2026/02/09
【高校受験】高校の志望校を決めるための完全ガイド
高校選びで迷っているのは、あなただけではありません。「行きたい学校はあるけれど、理由がうまく言えない」「気になる学校がいくつかあって決めきれない」――そんな状態のまま時間が過ぎてしまうことも少なくありません。そこで本記事では、学校を比べるときのポイントを整理し、志望校を無理なく絞り込む手順をまとめます。迷いを整理しながら、自分に合った志望校を見つけていきましょう。
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INDEX 1.志望校選びをはじめる前に知っておきたいこと |
1.志望校選びをはじめる前に知っておきたいこと
志望校を決めるときに偏差値や評判だけで比べ始めると、途中で迷いやすくなります。先に「高校でどんな毎日を送りたいか」「その先にどんな道を選びたいか」という軸を持つと、集めた情報を同じ基準で見られるようになり、判断がぶれにくくなります。この章では、高校選びが重要な理由を確認したうえで、将来の進路とのつながりを整理し、"自分のやりたいこと・興味"から考える具体的な方法へつなげます。
なぜ高校選びが重要なのか
高校は合格がゴールではなく、そこからの3年間で力を伸ばす場所です。学校によって、授業の進め方(演習中心/探究・発表が多い など)、課題の量、部活動の熱量、行事の雰囲気、先生のサポートの手厚さが違います。つまり「どこに入るか」で、同じ人でも成績の伸び方や学校生活の充実度が変わってくるのです。
志望校選びと将来の進路のつながり
「将来の夢が決まっていないから志望校が決められない」と悩む人もいるかもしれませんが、この段階で夢がはっきりしていなくても問題ありません。大切なのは、将来の方向性を"1本"に決め切ることより、「どんな学び方・過ごし方が自分に合うか」を少しずつ整理していくことです。
もちろん、将来の目標が比較的はっきりしている場合は、それ自体が高校選びの大きな軸になります。目標から逆算して学校を選ぶと、条件が絞りやすいでしょう。たとえば、美術家を目指すなら作品制作の時間や設備が整った学校、発表の機会が多い学校が合いやすいです。英語を活かす仕事に興味があるなら、英語コースや留学制度、ALT(日本の学校で英語の授業を補助する外国語指導助手のこと:Assistant Language Teacherの略)などの授業が充実している学校が選択肢になります。
一方で、将来像がまだ固まりきっていない場合は、「高校の3年間で何を頑張りたいか」から考えると整理しやすくなります。部活を本気でやりたい、行事を全力で楽しみたい、英語を伸ばして留学に挑戦したい、設備が整った環境で実験や探究に取り組みたい――こうした"今の興味"は、そのまま進路のヒントになります。高校での過ごし方を具体化できるほど、学校選びの精度は上がります。
「やりたいこと・興味」から考える志望校の絞り方
ここでは、「やりたいこと・興味」を学校選びに使える形へ整理します。ポイントは、未来(将来の夢)から考えてもよいですし、目の前(高校生活でやりたいこと)から考えてもよい、ということです。自分の考えやすいほうから始めてみましょう。
まずは、次の2ルートのどちらかで書き出してください(両方やると、考えがよりまとまりやすくなります)。
ルートA:将来の夢・なりたい姿から
例:美術関係に進みたい/英語を使いたい/看護に興味がある など
ルートB:高校生活でやりたいことから
例:部活を頑張りたい/行事が楽しそうな学校がいい/留学に行ってみたい など
次に、「やりたいこと」を学校のチェック項目に変換します。ここが一番大事です。
【変換の具体例】
美術をやりたい
→ 美術系コース、制作スペース、作品発表、コンテスト実績
英語に興味がある/留学したい
→ 英語コース、海外研修、留学制度、英語の授業数、資格サポート
部活を頑張りたい
→ 練習日数、終了時刻、部の雰囲気、勉強との両立支援
行事を楽しみたい
→ 行事の多さ・盛り上がり、校風(自主性の高さ)
「好き」「やってみたい」をここまで整理できた時点で、志望校選びはもう前に進んでいます。次章からは、その視点を使って高校の特徴を整理し、比較の精度を上げていきましょう。
2.高校の種類と特徴を把握しよう
高校には公立・私立をはじめ、専門高校・国立高校、定時制・通信制などさまざまな種類があります。大切なのは「どれが正解か」ではなく、自分が高校で何をしたいか、どんな学び方が自分に合うかを基準に選ぶことです。この章では、それぞれの高校の特徴をわかりやすく整理し、学校を比較するときのポイントをまとめます。
公立高校:学費と進学実績のバランス
公立高校は地元の生徒が多く、通学が近くて通いやすいのが大きな特徴です。移動に時間を取られにくい分、放課後の部活や勉強の時間を確保しやすく、毎日のペースも整えやすくなります。また、さまざまなバックグラウンドの生徒と関われるため、行事や部活動を通して経験の幅が広がり、社会性も身につきやすい環境です。
公立高校の特徴をまとめると、次の通りです。
・通学:近くて通いやすいことが多い
・学校生活:多様な生徒と関わりやすく、行事や部活も経験の幅が広がる
・費用:授業料だけでなく、入学金・施設使用料などの諸費用で差が出やすく、私立に比べて抑えやすい傾向がある
・進学面:授業は国の基準に沿って進み、基本を固めやすい一方、進学への力の入れ方(講座や補習など)や進学実績は学校によって差がある
公立高校は「通いやすさ」と「学校生活のイメージ」がつかめると、比較がぐっとしやすくなります。進学面は学校ごとの違いもあるので、気になる学校から順に確かめていきましょう。
私立高校:充実した設備と特色あるカリキュラム
私立高校は学校ごとの教育方針が明確で、国際、芸術、スポーツなど特色あるカリキュラムを用意していることが多いです。校舎が新しく、ICT環境や図書館、体育館など設備が充実している学校もあります。大学進学実績を重視する学校は、特別講座や補習など進学指導が手厚い点も魅力です。大学付属校なら、成績次第でそのまま大学に進学できる内部進学制度がある場合もあります。一方で、注意して見ておきたい点もあります。
費用:支援制度により公立と比べた授業料の差は以前より小さくなったものの、入学金・施設費などの影響で「授業料以外の出費」が増えやすい。
通学:自宅から離れた学校を選ぶ場合、通学時間が長くなりやすい。
雰囲気:生徒の雰囲気は学校ごとに特徴が出やすい。説明会で空気感まで確かめることがポイント。
私立高校は魅力がはっきりしている分、合う・合わないも出やすいのが特徴です。教育方針や通学、費用のイメージまで含めて、自分に合う形を探していきましょう。
専門高校・国立高校:将来像に合った学習環境
専門高校(工業・商業・農業・看護・情報など)や国立高校は、将来の職業や分野を意識して学びたい人に向いています。実習や実験が多く、資格取得や専門的な知識・技術を身につけられるのが特徴です。「将来この分野に進みたい」「早いうちから実践的に学びたい」という人には、魅力的な選択肢です。
定時制・通信制という選択肢
定時制や通信制の高校は、働きながら学びたい人や、さまざまな事情で通学が難しい人にも学びの機会を提供しています。授業は夕方や夜間、もしくはオンライン中心で行われることが多く、自分のペースで学べるのが大きな特徴です。
最近では、ICT教材や登校サポートが整った学校も増えており、「自分の生活リズムに合わせて学べる高校」として注目されています。学び方の形が違うだけで、目指すものや成長の方向は他の高校と変わりません。状況に合わせた柔軟な学び方として、安心して選べる選択肢です。
3.志望校を決める8つのポイント
志望校を「何となく良さそう」で選ぶと、あとから判断基準が増えて迷いやすくなります。そこでこの章では、志望校を比べるときに役立つ8つのポイントを整理します。大切なのは、最初から完璧に決め切ることではありません。「自分は何を優先したいのか」を言葉にして、集めた情報を同じ基準で比べられる状態をつくることがポイントです。
学校の雰囲気・校風
同じ偏差値帯の高校でも、入ってからの「過ごしやすさ」は校風で大きく変わります。たとえば、行事に力を入れていてクラスの一体感が強い学校もあれば、落ち着いた雰囲気で学習中心の学校もあります。ここで大事なのは、「楽しそう/厳しそう」という感想よりも、自分の性格や高校生活の理想に合うかどうかです。
次のような"具体的な場面"で判断するとブレにくくなります。
① 生徒の表情や挨拶の雰囲気
② 先生と生徒の距離感
③ 休み時間や放課後の空気
④ 校則がどう運用されているか
パンフレットの文章だけでは分かりにくいので、説明会やオープンスクールで「自分がこの場所に3年間通う」姿が想像できるかを確かめるのが近道です。
通学時間・アクセスのしやすさ
通学は、想像以上に毎日の体力と時間を使います。基準としては「片道1時間(60分)」をひとつの目安にし、1時間を超える場合は、朝の余裕・帰宅後の勉強・部活の継続にどんな影響が出るかまで考えておくと安心です。チェックするときは、地図上の最短ではなく、実際のルートで見ましょう。
・乗り換え回数、電車やバスの混み方
・最寄り駅(停留所)から学校までの距離、バスの本数
・駅から学校までの道
同じ60分でも、「電車35分+徒歩25分」と「電車50分+徒歩10分」では負担が変わります。「通えるかどうか」だけでなく、「通い続けられるかどうか」がポイントです。また道中の安全性も確認しておきましょう。「日中は明るくても、街灯が少なく夜になるとかなり暗い」ということも少なくありません。
部活動や学生生活の充実度
部活動や行事は、高校生活の満足度を左右しやすい要素です。ここは「強い/弱い」だけで決めず、日常の過ごし方として自分に合うかどうかを基準に考えます。たとえば、部活を本気でやりたい人は、練習日数や終了時刻、オフの取り方、先輩・後輩の雰囲気まで確認すると、入学後のギャップを減らせます。
逆に、勉強と両立したい人は、部活の拘束が強すぎないか、テスト前の配慮があるか、放課後に自習できる環境があるかが重要です。行事についても、文化祭・体育祭の熱量や準備期間の動き方などを見ておくと、「自分が楽しいと思える高校生活」かどうかを判断しやすくなります。日々の刺激やメリハリは、勉強のモチベーションにつながることもあります。加えて、学食や購買の有無など、日々の学校生活を支える環境面も確認しておくと安心です。
授業内容やカリキュラムの特色
授業の特色は「内容」だけでなく、「時間の使われ方」まで含めて見ておくのがポイントです。授業時間数や単位数、登校する曜日(例:土曜授業の有無)、補習の頻度が変わると、放課後の自由時間や休日の数が変わり、生活スタイルそのものに影響します。
さらに、学校によって授業の進み方も違います。演習中心で小テストが多い学校もあれば、探究・発表が多い学校もあります。私立では学習進度が速いことがあり、早い段階から受験対策を進められるメリットがある一方、テンポが合わないと負担に感じることもあります。大切なのは「授業進度」そのものではなく、自分に合うかどうかです。授業見学や体験授業がある場合は、板書の量、課題の出し方、授業のテンポが自分に合いそうかを見ておくと判断材料になります。
進学実績・指定校推薦などの将来性
進学実績を見るときは「合格者数」だけでなく、「その学校に入ったとき自分がどの位置になりそうか」まで考えておくと判断しやすくなります。学校の学力層の中で自分がどのあたりになりそうかによって、3年間の学習の組み立て方は変わります。
たとえば、進学した高校で成績が下位層だった場合は、指定校推薦を狙いにくくなり、一般入試を中心に据える場合があります。反対に、自分が上位層に入ることができれば、評定を強みにして指定校推薦なども選択肢として考えやすくなります。
また、進学実績の"中身"には学校ごとの傾向があります。「一般入試に向けた学習・進路指導が強い学校」なのか、「指定校推薦枠が豊富な学校」なのかを見分け、志望する大学帯と学校の強みが合っているかを確認しましょう。
学力や模試の偏差値とのバランス
「行きたい高校」と「行けそうな高校」は、最初から同じでなくても大丈夫です。むしろ中3の夏までは、別々に考えておくほうが迷いにくくなります。
まずは、「行きたい高校」5校と「今の成績で狙えそうな高校」5校をそれぞれ書き出してみましょう。模試の結果が出るたびに、候補を入れ替えたり順位を見直したりして更新していけばOKです。
ここで大切なのは、行けそうな高校を"妥協"として扱わないことです。行けそうな高校にも、校風・通学・カリキュラム・進路など、魅力は必ずあります。一方で、行きたい高校は「何が魅力で、どんな条件が必要か」をはっきりさせておくと、努力の方向が定まりやすくなります。希望と現実を分けて整理しながら、着実にステップアップできるルートを組み立てましょう。
学校説明会・オープンスクールの活用
説明会やオープンスクールは「情報収集」だけでなく、「相性確認」の場です。ここで効いてくるのが、当日の空気感と実際に通学するイメージです。実際に行くと、駅から学校までの道の雰囲気、電車の混み方、周辺の治安や明るさなど、ネットでは分からない情報が入ります。校内でも、廊下や教室の落ち着き、先生の声かけ、生徒の表情、掲示物の内容などから「その学校が大切にしていること」が見えてきます。
公立か私立か、学費や奨学金の違い
高校進学の際にかかる費用について、公立と私立の差は以前より小さくなってきています。まず押さえておきたいのは、国の授業料支援制度についてです。
【授業料支援制度】
・国の「高等学校等就学支援金」では、すべての高校生に最低でも年額118,800円(公立高校授業料相当額)、私立高校に通い、年収条件を満たす場合は最大396,000円が支援される
→ 公立は授業料相当分がカバーされるため、授業料負担は実質無償に近い水準になる
・令和8年度には、「高校授業料の無償化」として検討・調整されている
→所得制限の撤廃、私立高校の支援拡充(全国平均授業料水準の457,000円が目安)などを検討中
※2026年1月時点
【費用差が出やすいのは「授業料以外」】
公立:授業料以外の負担も含めて、全体として費用を抑えやすい傾向がある
私立:支援制度で公立との授業料の差は小さくなったものの、入学金・施設費・教材費に加え、制服代・修学旅行費・部活費などを含めて、「授業料以外の出費」が大きくなる場合がある
さらに、成績や部活動などで一定の基準を満たす場合、学校独自の奨学金の対象になることもあります。条件や支給額、継続の要件は学校ごとに異なるため、募集要項や説明会で確認しておきましょう。
4.志望校を決める際のよくある失敗例
志望校選びは、情報を集めれば集めるほど迷いが増え、「何が正解か分からない」と感じることもあるでしょう。迷ったときほど、学校の中身よりも「友人と同じ高校にしたい」「偏差値や評判だけで決めたい」といった理由で決めてしまうケースも少なくありません。この章では、志望校選びで起こりやすい失敗例を2つ挙げ、なぜ失敗につながるのか、どう回避すればよいのかを整理します。
塾や先生の勧めに依存しすぎる
塾や先生の意見はとても参考になります。成績データや過去の受験例をもとに助言してくれるため、候補を広げたり、受験の見通しを立てたりする助けになります。一方で、勧められた学校を「言われた通り」に決めてしまうと、成績が揺れたときに不安が出やすくなります。自分の中に「その学校を選ぶ理由」が残っていないと、「本当にこのままでいいのか」と迷い、勉強の手が止まる原因にもなります。
そこで大切なのは、先に自分の軸を決めたうえで、先生の助言と照らし合わせることです。たとえば「部活と勉強を両立しやすい環境」「大学の付属高校」など、優先順位を決めてから、先生が勧める理由(成績との相性、併願の組み方など)を確認します。
軸と助言が同じ方向だと分かれば、選ぶ理由がはっきりします。ズレがある場合も、条件の見直しや候補の整理に進みやすくなります。こうして「自分の基準で決めた」と言える形にしておくと、受験期に成績が揺れても迷いにくく、勉強を続けやすくなります。
情報不足で校風・環境が合わないまま志願
情報不足のまま志願してしまうと、入学後に「思っていた高校生活と違った」というギャップが生まれやすくなります。怖いのは、学力以外のズレです。たとえば、通学に思った以上に時間がかかって疲れる、部活の練習量が多すぎて勉強との両立が苦しい、行事の雰囲気が合わず居心地が悪い、校則や先生との距離感が想像と違う――こうしたズレが重なると、せっかく合格しても「求めていた高校生活」を得にくくなります。
学力面でも、学校の学力層と自分の位置関係によっては、授業についていくのが大変だったり、校内順位が想像より下になってしまったりすることがあります。結果として、進路の選択肢(推薦の取りやすさなど)にも影響が出る可能性があります。
だからこそ、偏差値や評判だけで判断せず、「学校の中身」を具体的に確かめることが大切です。説明会やオープンスクールで校内の雰囲気を見たり、通学ルートを実際に試したりしておくと、入学後のズレを大きく減らせます。
5.いつから志望校を決め始める?スケジュールの目安
志望校は「中3になってから考えれば良い」と思われがちですが、実際は早い段階で"方向性"を決めておくほど迷いが減ります。ポイントは、中3の夏までは偏差値よりも「通学・校風・部活・授業の進み方」など学力以外の条件で"行きたい理由"を固め、夏以降に模試の結果を使って現実的に調整していくことです。では、時期ごとにやるべきことを整理していきましょう。
【中1~中2の秋まで】
この時期は、志望校を「確定」する必要はありません。ただし、気になる学校があるなら早めに情報を集めておくのがおすすめです。「行ってみたい高校」が1つでも見つかると、普段の勉強が「何のためか」と結びつき、モチベーションも上がりやすくなります。
【中2の冬~中3の春】
ここが"志望校選びの土台づくり"の時期です。中3の夏までは、偏差値などの学力面だけで決め切らず、校風や通学、学校生活といった条件を手がかりに候補を整理していきましょう。ここで大切なのは、「高校生活で何を大事にしたいか」をはっきりさせることです。たとえば「部活も勉強も両方頑張りたい」「落ち着いた雰囲気の学校が合いそう」「通学は片道1時間以内にしたい」など、基準を2~3個に絞っておくイメージです。基準が明確になるほど、夏以降に成績を踏まえて調整するときも判断がぶれにくくなります。
【中3の夏】
夏からは模試が本格化します。その結果を、受験校を考える材料として使い始める時期です。この段階では、志望校を仮決定し、模試の判定を確認していきましょう。また、結果で一喜一憂せず、「秋の模試までにどこまで判定を上げるか」「どの科目で何点伸ばすか」といった目標を立てて、次の模試まで学習をすることが大切です。
あわせて、模試の形式に慣れるために、1学期の理解があいまいだった単元を復習し、1・2年生範囲の総復習も夏のうちに一通り終えるつもりで進めましょう。
【中3秋~冬】
10・11月に行われる模試と、2学期までの内申点が受験校決定の軸になります。10・11月の模試結果をもとに保護者面談で受験校を絞り込み、12月には出願に向けた準備を進めるのが一般的です。ここでの目安として、11月の模試で「合格可能性80%以上」を目指すと、志望校を「受験校」として具体的に固めやすくなります。夏に固めた「行きたい理由」と、秋冬の「数字(模試・内申)」を合わせて、納得できる形で最終決定まで持っていきましょう。
6.よくある質問(Q&A)
志望校選びが進んでくると、「ここが引っかかる」「この場合はどうなるのだろう」といった疑問が出てきます。そこでこの章では、よくある質問を取り上げ、判断に迷いやすいポイントを整理していきます。
偏差値が足りない場合、合格の可能性はある?
結論から言うと、合格の可能性は「0」とは限りません。ただし、「頑張れば必ず受かる」と言い切れるものでもありません。大切なのは、希望と現実を切り分けて、根拠を増やしながら判断することです。
公立高校の場合、偏差値が足りていないときは、内申点でも差がついていることが多いです。それでも「どうしても行きたい」という学校があるなら、挑戦する選択自体を否定する必要はありません。その代わり、万一に備えて確実な併願校を用意し、受験計画をしっかりと立てることが前提となります。
私立高校の場合は、偏差値だけで判断しきれない面があります。まずは過去問を解いてみて、合格点に届くかどうかを確認しましょう。合格点が取れている、または届きそうな手応えがあるなら、合格の可能性は十分にあります。逆に、点数が大きく足りない場合は、対策の優先順位や受験校の組み方を見直す材料になります。
公立と私立、どちらが自分に合う?
公立か私立かを最初から決め切るより、まずは「どんな高校生活を送りたいか」「どんな学び方が自分に合うか」から考えるのがおすすめです。その基準で学校を見ていくと、公立がしっくりくる場合もあれば、私立のほうが合う場合もあります。
たとえば、通学のしやすさや地域とのつながり、さまざまなタイプの生徒と関われる環境を重視するなら、公立が候補に入りやすいでしょう。一方、設備の充実度や特色あるカリキュラム、進学指導の手厚さを重視するなら、私立が合いやすいことがあります。ただし、これはあくまで一般的な傾向で、公立・私立どちらでも学校ごとの差は大きい点に注意が必要です。
大切なのは、「公立だから」「私立だから」で決めるのではなく、自分の希望と学校の特徴がかみ合っているかを確かめることです。公立・私立はゴールではなく、学校を選ぶときの切り口の一つとして捉えると迷いにくくなります。
部活動と勉強の両立を成功させるには?
両立のコツは、時間を「作る」よりも、使い方を決めてメリハリをつけることです。平日は長時間やろうとせず、「帰宅後に英単語10分+学校ワーク20分」など、短くても毎日続けられる量に設定します。休み時間や移動時間は、英単語・漢字・理社などの暗記に回すと、忙しい日でも勉強時間を確保しやすくなります。休日は、平日にできなかった分を補う日として、苦手の復習や解き直しをまとめて行いましょう。週に1回、「できたこと」と「できなかったこと(原因)」を確認し、次週の量や順番を調整すると、勉強も部活も無理なく続けやすくなります。
7.まとめ:自分に合った高校を見つけよう
いかがでしたか。志望校選びのコツはつかめたでしょうか。志望校を偏差値や評判だけで決めようとすると、情報が増えるほど迷いやすくなります。だからこそ最初に、「高校でどんな毎日を送りたいか」「何を大事にしたいか」という軸を作っておくことが大切です。自分の興味・関心を、学校を比べるためのチェック項目に落とし込めれば、比較はぐっと楽になります。もし迷いが強くなったら、説明会で学校の空気感を確かめたり、通学ルートを実際に下見したりして、納得できる材料を増やしていきましょう。志望校は最初から完璧に決め切れなくても大丈夫です。自分の軸を持って見直しながら進めれば、最後には納得できる志望校にたどり着けます。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>