2023/11/20

【高校受験生】冬休みの過ごし方 ~受験生は最後の追い込み期間~

10日間前後のお休みとなる冬休みは、受験生にとっては入試前にまとまった勉強時間が取れる最後の期間です。同時に、受験生ではない人にとっては前学期までに学習したことを復習する期間になります。

今回は受験生の冬休みの過ごし方及び学習ポイントについてお伝えしていきます。

受験生の一日の過ごし方


受験生の冬休みは、学業だけではなく適度な休息を含むバランスの取れた学習スケジュールを考えることが大切です。まずは、冬休みの目標を設定しましょう。どの科目やスキルを強化したいのかを明確にし、それに基づいてスケジュールを計画します。

次に、冬休み中に取り組むべき科目やトピックをリストアップし、週ごとまたは日ごとに学習時間を割り当てます。様々な科目に取り組むことを意識してください。長時間続けて学習するのではなく、自分が集中できる時間(3040分程度)を設定し短い休憩時間を挟んで取り組むと、疲れにくくなります。そして週ごとに設定した目標を振り返り、進捗を確認します。この方法を使うことで、学習へのモチベーションを維持しやすくなります。受験生とは言え、友だちや家族との交流、趣味やリラックスの時間も計画に適宜取り入れ、バランスを持たせるようにすすることで、ストレスを溜めずに試験に備えることができます。

一口に科目やスキルを「強化」といっても具体的な数値目標が無いと「なんとなく頑張った」で終わってしまいます。1月にも模試がある地域の場合であれば、1月模試の得点や偏差値を、もう模試の無い地域であれば未着手の過去問の得点や正答率などを基準にすると良いでしょう。「冬休み前よりもどれだけ上げたいか」を具体的な数値目標とするのです。

受験生に必要な生活習慣とは?


~睡眠時間を確保しよう~

冬休みの計画を立てる上で、生活リズムを整え睡眠時間を確保することは、学習環境を維持するために非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝しましょう。夜更かしや遅い起床は生活リズムを乱し、学習効率を低下させます。充分な睡眠をとることで、記憶力や集中力が向上し、意欲が持続します。通常、青少年には毎晩約8時間の睡眠が必要だと言われているので、勉強が忙しく睡眠が足りない場合は、週末にリカバリースリープ(追加の睡眠)で調整することも考慮しましょう。また、適度な運動も睡眠を改善するのに役立ちます。ただし、運動は寝る数時間前に行うと、逆に覚醒状態になることがあるため注意が必要です。

~学習環境を整えよう~

受験生にとって適した学習環境を整えることは、効果的な勉強とストレス軽減につながります。学習に不要なものがなく整理整頓が行き届いている、静かで集中できる図書館や個室などで学習できる環境が必要です。

また、受験生本人や親御さんを悩ませているのはスマートフォンやタブレット、テレビなどの電子機器との付き合い方ではないでしょうか。次にスマホ等の誘惑から避ける方法をご紹介するので参考にしてください。

  • スマートフォンやテレビの利用時間を制限する
    アプリを使用してスマホを利用制限したり、親や家族に制限をかけたりしてもらう。
  • スマートフォンのサイレントモードを活用する
    通知が来ても分からないようにしておくモードです。通知によって集中が妨げられるのを防ぎます。
  • 学習用のツールやアプリを活用し効果的な学習をサポートする
  • 自己規律を守る
    計画通りに学習することで、誘惑に負けずに勉強に集中する。
    (一定の学習時間内はスマホを触らない等)
  • リワードシステム
    一定の学習時間を達成したら、スマートフォンやテレビを楽しむ時間や自分へのご褒美を設けるなど、自分を励ます方法。

他にもスマホ等の電子機器の代わりに自分のストレス解消やリラックス方法を見つけて誘惑から逃れるなど、集中して学習できる環境が受験への成功へのステップと言えます。

冬休みの学習ポイント


中学3年間内容総復習→私立高校過去問演習

まず冬休みが終わるまでに、中学校3年間の学習内容を一通り完了させ、総復習を完成していきましょう。(そのためには冬休み前までに、中学校で習う単元はすべて終わらせておく必要があります)

総復習が完成したら、過去問対策に取り組みます。高校受験生が過去問演習に取り組む順番は、ケースによって異なりますが、入試の実施される順番に準ずると考えましょう。

ケース① 公立推薦→私立→公立一般 の順

ケース② 私立推薦→私立一般→公立一般 の順

ケース③ 私立推薦および一般→公立一般 の順

おおよそ以上のようなパターンに当てはまると思います。どの地域でも公立高校の一般選抜が最後になると思います。

私立を推薦や併願で受ける場合、学校成績や面接などの重要度が高く当日の学力検査がそれほど重視されない場合もありますが、これは地域や学校、入試方式によって異なりますのでご自身の受ける場合はどうなるのかはよくお調べください。

「私立高校」の試験を先に受ける場合には当然、過去問題演習も私立対策を優先して行います。冬休み中に「私立高校」の過去問題演習(おおよそ5年分)はできるだけ終わらせることが望ましいです。「公立高校」の過去問題演習も1~2年分はしておくのが理想的ですが、時間的に難しそうであれば、冬休み後でも大丈夫です。ただし、私立高校の入試では出にくいが、公立高校入試では頻出の出題形式があります。代表的なものは英語の「リスニング」「自由英作文」、国語の「作文」「小論文」などが挙げられます。これらの単元は自分で進めるのが困難なため、冬期講習の授業や勉強会イベントを利用して対策を行うのが効率的です。どの形式が出題されるかは各都府県により異なるので必ず、5教科の最新年度の公立高校の過去問題は確認しましょう。

「公立高校」第一志望で私立は併願の推薦での志望のみのように、公立の入試に重点が置かれる場合は、冬休みには「公立高校」の過去問演習を行っていきましょう。

私立でも公立でも、入試問題傾向は基本的には前年までを踏襲します。何年分も過去問演習をすると、その入試問題の型や求められる考え方が分かってきます。これが非常に有効ですので、冬休みに集中して対策するためにも、繰り返しになりますがその前の段階で「もう新しく習わないといけない単元」は残っていない状態にしておきましょう。

なお、2022年度から新学習指導要領となってからの入試が始まっています。そのため、新出内容や高校から移行してきた単元である、数学「四分位範囲」「箱ひげ図」、理科「ダニエル電池」、英語「仮定法」「原型不定詞」「現在完了進行形」といった項目は、以前の入試で出題されていない場合、過去問を使った対策だけでは入試形式の問題に触れることができません。そのため、これらの単元は最新の入試対策用問題集を用いて対策をしておきましょう。

まとめ

冬休みは受験生にとっては「入試にむけた過去問題の演習を行い、出題形式慣れ、時間配分などの戦略を確立する期間」、そして「過去問題演習の中で見つかった弱点単元を復習する最後の期間」になります。

冬休みは短い休みですので、冬休みの勉強をできる状態を整え、計画を立てて、効率よく勉強を行い、少しでも安心して入試を迎えられるようにしましょう。

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>