2022/11/14
【受験生・非受験生別】冬休みの過ごし方
~受験生は最後の追い込み期間、非受験生は前学期の総復習期間~
10日間前後のお休みとなる冬休みは、受験生にとっては入試前にまとまった勉強時間が取れる最後の期間です。同時に、受験生ではない人にとっては前学期までに学習したことを復習する期間になります。今回は冬休みにおける学習ポイントについて大学受験・高校受験・中学受験、非受験生にわけてお伝えします。
大学受験生
過去問演習で解法理解&ベストな時間配分・解答順序を決定
「共通テスト」「私立大学一般選抜」の対策問題集や過去問演習を中心として勉強計画を組み立てます。「国公立大学2次試験」の過去問題演習は、共通テスト終了後にするのがよいでしょう(共通テストの結果で受験校が変わる可能性もあるため)。
特に、実施3年目となる大学入学共通テストは、いかに多くの共通テスト対策用の問題集をこなしておくかが最後の総仕上げのカギとなります。共通テスト2年目である昨年度(2022年度)の共通テストは大幅に平均点がダウンしたことで苦労した受験生が多く見られました。共通テストの出題傾向予想や対策法は「共通テスト直前対策」の記事に詳しく載せていますので、ぜひお読みください。
また、過去問題演習時のポイントは、次の2点です。
①過去問題演習を行う中で各問題形式に対する解法を理解・整理する
②自分にとってのベストな大問ごとの時間配分や解答順序を決める
これらのポイントを過去問題の答え合わせをする中で意識するようにしましょう。冬期講習の授業ではわからないところ、時間配分、解答順序などの相談や質問を早めにして解決することで、効率よく勉強を進められます。
高校受験生
中学3年間内容総復習→私立高校過去問演習
まず冬休みが終わるまでに、中学校3年間の学習内容を一通り完了させ、総復習を完成していきましょう。
総復習が完成したら、過去問対策に取り組みます。高校受験生が過去問演習に取り組む順番は、「私立高校」の過去問題演習が優先です。冬休み中に「私立高校」の過去問題演習(おおよそ5年分)はできるだけ終わらせることが望ましいです。「公立高校」の過去問題演習も1~2年分はしておくのが理想的ですが、時間的にムリそうであれば、冬休み後でも大丈夫です。ただし、私立高校の入試では出にくいが、公立高校入試では頻出の出題形式があります。代表的なものは英語の「リスニング」「自由英作文」、国語の「作文」「小論文」などが挙げられます。これらの単元は自分で進めるのが困難なため、冬期講習の授業を利用して対策を行うのが効率的です。どの形式が出題されるかは各都府県により異なるので必ず、5教科の最新年度の公立高校の過去問題は確認しましょう。
なお、昨年度入試(2022年度入試)は新学習指導要領となって初めての入試でした。そのため、新出内容や高校から移行してきた単元である、数学「四分位範囲」「箱ひげ図」、理科「ダニエル電池」、英語「仮定法」「原型不定詞」「現在完了進行形」といった項目は、昨年度入試で出題されていない場合、過去問を使った対策だけでは入試形式の問題に触れることができません。そのため、これらの単元は最新の入試対策用問題集を用いて対策をしておきましょう。
中学受験生
過去問題の演習→課題点の克服を繰り返して効率よく合格点確保
自分の受験予定中学校の過去問題、またプレテスト(主に関西圏の私立中が実施、首都圏の私立中では少数)を実施している学校であれば、実際に受験したプレテストを復習しておくことが優先です。
2~3日の間でそれぞれ異なる学校を連続して受験する生徒さんが多いと思いますので、冬休みは複数校の過去問題の演習で精一杯だとは思いますが、計画的に過去問対策を進めていきましょう。また、過去問演習の中で見つかった課題は冬期講習の授業を最大限活用して効率的に解決するようにしましょう。たとえば毎年、「仕事算」が出題されているが、正答率が低い。そんな時は、今まで使っていた教材で「仕事算」の単元の問題のみ基本的な公式と標準的な問題と解法パターンを一通り授業内で先生から解説してもらい、宿題で解き直しを行い定着させましょう。
受験生ではない人
やや難しい単元であった2学期内容を徹底的に復習しよう
学校で2学期に学習したことを冬期講習の授業を活用して、しっかり復習するようにしましょう。各学年、2学期で学習している内容はやや複雑で高度な内容、単元が多いです。とくに、小学算数(図形や割合の単元)、中学数学(比例や1次関数)、高校数学(三角比や三角関数)、中学英語(不定詞・動名詞)、中学国語(古典)などです。そして、これらの単元は多くの場合、入試で必ず出題され、点差がつく単元になります。受験学年になってから復習することはできますが、学習してすぐに復習することで理解度・定着度が高まるでしょう。また、定期テストレベルで復習するのではなく、入試や模試レベルで復習を行うことで入試に向けた実力養成にもなります。
冬休みは受験生にとっては「入試にむけた過去問題の演習を行い、出題形式慣れ、時間配分などの戦略を確立する期間」、そして「過去問題演習の中で見つかった弱点単元を復習する最後の期間」になります。また、受験生ではない人にとっては「2学期に学習した内容を整理し、3学期の学年末テストに万全の体制で臨むための準備期間」だと思ってください。
冬休みは短い休みですので、効率よく勉強を行うことで、入試もしくは3学期を迎えられるようにしましょう。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>