2022/06/20

2025年度共通テストはどう変わる?~次学年の文理・科目選択のポイント~

2022年度の高校1年生から新しい学習指導要領に基づいた教科書改訂が行われました。そして、現在の高校1年生の学年が大学受験を迎える2025年度入試は、大学入学共通テストも新学習指導要領による入試初年度の年となります。

この記事では、2025年度の共通テストはどのように変わるのか。そして、今のうちから気を付けておいてほしいポイントをご紹介します。

高校1年生の学習科目も共通テストの出題範囲になる ~文理選択・科目選択に注意~

まずは、2022年度からの高校の新学習指導要領の変更点、2025年度共通テストの出題教科・科目の一覧表をご確認ください。

高校の新学習指導要領における主な変更科目

高校生_新学習指導要領_変更科目_共通テスト.png

2025年度 共通テスト 出題教科・科目

高校生_2025年度_共通テスト_出題教科_科目.png

この出題教科・科目の一覧からもわかるように、高校1・2年生で学ぶ「数学Ⅰ,数学A」「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」「歴史総合」「公共」も共通テストの出題科目となります。さて、なぜ今、約2年半後の共通テスト2025年度入試のことをお伝えしているのでしょうか。それは、高校1年生のうちで履修している学習内容が、大学入試で1つの科目として出題されるのだということを知っておいてほしいからです。特に、「歴史総合」「公共」は新設の科目です。前例がほぼない状況で入試を迎えることになるのです。だからこそ、学校で習っているうちに知識はつけておき、いざ大学入試勉強をするぞ!といったときにスムーズにすすめておけるようにしておきたいものです。

また、夏休み前後から学校での進路調査がはじまる次学年に向けた文理選択・科目選択では、将来の夢をかなえるための進路選択をしておきましょう。その第一歩として、大学入試を見据えた文系・理系の選択が重要となります。自分が将来なりたい夢のためには、文系・理系のどちらを選んだらよいのか、また、選択科目はどれを選んでおいたら志望校の入試で使えるのかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。

各大学の2025年度入試予告内容

2025年度の大学入試の概要については、文部科学省から各大学に対して、早期に公表するように要請をしています。そのため、2022年度中には、各大学が2025年度入試の方向性を公表するものとみられています。志望する大学の情報が公表された際は、以下のポイントに注目して確認しておきましょう。

各大学から2025年度入試予告が公表された際の注目ポイント

○共通テスト

・「情報」の取り扱いはどうなるのか?

新設科目となる「情報」が必須科目となるのか、選択科目となるのかが注目です。新設であるため、必須科目となる大学・学部が志望校の中で出てきた場合、受験対策として組み込む必要があります。

・「地理歴史」「公民」の科目はどれでも選択可能か?

→社会科目では、志望大学の選択可能科目として含まれない可能性もあります。例えば、旧課程では一橋大学や大阪大学といった難関国公立大学の文系学部では、公民は「倫理、政治・経済」のみが選択可となっていました。2025年度入試からの公民科目は「公共、倫理」「公共、政治・経済」となるため、各大学の方針に応じて、受験科目を決定する必要が出てきます。

○個別試験

・文系学部において「数学C」はどのように取り扱われるのか?

文系数学の出題範囲に「数学C」が含まれるのかが注目ポイントです。数学Cはベクトルや複素数平面、平面上の曲線といった単元を扱います。複素数平面、平面上の曲線は旧課程では理系数学のみで出題されていた内容でしたが、2025年度入試において、共通テストでは文系でも数学Cは出題範囲に含まれるため、個別試験でも課される可能性があります。

・「地理歴史」「公民」の出題科目・範囲はどうなるのか?

例えば、「歴史総合」が出題範囲含まれるのならば、近現代史以降は日本史・世界史の両方の知識をつけて対応できるようにしておかないといけなくなります。出題科目・範囲がどこまで含まれるのかは確認する必要があります。

いかがでしたでしょうか。2025年度の共通テストについて、20226月現在で判明している内容に関してご紹介しました。今後も新しい情報として、各大学が公表する内容には要注目です。志望校における最新情報は常にチェックしておき、受験勉強を効率よくできるようにしておきましょう。

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>