集中を持続させることが難しい人は、試験本番で長時間の問題に対して集中を持続させることは困難です。定められた時間で最高のパフォーマンスを発揮するだけの集中力を持続させるためにも、普段の学習においても試験本番の時間に合わせていくことが重要です。試験時間だけではなく、休憩時間も本番のスケジュールに合わせて模擬問題をやってみて、試験当日の1日の流れを体感しておくこともお勧めです。また夜型の学習習慣や普段の就寝時間にバラつきがある人は、遅くとも3か月前には朝方の習慣を身につけておくことが重要です。人間の脳が最も効率的に働くのは起床の4時間後と言われます。そのためには試験までの時間を逆算した生活習慣を身につけておくことが重要です。

マークシートへの解答方法 ~本番の試験で正しくマークをするために~

マークシート形式の試験を受験にするにあたり、次の3点に気をつけておいてください。まずは、1ページごと、もしくは大問ごとの「区切り」でまとめ塗りすることをお勧めします。中には、最後にまとめて塗るほうが効率的と考える人もいるかもしれませんが、この方法は、マークシートにずれて解答していた場合に、最後までそのことに気づかない可能性もあり、危険です。

2つ目に、自分の解答に自信がなく、時間が余ったら後でじっくり考えたいという問題についても、その時点での自分の解答をマークしておくことをお勧めします。後で考えようと問題を空けてしまうと、次の問題でうっかりそこにマークをしてしまう可能性があるからです。後でじっくり考えたい問題については問題用紙にチェックをしておくようにしましょう。

最後に、マークシート形式の試験には、シャープペンシルではなく、あまり尖っていない鉛筆を何本か準備して、試験に臨みましょう。尖っていない鉛筆を使った方が、マークシートを塗る時間を節約することができるためです。「マークを塗る時間なんてほんの数秒の差じゃないか」と考える人もいるかもしれませんが、共通テストでは非常に多くの問題に解答しなければならず、ほんの数秒の短縮も、積み重なることで大きな時間の短縮につながります。その時間で迷っていた最後の1問を解くことができたり、うっかり間違えていた解答に気づいたりすることができます。入試ではたった1問で合否が変わる場合も多々あります。貪欲に点数を狙いにいく姿勢で臨みましょう。

 

これまで、いくつかのアドバイスをお話してきましたが、受験は「いかに戦略的に臨めるか」が鍵となります。本番を目の前にした今、緊張や不安を感じることも多いかと思いますが、くれぐれも体調には気を付けて、ラストスパート、乗り切っていきましょう!

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>