2026/04/06
小学生の英語学習完全ガイド
2020年より、小学校英語は小学5・6年生で教科化されました。これに伴い、小学生のうちから英語に触れ、今後の英語学習の土台を作っていくことが重要になっています。この記事では、重要性が増している英語について、小学生からどのように学習していけばよいのか、そのポイントをお伝えします。
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INDEX ■小学生から始まる英語教育の概要と重要性 |
■小学生から始まる英語教育の概要と重要性
最初に述べた通り、2020年から小学5・6年生の教育課程で英語が正式に教科化され、早い段階から英語を学ぶ重要性が高まっています。英語学習がどのように変化しているのか、そしてどのように学習を進めるべきかを説明します。
小学生から英語を学ぶべき理由
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説』は、外国語科の目標として、外国語でのやり取りに必要な見方・考え方を働かせながら、「聞く」「話す」を中心とした活動を通して、コミュニケーションの基礎となる資質・能力を育成することが示されています。こうした方針のもと、小学3・4年生では「外国語活動」として英語に親しむ時間が設けられ、さらに小学5・6年生では成績がつく教科として「英語」が導入されました。
さらに文部科学省の方針を受け、中学校の授業や高校・大学入試も変化しています。
中学の英語授業は、以前のように「読む」活動中心ではなく、4技能をバランスよく育てる学習へと移行しています。さらに、中学校の教科書は「小学校で学習した語彙がある程度身についている」ことを前提に進むため、小学校内容の理解度は中学英語の習得に直結します。
高校・大学入試でも、単なる英単語や文法の暗記だけでは対応しにくい問題が増えています。その一つとして、大学入学共通テストをはじめ英語の問題が長文化してきていることが挙げられます。これには英文を一つひとつ正確に読む力はもちろん、限られた時間で長文から主張や文章全体の要点をつかみ、複数の情報を整理しながら根拠をもって答える力が求められます。こうした力は、一朝一夕で身につくものではなく、小学校英語での学習を土台として育てていく必要があります。後述の「小学生の英語力を伸ばす英検®学習のすすめ」でも触れていますが、この先、英検®やTEAP®などの英語資格を持っていること自体が多数派になるかもしれません。
このように、小学校英語は単なる導入段階ではなく、中学校や高校・大学入試、さらには将来の社会生活にもつながる重要な土台です。だからこそ、英語の基礎は早い段階から着実に積み上げていくことが大切なのです。
小学3・4年生の学習ポイント
小学3・4年生では、まず英語に慣れ親しむことが最も重要です。この時期は正確さより「英語の音やリズムに自然に触れること」を大切にします。歌やゲーム、絵を見ながらのやり取りなどを通して、英語を聞いて理解し、簡単な表現で答える経験を積み重ねていきます。特に、あいさつや自己紹介、身近なものの名前など、日常場面で使う表現を繰り返し声に出すことが効果的です。また、間違いを恐れずに発話しようとする姿勢を育てることも大切です。こうした積み重ねによって「聞く」「話す」の土台が固まり、5・6年生以降の本格的な学習へとつながっていきます。
小学5・6年生の学習ポイント
小学5・6年生で意識していきたい英語の学習ポイントをお伝えしていきます。
ポイント1:書いて覚える
小学5年生から英語が「教科」にはなるものの、小学校の授業は聞き取りや会話が中心で、英単語を「書いて覚える」時間は十分に確保されていません。小学校で扱う必須英単語は600~700語とかなり数が多く、中学英語の土台となる重要語も多く含まれます。そのため、家庭学習では「読む」「書く」の練習を意識的に取り入れ、単語を定着させていきましょう。
ポイント2:まねをする
例えば、日本語を身につけるときも、最初は周りの言葉を「まねる」ことから始まったはずです。英語も日本語と同じ「言葉」なので、はじめは手本をそのまま「まねる」ことが大切です。まずは例文を参考にしながら、声に出して読み、同じ形で書いてみる練習を中心に進めていきましょう。
ポイント3:実際に話したり、書いたりして覚える
英語の表現は、「自分で話す」「自分で書く」ことを交互に行いながら定着させていきましょう。5年生・6年生それぞれで学習する表現は以下の通りです。
【小学5年生】
自分のことを伝える表現を、話す・書く練習で定着させる
小学5年生では「私の名前は~です」「私は~が好きです」「私は~が欲しいです」「私は~ができます」など、自分のことを伝える表現を学びます。目標は、これらの表現を場面に合わせて使えるようになることです。例えば「私は~が好きです」であれば、実際に自分の好きなものを当てはめて話す・書く練習をしましょう。
相手のことをたずねる表現を、聞く・読む練習とあわせて定着させる
また、自分のことを伝える表現だけでなく、「あなたは~が好きですか?」「あなたはいつ~ですか?」「あなたはどこで~ですか?」など、相手のことを知るための表現も学びます。練習するときは、だれかに相手役をお願いし、実際の会話の形で取り組みましょう(相手が質問し、自分が答える)。うまく言えないときは、教材にある例文を声に出して読み、言い方を確認します。確認できたら、もう一度同じ表現を使って答え、最後にその文をノートに書いて定着させましょう。会話で使う練習と、書いて覚える練習をセットにすると、表現が身につきやすくなります。
【小学6年生】
町や学校行事、他の人のことを説明する表現を、実際に話したり、書いたりして覚える
小学6年生では「3月にひなまつりがあります」「学校にはコンピューター室があります」「彼はダンスが非常に上手です」など、自分や目の前にいる相手以外のことを伝える表現を学びます。覚える際には、自分の好きな場所や行事、有名人などを当てはめて、話す・書く練習をするのもよいでしょう。
"過去"のことを表す表現を覚える
また、現在のことだけでなく、過去の出来事を伝える表現も学びます。例えば「夏休みに祖父母の家に行きました」「晴れていました」「泳ぎました」といった表現です。日本語では、現在なら「~します」、過去なら「~しました」のように文末が変わりますが、英語でも同じように形が変化します。規則を理解することも大切ですが、まずは「現在の文」と「過去の文」を声に出して言い分けたり、同じ内容を現在形と過去形で書き分けたりしながら、形の違いを定着させていきましょう。
■小学生がつまずきやすい英語学習の課題
英語力の育成は、今後の学習において非常に重要になってきます。そのため小学生の段階では、英語に対して苦手意識を作らず、学習に前向きに取り組める状態を整えることが大切です。ここでは、小学生が英語でつまずきやすいポイントと、その対策をいくつか紹介します。
英語の発音や読み方の課題
英語の発音や英文の読み方は、日本語との違いが大きく、つまずきやすいポイントの一つです。例えば、英語には日本語にはない子音(「th」や「r」など)があり、発音が難しいと感じることがあります。「th」は、舌を歯の間に軽く挟んで出す音(/θ/ または /ð/)で、日本語にはない音のため慣れが必要です。「r」も日本語の「ラ行」とは異なり、特に「l」と「r」の違いが混同されやすいです。
また、日本語の発音に慣れていると、その癖が英語の発音に影響することがあります。例えば、「dog」を「ドッグ」と発音してしまったり、「see」を「シー」と発音してしまったりするケースです。こうした場合、日本語の音に寄った発音になりやすく、英語本来の音(口の形や母音の長さなど)が伝わりにくくなることがあります。
こうした課題への対策としては、ネイティブの英語に繰り返し触れて音の違いに耳を慣らすこと、そしてネイティブの発音をまねして実際に声に出すことが効果的です。英語のゲームや歌、動画教材などを活用し、英語の音声に触れる機会を増やしていくとよいでしょう。
文法に苦手意識を持たないための学習法
小学校の英語の教科書では、中学校で学習する文法を前倒しで学習していきます。ただし、小学校段階では文法用語を使って細かく説明するよりも、「聞く」「話す」を中心に、英語に親しみながら「使える表現」を増やしていく構成になっています。そのため、「語順が日本語と違う」「疑問文になると形が変わる」といったポイントが整理できないまま進み、なんとなく文法に対して苦手意識を感じてしまい、それを中学まで引きずってしまうことがあります。対策としては、家庭学習では「読む」「書く」も意識して補うとよいでしょう。4つの技能をバランスよく使いながら英文に触れていくことで、苦手意識も生まれにくくなります。
■小学生の英語力を伸ばす英検®学習のすすめ
英語を学ぶうえでは、学校で使用する教材に加えて、英検®対策で使用される教材もおすすめです。実用英語技能検定(英検®)は、小学生から社会人まで、累計約1億人が受験している日本最大手の英語検定試験です。「聞く」「読む」「話す」「書く」といった4つの技能をバランスよく測ることのできるテストで、日常会話から社会的な題材まで受験者のレベルに応じた幅広い内容が扱われます。英検®に向けて学習することで、総合的な英語力を育成しやすくなります。小学校での英語学習の目標の一つとしては、小学5年生で英検®5級、小学6年生英検®4級合格を目指すのがおすすめです。小学生のうちに4級程度まで取得しておくと、中学校での英語学習や定期テスト対策も比較的スムーズに進めやすくなります。
また、英検®を受験することで自身の英語力を把握でき、目標を立てやすいというメリットもあります。「今の自分はどこまでできるのだろうか」と腕試しをしたい小学生には、もってこいの検定でしょう。また、1つの級に合格した後は「さらに1つ上の級を取ろう!」という学習の目標ができるため、英語学習の意欲を保つうえでも効果的です。中学生以降高校入試では3級以上、大学入試では2級以上の上位級を取得することで、それ自体が受験資格になったり、点数換算をはじめとした優遇措置の対象となったりする場合があります。現在の大学入試では60%以上の大学で何かしらの外部英語資格試験が導入されています。英語が教科化された"今の小学生"が大学受験を迎える頃には、英検®やTEAPなどの英語資格を持っていること自体が多数派になるかもしれません。小学生のうちから計画的に学習を進めておくことには大きな意義があります。
フリーステップの英検®対策講座はELST® (イーエルエスティー)というアプリと個別指導の授業を併用させて行います。ELST®とは英語4技能の学習アプリです。5級から準1級まで対応しており、1次試験のReading、Writing、Listening、2次試験のSpeaking、Listeningの対策が可能です。AIによる自動採点でSpeakingとListeningの力を集中的に強化することができます。また、英検®の各級ごとの語彙と例文が様々な方法で学べる単語学習も搭載しています。このELST®に個別指導を組み合わせることで生徒一人ひとりに合わせた英検®対策を実施しています。
※「英検®」は公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です
※「TEAP®」は公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です
※ELST®は株式会社サインウェーブの登録商標です
※ELST®の自動採点機能は、サインウェーブ社独自の採点基準で英検®の採点基準とは異なります
※ELST®内のコンテンツは、公益財団法人日本英語検定協会の承諾や推奨、その他の検討を受けたものではありません
※AI自動採点について、公益財団法人 日本英語検定協会による如何なる監修も指導も受けておらず、採点の品質について同協会から認められたものでは一切ございません
■中学校に向けて、英語力を育成するためのアプローチ
ここでは、中学校での学習に向けて取り入れておきたい勉強を紹介します。取り組みやすいものから試してみてください。
【「書く」学習を取り入れる】
前述したとおり、中学生になると定期テストなどが行われるため、小学生のときよりも英語を書く場面が増え、重要度も高まります。そのため、小学校高学年のうちに、中学校進学後を見据えた「書く」学習に取り組んでおきたいところです。
【単語の学習】
まずは、アルファベットの大文字・小文字を正しく書けるようにしましょう。特に、小文字のaとuなど、形が似ている文字は書き分けられるようにしておきたいです。アルファベットが書けるようになったら、小学校で習った単語のスペル(綴り)を書けるように練習しましょう。単語の学習方法をいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
〇イメージと一緒に覚える
単語を学習する際に、ただスペルと意味を機械的に覚えるのはなかなか大変だと思います。そこで、イラストや写真などのイメージと一緒に学習する方法がおすすめです。単語を見たときにイメージが浮かびやすくなり、記憶の定着に役立ちます。英単語帳の中にはイラストが付いているものもあるため、それらを活用するのもよいでしょう。
〇音とセットで覚える
単語の発音を手がかりにして覚える方法です。覚えたい単語の発音を「聞く」、スペルを「見る」、そして「書く」という流れで取り組みます。発音とスペルが結びつくため、正しい音を意識しながら綴りを覚えやすくなります。リスニングにも役立ちますし、自分で発音しながらスペルを書くと、発音練習にもつながります。
〇毎日少しずつ覚える
英単語は、毎日少しずつ覚えていくのが効果的です。1日に覚える単語数を決め、少しずつ進めるとよいでしょう。例えば、1日に3~5単語を覚え、翌日は前日覚えた単語の復習から始めます。単語学習は回数を重ねることが大切なので、無理なく継続できる量を設定して取り組みましょう。
〇復習とテストを取り入れる
覚えた単語を繰り返し復習することで、記憶に定着させることができます。また、定期的に確認テストを行うと、覚えている単語とまだ覚えられていない単語を把握することができます。毎週土曜日を確認テストの日にするなど、習慣化することも重要です。
〇目標を立てて達成感を味わう
小さな目標を立てて、達成することで自信につながります。例えば、表を作って10個覚えたらシールを1枚貼るなど、取り組んだ量や達成したことが目に見える形にするのもおすすめです。
【文法の学習】
中学生になると、英文法の細かいルールも学習します。一方で小学生の段階では、文法用語が難しく感じられ、説明を聞いても十分に理解できないことがあります。そのため、学習のポイントでも述べたとおり、小学生のうちは学校で習った表現を正しく書けるように練習しておきましょう。例えば、小学5年生で「私の名前は~です」「私は~が好きです」といった表現を習います。これらのフレーズを使って自分のことを説明し、その英文を書く練習をしてみましょう。一つのパターンが書けるようになったら、単語を少し変えて練習します。例えば、「私の名前は~です」を「お父さんの名前は~です」に変えて文を作ってみましょう。
【リスニング力とスピーキング力を高める】
中学生になると「書く」「読む」場面が増えやすい一方で、「聞く」「話す」に触れる時間が減ることがあります。そのため、「書く」練習とあわせて、「聞く」「話す」練習も意識して行っておきましょう。小学生がリスニング力やスピーキング力を高めるには、動画や音声教材の活用がおすすめです。自分に合った教材を選ぶことで取り組みやすくなり、継続もしやすくなります。
〇シャドーイングでリスニング力とスピーキング力を同時に鍛える
シャドーイングは、英語の音声を聞きながら、少し遅れて同じように真似して発音する練習法です。この方法を使うと、リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えることができます。
やり方:英語の動画や音声を再生し、ナレーターやキャラクターが話す内容をそのまま真似します。最初は難しく感じることもあるため、短いフレーズから始めたり、遅めの音声を選んだりすると取り組みやすいです。何度も繰り返して、発音やアクセントも真似してみましょう。
〇英語のポッドキャストやオーディオブックを聞く
英語のポッドキャストやオーディオブックは、通学中や休み時間、家でのリラックスタイムなどに取り入れやすいリスニング練習の方法です。短い話や簡単なストーリーを聞くことができます。
やり方:小学生向けのオーディオブックやポッドキャストを選び、短いエピソードを毎日少しずつ聞くようにします。聞いた内容について、親子で一緒に内容を確認してみると理解が深まります。
■小学生英語学習のまとめと成功の秘訣
2020年から小学校5・6年生で英語が教科化され、早い段階から英語を学ぶ重要性が高まっています。小学校英語は、中学・高校での学習や将来の入試、将来の社会生活にもつながる重要な土台です。
小学校の英語授業では「話す」「聞く」活動が中心であるため、家庭学習では「書く」「読む」練習を特に意識して補う必要があります。小学生がつまずきやすいポイントとしては、単語の定着、発音、文法の理解などが挙げられます。中でも単語学習や発音の練習は、アプリや単語帳など取り組みやすい教材を活用し、継続して学べるような工夫をしていきましょう。
また、英検®5級・4級に挑戦することで学習の目標が明確になり、中学以降の学習にもつながります。小学生のうちから英語に触れる機会を重ね、無理のない形で学習を継続することがその後の英語力の伸びを支えます。
今回の記事を参考に、小学生の英語学習を少しずつ積み重ねていきましょう。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>