2020/09/14
【高校生必読】学校推薦型選抜(公募制推薦)活用法!
学校推薦型選抜(公募制推薦)とは?
私立大学における学校推薦型選抜(以下、公募制推薦と表記)は、大学が提示する出願条件を満たし、出身高校の推薦が受けられれば誰でも出願できる入試制度です。一般入試と比較して、実施時期が早い(10月後半~12月初旬)、実質学科試験のみで判定することもある、受験科目数が一般入試より少ない、などの特徴をもった入試方式です。
国公立大学でも一部導入されています。私立大学と比較すると定員枠も少なく、出願条件の評定平均値が比較的高めでです。また、大学入学共通テスト受験が必須という条件がある場合もあります。
推薦入試には「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の2つがあります。大まかにいうと指定校推薦や公募制推薦入試は学校推薦型選抜に該当し、AO入試と呼ばれていたものが総合型選抜に該当します。ただ、今年度の様々な大学の入試概要を見てみると、公募制推薦が総合型選抜に分類されていたり、総合型選抜と名がついているが実質学科試験で判定する公募推薦と同じような入試の大学も散見されるため、注意点として自分の志望する大学の選抜方法については選抜の名称などは気にせず、すべての入試方式を再確認してみましょう。
公募制推薦入試の特徴
公募制推薦入試は関西ではほぼすべての大学が実施しています。関東では関西ほど多くはありませんが、実施している大学もあります。国公立大学でも一部導入しています。
公募制推薦入試は、
・入試日、合否(進路)とも一般入試と比較して早めに実施、合否が判明する。
・一般入試と比較して受験科目数が少ない(2科目の大学が多い)。
・科目によっては出題範囲が一般入試よりも狭い(特に理科などで多い。今年は学校休講もあったため、出題範囲について今年度のみの特別な配慮【例:理系学部において数学の出題範囲から数Ⅲを除外する、など】をしている大学もあります)。
・評定平均に自信がない場合も学科試験のみで合否を判定する入試方式を導入している大学も多い。
・他の推薦系入試と異なり専願ではなく併願が可能なところが多い。
などの特徴があり、受験しやすい入試方式です。第一志望校が公募制推薦入試を実施している場合は当然受験をお勧めします。第一志望校が公募制推薦入試を実施しない場合でも安全校などの併願校を受験して合格を確保した状態で一般入試まで第一志望校のみの対策に専念して臨めるなどの大きなメリットがありますので、やはり受験をお勧めします。
公募制推薦入試活用法
公募制推薦入試には大きなメリットが4つあります。
1. 受験機会の増加
一般選抜のみであれば同じ大学は共通テスト利用方式などを除けば6回~8回程度が最大の受験回数ですが、公募制推薦入試を実施している大学であれば一般選抜に加えてさらに2回~4回程度受験回数を増やすことができます。
2. 一般選抜は第1志望校に向けての学習に専念できる
一般選抜のみで本命校、安全校、挑戦校をすべて受験する場合は、各大学別対策の学習を同時に進めることになりますが、公募制推薦入試で安全校の合格を確保できれば、一般選抜は極論すれば第1志望校のみ受験するという作戦をとることができます。この場合、公募制推薦入試の合否判明後は残された時間をすべて1大学の対策に専念できます。
さらに公募制推薦入試で第1志望校に合格した場合は一般選抜で第1志望校よりも1ランクレベルの高い大学へ挑戦するという選択肢も取れます。
3. 受験生としての意識が早まる、劇的に変わる
デメリットとして、合格して安心してしまう、不合格の時にモチベーションダウンといったものも確かにありますが、見方をかえると、合格が自信になり、さらなる高みへ挑戦するためのモチベーションアップ、不合格になることで危機感を真剣に受けとめ、その後の勉強に対する姿勢が変化するといった効果があることも多いです。
4. 現状の実力を把握できる
公募制推薦入試の結果から、自分の現時点の実力を把握して、一般入試での受験校の絞り込みの精度が上がり、一般入試での受験校や大学ごとの受験回数を適正に決めることができます。第1志望校が公募制推薦入試を実施しない場合でも、第1志望校より少し易しい安全校に一般選抜よりも早い時期に合格できるかどうかで一般選抜の第1志望校に届きそうかどうか、現在の学力を知る上での試金石にすることができます。
今年度の受験動向予測
私立大学の定員厳格化や大学入試改革による安全志向が昨年度まで続いていましたが、今年度も安全志向は継続すると考えられます。
その理由は、
・今年は共通テスト導入初年度となり、問題作成者も過去の受験者のデータがないため、平均点や難易度の予測が立てづらく、科目によっては難易度があがる傾向となる。
・今年はコロナ禍の影響で学習量や学習に関する情報が不足しているため、不安を抱える受験生が増加している。また、去年より「浪人は厳しい」という受験生も激増している。
・現役生については学校で全範囲の履修を終えずに入試に臨むケースが出る。出題範囲に対して配慮をしてくれる大学がある一方で、あまり配慮をしない大学も出る。
このような状況ではやはり、安全校の早期確保という安全志向が働くと考えられます。安全校の早期確保に最も効果があるのは学校推薦型選抜の指定校推薦と公募制推薦の2つの入試となってくるわけです。
公募制推薦入試はオススメ!
上記の事柄から、「第1志望校が実施する場合でも、実施しない場合でも公募制推薦の受験にトライしよう!」と宣言します。
<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>