2020/09/28

【必読】英語の勉強方法

フリーステップ教育技術研究所より皆さんの学習に役立つ情報をお送りします。今回は主に大学入試に向けた高校生の英語のリーディングに対する勉強方法についてです。「模擬試験での長文読解で点数が取れない」「大学入試共通テストでも長文読解の量が増えているから不安だ」などという読解問題に対する不安をよく耳にします。

昨今英語の学力を表す4技能として『読む』・『聞く』・『話す』・『書く』が注目されています。しかしながら、入試で最も差がつくのが『読む力』です。今回はリーディングに焦点を当てての勉強法を紹介します。受験が迫った高校3年生だけでなく、文法中心の勉強をしている高校1年生にもぜひ実践してほしい内容です。

大学入試英語問題≒長文読解問題(リーディング問題)

大学入学者共通テスト試行問題の筆記(リーディング)では今までセンター試験で出題されていた、発音・アクセント・語彙・文法・語法・整序英作文など知識を問う問題の単独での出題はありません。すべて長文読解問題となります。また私立大学も、難関大学になるほど知識問題の設問数と配点が少なくなり、長文を使用した読解問題のそれらが多くなる傾向にあります。したがって入試問題で合格点をとるためには、ある程度の内容と語数を持った英文に対して、その内容を正確に読み取ることができる力を養うことが一番重要なことになります。

長文読解問題を攻略する上で必要な力とはナニ?

大きく分けて3つあります。それは、①語彙力 ②文法力 ③読解力の3つです。この3つがバランスよく身についてはじめて長文読解問題で正解することができます。しかし、文法の問題集を完璧に仕上げ、模擬試験で大会正答率が出ているものの、長文読解・会話文で点数が取れない方も多いのではないでしょうか。今回は一定の語彙力を身につけた前提で、文法力と読解力について具体的に何を指すのか、そしてそれらをどのように勉強していけばよいのか、を確認してみましょう。

・文法力

「文法力」といった時にみなさんはどういったことを思い浮かべますか?おそらく大半の人はセンター試験(マーク模試)の「対問2」で出題されていた問題で正解できる力を「文法力」だと思い浮かべられたのではないでしょうか?

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正解の根拠として、「空所の後に過去形(reached)があること」・文の意味が「私が駅のホームに着いたとき、電車は~、だから寒い中で待つ必要がなかった」となる、という2つがあげられます。そして、「待つ必要がなかったのは、電車がどうだったからのか?」という因果関係を考えます。これらから「時制が過去完了形」で、意味が「既に到着していたから」となっている選択肢①が正解と判断します。

<読解のための文法力>

もちろん上記の問題に正解できることは「文法力がついている」ということを意味しますが、これは文法力の中でも『文法・語法問題に正解するための文法力』です。共通テストでは姿を消す問題形式ですが、私立大学の問題ではしばらく出題され続けますしもちろん、これはこれで大事です。しかし、文法力にはもう1つ意味があります。それは文を正しく理解するための力、『読解のための文法力(文構造把握力』です。

では、『読解のための文法力』とはどういったものでしょう?先ほどの問題を例にとると、

 The train had already arrived when I reached the platform, so I didn't have to wait in the cold.

この英文の意味がなぜ「私がプラットホームに着いたとき、電車は既に到着していた、だから寒い中待つ必要がなかった」という意味になるのかを説明できる力のことです。

英文で「なぜこの意味になるのか」を考える時に利用するのが「文型」「文構造」の知識です。

「文型」一般的に文の要素(SVOC)と修飾語句(M)を区別して下のように図示して考えます。

英語の勉強方法_2_0928.jpg

「文型」・「文構造」の知識を使って意味を考えることで、「正確に意味が取れる(文の構造が異なる英語と日本語の違いが明確になる)」・「意味のわからない単語があっても文型・文構造から意味が推測しやすくなる」というメリットが生じます。また、英文を読むときに「文型」「文構造」を考えて読む習慣をつけることで「なんとなく単語の日本語訳をあてはめて読み、意味を理解する」という状態から「根拠をもって読むことができるようになる」という自信溢れる状態にもなります。このようにして読むことを「精読」と言います。この「読解のための文法力」を身につける訓練である「精読」をするかしないかで、その後の読解力の伸びが大きく変わります。

<文法(文構造把握)力をつけるためのお勧めの勉強方法>

文構造把握力の訓練を行う際に絶対必要なものが、「解答・解説に英文の文構造が書かれている問題集」です。文構造が書かれていないと答え合わせができないため、英文の文構造が解答に書かれている問題集を使うようにしましょう。問題の設問に答えて、答え合わせを行うだけではなく、問題になっている英文全文をノートに写すかコピーをとってそれをノートに貼ります。英文の下に(S)や(V)や(M)など文の要素や修飾語句を書き込んでいき、その上で和訳を行っていきます。解答解説で和訳があっているかどうかだけでなく、文構造があっているかどうも確認することが大切です。

・読解力

読解力とは、ある程度まとまりをもった英文、例えば「第4段落は第3段落で書かれている抽象的な内容の具体的な例が書かれている」や「この語句とこの語句の表現は異なるが、同じことを言っている」など、文や段落の機能を理解しながら読む力を指します。英文11文を文法に基づいて、正確に理解していくことはもちろん重要です。が、まとまりのある文章を素早く読まなければならない長文読解では、語句・文・段落が文脈の中でどういった役割を担っているか、という機能を理解しながら読んでいくことが、最も重要な技術になります。機能の代表的なものは、「言い換え(同意表現)」・「因果関係」・「逆接」・「対比」などです(一つひとつをココでは説明できません。学校の先生や塾の先生に質問しましょう)。ちなみにこれは英語に限ったお話ではなく、国語の現代文の読解に関してもまったく同じです。

<読解力をつけるためのお勧めの勉強方法>

読解力の訓練を行う際に必要なものが、読解力養成用の長文問題集を使うことです。読解力養成用の問題集には解説に次のような語句が頻繁に使われていています。「パラグラフリーディング」・「ディスコースマーカー」・「言い換え表現」・「同意表現、相同表現」・「逆接」・「対比」・「論理展開」・「原因理由」・「具体・抽象」などです(これらも質問しようね)。1章ごとにこれらの語句が学習テーマとして設けられているものもあります。また、解説に英語の本文全文の構文解説ととともに論理関係を図示されているものもあります。こういった問題集を使って問題演習を行いましょう。

最後に

英語のリーディングの得点力を伸ばすには、上にあげた3つの「力」を意識して勉強していく必要があります。理想の学習順番は、語彙力と文法力がある程度終わってから読解力の学習に移行することですが、高校3年生の場合は「語彙」・「文法」・「読解」の3つを同時並行で進めることになります。フリーステップでは上記の「語彙力」・「文法力」・「読解力」の内、特に「文法力」を強化することによって、「文構造把握力」・「読解力」を身につけるカリキュラムを実施しています。オリジナル教材である『ライトパス英語文法編』・『ライトパス英語構文編」』・『ライトパス英語読解編』を使って、高校1年生から大学入試対策を意識した授業を進めてきています。

<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>