2022/12/26
【中学受験生向け】受験終了後の学習アドバイス~中学入学がスタートライン~
中学受験を間近にひかえた小学6年生にとっては、今まさにラストスパートの時期ですね。
受験生の皆さんは、「中学受験を頑張ったあとに少しはゆっくりしたい」と思うかもしれません。もちろん休息は大切です。しかし、受験後すぐに気持ちを切り替えて中学入学に向けた学習習慣を身に着けていくようにした生徒の方が、合格して通うことになった中学校での生活を上手に過ごせるほうが大変なことになってしまいます。
今回の記事では、中学受験が終わった後のやっておくべき過ごし方についてご紹介していきます。
中学受験後、上位の成績をとるための学習習慣を身につけておくことが大事です!
さて、まずは下記のグラフをみてください。
こちらのグラフは、ある中学校の数学(算数)のテストの点数(よこ軸)と人数(たて軸)との関係を表したグラフで、中学入試結果~1学期中間テストまでの点数の移り変わりを示しています。グラフを見ると、中学受験の結果が出た時点では平均点付近を頂点としたゆるやかな山型になっていますが、入試後の課題テストの時点から真ん中のグラフのように成績の分布は上位層と下位層に分かれていきます。1学期の中間テストではこの差はより一層開いていき、一番右のような形のグラフになっていきます。皆さんがこのグラフのどの位置になるようになっていくかは、中学受験後の勉強の積み重ねで変わってきます。
中学入学後に良いスタートを切っていけるように、中学入学に向けたやっておくべき習慣のポイントを3点お伝えします。
1.中学受験の時の学習習慣を大きく崩さない
まず一つ目は、中学受験の時の学習習慣を大きく崩さないことです。先ほどのグラフで説明したように、中学校からの学習についていけるかいけないかで、定期テストの成績や学力は二極化していきます。特に、私立中学校や公立中高一貫校の場合、学校のカリキュラムの進度が早いため、学力の差はどんどん広がっていきます。
努力して入学した中学校ですから、勉強にもついていけて楽しく学校生活を送りたいですよね。そのためには、次の3つを実践していきましょう。
・毎日のやることを自分がすぐ確認できるようにメモしておくこと
・毎日決まった時間に勉強を開始すること、
・学校までが電車やバスでの通学の場合は、電車内でできる勉強を準備してスキマ時間を活用すること
これら3つをやるだけで学習が習慣化されます。実践して、学習習慣を維持しましょう。
また、私立中学に多い中高一貫校では高校受験がないため、中学高校と過ごしていく6年間の中盤当たりで中だるみしやすくなってきます。受験がない代わりに、何かしら将来に向けた短期的・中期的目標を設定することで、モチベーションを維持できるようにすることがポイントです。
・定期テストで全科目80点以上をとることを目指す
・英語や数学の検定試験を受検する
・得意な国語・社会に関する読み物を毎週読み、実力をつける
このような目標を設定することで、学習意欲の低下を最小限に抑えることができます。
自分なりの将来のための目標を決めて、やる気を維持できるようにしていきましょう!
2.中学受験時にできなかった単元の復習
中学受験後の具体的な学習としては、受験の際に解くことができなかった問題の単元や、小学校内容の復習をすることから始めていきましょう。その理由として、中学校の学習内容が小学校の学習内容の延長にあることが挙げられます。
こちらの図は一例ですが、小学生で習った「整数」や「小数・分数」などが中学生の「代数」といった学習内容につながっていることがわかります。つまり、中学校での学習は小学校での内容を理解していることを前提に進んでいくということです。そのときに小学校での学習内容を理解できていない場合、大きく周りと差がついてしまう状況ができます。そのような事態を防ぐためにも、これまでの復習はきっちりと行っておきましょう。
3.英語・数学を中心に1学期の先取り学習をする
最後に、英語や数学を中心として、中学校で学習していく内容の先取り学習をしておくことをおすすめします。入学直後から優秀な成績を維持している生徒のほとんどは、中学入試直後の2・3月中に上記の「復習」とともに「先取り学習」を行っているというデータが残っています。英語・数学は得意不得意が分かれやすい科目となっていますが、中学入学前にあらかじめ学習を始めておくことで、順調なスタートを切り、ほかの生徒に差をつけることが可能になります。
小学校に比べ学習内容が急激に難しくなり、授業スピードも格段に上がる中学校での学習ですが、このように入学前からしっかりとした学習習慣を身につけておくことで、多くの中学生が直面するような成績の伸び悩みや、授業についていけなくなるといったことが最小限にできます。まず目の前の受験が控えていますが、中学受験後も将来の目標のために頑張っていきましょう。
<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>