2024/10/07
中学生・高校生の違いを知ろう【学習内容編】~高校生になるとここが変わる~
この記事では、今、中学生の皆さんにとって未知の世界である高校生活について、中学生と高校生の違いは何か?という観点で紹介します。高校ではどういったことが待ち受けているのでしょうか。今回は、学習面において、高校生になるとここが変わるという点をお伝えします。
高校の学習内容の違いと進化
高校の授業は「ある一定の学力がある」ことが前提で進みます。高校によってそれぞれ入試での偏差値が異なるので、当然といえば当然です。ついて来られない人を待ってくれる授業はありません。それではどのような内容なのか詳しく見ていきましょう
数学:基礎から応用へ
数学を例にしてみましょう。中学生で学ぶ単元と高校1年生で学ぶ単元のつながりを表したのが下記の表です。この表を見ると、高校1年生で学習する数学Ⅰ・Aでは、中学生で習ったほとんどの単元の応用・発展的内容を学習していくことがわかります。
その中で一つ、【中学】関数と【高校:数学Ⅰ】二次関数に注目して、難易度の違いを見てみましょう。下の2つのグラフを見てください。上の中学で学習したグラフでは、グラフの頂点は原点(x軸とy軸の交点)を必ず通っていました。一方、下の高校で学習する2次関数のグラフは、グラフの頂点=原点であるとは限りません。グラフの位置も様々のため、関数の式も複雑な式となり、中学のとき以上にグラフを正確に描ける力を必要とします。
数学に限らず全ての教科に共通して言えることは、高校で学習する内容は中学での学習の上に成り立っているものなので、その土台が不安定では授業についていくことが難しくなるということです。
また、多くの高校では、中学で学習した基礎的な部分は当然分かっているであろうという前提で授業が進みます。そのため、中学で学習した内容は中学のうちにしっかりと理解したうえで高校に進学することが重要です。先ほど例に挙げた二次関数の場合、グラフの頂点を求めるためには、中学生で学習した因数分解を利用して式変形して頂点を出します。つまり、高校で学ぶグラフの頂点の導き出し方は、因数分解を知っていれば解けるようになるのです。高校に上がると色々な解法を学んでいきますが、中学・高校の計算分野の単元は徹底的に演習して身につけておくことで、複雑な計算を要する高校内容の数学も理解しやすくなります。
科目数の増加
中学では主要教科は英語・数学・国語・理科・社会の5教科が一般的でしたが、高校では各教科ともに、学習する科目数が増えていきます。高校1年生で主に学ぶ科目でみると、下記の表のような科目数の違いが見て取れます。英語では英語コミュニケーション(4技能を総合的に扱う科目)と論理・表現(プレゼン・ディベートなどの発信力を高める科目)という科目に、数学は数学Ⅰと数学Aと2科目に分かれるため、1教科あたりの授業数が増えていきます。また、理科や社会も中学までとは違い科目が細分化されます。高校1年生では、理科は物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎、社会は地理総合・歴史総合・公共といった科目を学習していきます(※社会の科目名は2022年度からの新学習指導要領における科目名称。理科・社会の学習科目は高校によって異なります)。
試験の難易度の上昇
先ほど、科目数が増えるという話をしましたが、授業が細分化される分、当然定期テストの数も増えます。中学では多くの学校で中間考査は2日、期末考査は3日でテストが実施されるのに対して、高校では中間考査が4日、期末考査が4~5日で実施される学校が多いです。定期テストの科目数が増えた分、より多くの勉強時間が必要となります。定期テストのために、普段から学校の授業を大切にして、授業内で理解しておくことはもちろんのこと、定期テスト2週間前からはテスト勉強を本格的にやっていかないと間に合いません。高校ではより計画的に定期テストに向けた勉強を進めていく必要があるのです。
学習スタイルの変化・対応策 ~予習と復習~
高校の学習内容は難しくて、授業スピードも速くなりますので、一度ついていけなくなった科目は挽回することが非常に難しくなるのも特徴です。では、そうならないためにどうすれば良いのかというと予習・復習をしっかり行うということです。なぜ、高校では予習が必要になるのでしょうか?
上記で述べた通り、高校では中学よりも学習の量も質もアップします。そのため、高校生になると学校の授業を効率よく理解するためには、予習が必要となるのです。
中学では概念を理解する段階(数学の公式を丁寧に例題交えて解説、英文法の基本形など)から先生が丁寧に指導します。ところが、高校では年間の授業で扱うカリキュラム単元が多いゆえに、概念理解ができるまで丁寧に指導する時間が学校の先生にはありません。また、先生が生徒に授業内容についてどんどん指名していき、生徒はその問題の解答を答えないといけない授業もあります。その場合でも予習をしておけば、きっとスムーズに答えられるでしょう。予習は授業にしっかりついていくための下準備なのです。
効率の良い予習の方法とは
予習が必要とはいっても、中学までは必要ではなかったため、どのように予習はすればよいのか困ってしまうという高校1年生はたくさんいます。ただでさえ授業内容の質や量が高校では増えていき、復習もたくさんしないといけないのに、予習ってどうすればいいの?という疑問に答えるため、効率の良い予習方法をお伝えします。
≪英語・国語・数学の効率の良い予習について≫
予習は、わからない点を把握しておき、授業中には理解度100%に持っていくための準備をするのだという意識で取り組みます。具体的な科目ごとのやっておくとよい予習内容はこちらです。
【英語】
・次回習う単元の文章でわからない英単語や英熟語について意味や用法を調べておく。分からなかった単語・熟語を調べたらノートにまとめておく。
・読解内容について、教科書の英文を和訳しておく。ノートの左側は教科書の内容を記入し、右側のページは和訳した日本語文を書いておくとよい。
【古文】
・教科書本文をノートに写しておき、わからない古文単語の意味を調べておく。
・古文文章の現代語訳も可能な範囲でやっておき、おおまかな内容を把握する。
【数学】
・次回の授業で行う公式に目を通しておき、ノートにまとめておく。
・基本例題の解き方を確認して、教科書基本レベルの問題がどういう内容か触れておく。
≪中学内容で理解不十分な単元がある場合≫
先ほども述べた通り、中学で習った単元の発展内容を高校では学習します。そのため、中学内容があやふやだという単元は授業前に、中学で習った単元を30分程度でよいので軽く見直しておきましょう。これは予習というよりは、復習の意味合いに近いですが、見直しをしておくことで学校の授業の理解はスムーズにいきます。
先ほど同様、数学を例に考えてみると、高校で数学Ⅰの二次関数の式とグラフを学ぶ前に、中学で習った式とグラフについて中学の教科書を用いて、公式や解法の手順をおさらいしておくとよいでしょう。学校の授業では、中学で学習した内容をまたイチから説明されることはおそらくない、あったとしても非常に簡単に復習する程度です。そもそもの式とはどういう公式かは分かっている前提で授業が進むと思って差し支えありません。このように、これまでに習った内容をおさらいしておき、次の授業に備えるということも大切な高校における学習方法の一つなのです。
予習の必要性と方法について紹介しました。すべての科目について予習するのは時間が無くて大変だという人は、まず苦手科目からやっておくことをオススメします。苦手科目ほど繰り返し学習することが、苦手克服に近づくため、予習に時間を割いておくほうが良いということを頭に入れておくと、高校での勉強を優位に進めることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように高校へ進学すると、学習面がかなりレベルアップすることがわかります。学校の授業についていけるように意識して毎日を過ごすことが、高校生活を豊かにするためには必要です。フリーステップでは、個別指導と映像授業を組み合わせたハイブリットな高校生指導や、ラップマスター(解説動画)を用いた予習・復習のサポートにより、定期テスト対策や大学受験に向けた対策をしています。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>