2020/12/21

【高校生対象】共通テスト直前対策

2021年度からはじまる大学入学共通テスト第1日程までいよいよ1ヶ月をきりました。残りの期間でどのような対策をしておくべきかご紹介します。

合格までの作戦を立てよう!~目標設定~

みなさんは受験科目別の目標得点は決めていますか?科目ごとには決めていないな...という人は、次の2ステップを実践してすぐに目標設定をしましょう。

Step1:大学入学共通テストの各大学・学部における合格予想%の最新情報をチェック!

大学入学共通テストの平均点を50%に設定するという目標設定を大学入試センターが公表しています。これは、旧来のセンター試験と比べると10%平均点が下がります。そのため、2021年度の大学入学共通テスト合格に必要な得点率は、従来の合格ラインよりは数%程度下がることが予想されています。参考として、大手予備校が出している最新の合格予想ラインをチェックしておくといいでしょう。

Step2:科目別に目標点を設定しよう!

合格に必要な得点を確認したら、現時点の自分の実力と照らし合わせて目標点を設定しましょう。ポイントとしては、"科目別"に目標得点を決め、どうやって合格まで得点を引き上げるかの"作戦を立てる"ということです。科目別に立てると、現時点の実力(得意・苦手)に合わせた点数配分を行い、合格点を超える目標を立てられます。例えば、英語・国語が得意で数学が極端に苦手な受験生の場合、志望校の合格予想得点70%であるならば、共通テストの目標点は英語80%・国語80%・数学50%(※傾斜配点などは考慮していません)と設定するといった要領です。「残り1か月で伸ばしやすい科目はどれか?」「理科・社会はこれから演習時間確保で伸ばせそうだから重点的にやろう」など考えながら、科目別の目標点を設定しておきましょう。

残り1か月でやるべき対策は、本番を想定した時間配分と出題形式慣れだ!

大学入学共通テストの直前対策のポイントは時間配分・出題形式に慣れることです。思考力が問われる問題や新傾向問題の出題が予想されるため、本番同様の時間配分・出題形式に慣れる練習をできる限り多く積んでおき、本番に向けた実践力を磨きましょう!

なお、科目別の目標点を設定したことで、科目ごとにどの難易度の問題まで解けないといけないかが決めやすくなります。例えば、先ほどの英語80%・国語80%・数学50%を目標としている生徒の場合、英語であれば各大問の不正解は12問以下に抑えないといけません。一方で、苦手な数学は50%が目標のため各大問の前半部分(基本~標準レベル内容)が解答できれば目標点をクリアできます。このように科目別目標点を設定したことで、その目標点に見合った対策のやるべき幅が決まります。

科目別(英語・国語・数学)の直前対策総まとめ~出題が予想される特徴と対策法をポイントチェック~

最後に、予想される出題ポイントと対策を科目別(英語・国語・数学)にご紹介します。どの科目にも共通して言えることは、『教科書範囲の基礎力養成は前提としてつけておき、加えて思考力を問う出題形式に慣れておく必要がある』ということ。こちらが英・国・数に限らず、大学入学共通テスト全般にいえる対策です。そのため、直前期の対策としては、『思考力を問う形式慣れの強化』をテーマとして追い込みをかけていきましょう。

【英語(リーディング)】情報の読み取り能力と速読の強化が決め手!

○記事、グラフ、レポートなどビジュアル問題で確実に得点する

易しい表現で書かれた情報を素早く読み取る力が問われます。「文書のタイトルから何についての資料かを確認→設問の内容を確認→本文を読む」の順序で解答する練習をしておくとよいでしょう。
また、グラフやレポート文を読ませて書き手の意図を読み取らせる問題は、データと文書を一致させる力や、複数の文書を参照して考察する力が求められます。そのため、ビジュアル情報と文字情報を素早く一致させる訓練で対応力をアップさせましょう。
ビジュアル問題や記事・グラフ問題への形式慣れとしては、共通テスト対策問題集のほか、センター過去問の大問4のグラフ・イラスト問題を活用しましょう。

○速読力を強化しよう

全体で総語数5000語以上の文章量を読む必要があり、テーマも多岐にわたります。最後まで読み切るには速読力が必須と言えます。さらに、大問5・大問6では長文を読み取るだけではなく、語彙や構文のレベルが上がることも予想されるので、読解練習の時間計測は標準解答時間よりも-5分で解けるようにするとよいでしょう。

【英語(リスニング)】「1回読み」に慣れておこう!

○「1回読み」に慣れる

音声の読まれる回数が、大問3から「1回読み」となります。1回で読み取る集中力に加えて、設問やリード文を先読みして、「テーマ」「キーワード」「問われる内容」「数字の大小や増減」といった情報を先につかみ、音声が流れる前の下準備をしておくことが大切です。センター試験の過去問を使用する際も「1回読み」で聞き取りする訓練を重ねておきしょう。

○数字を聞き取るだけではなく計算をさせる聞き取り問題も出される

複数の情報を整理する情報整理力もリスニングで問われます。図表を完成させる問題では、計算をする、言い換えが必要であるケースがあります。音声が流れた瞬間に数字やキーワードが浮かぶように対策しておきましょう。

【数学(数学Ⅰ・A/Ⅱ・B)】基礎力はもちろん「考察」を意識して対策しよう!

○基礎力に加え、「文章を読み解く力」を意識して演習しよう

Ⅰ・Aでは整数問題や確率の問題で、Ⅱ・Bでは指数関数・対数関数の問題を筆頭に、社会現象・実生活を例とした出題形式の変化がみられるため、読解力や得られた情報の処理能力が問われます。計算そのものが難しいというわけではない場合が多いので、問題文を読解し、処理する力や判断力がポイントとなります。
Ⅰ・Aではコンピュータのグラフ表示ソフトを用いて、2次関数のグラフについての考察をする問題が、これまでの試行調査で2回とも出題されています。グラフ表示ソフトに慣れておきましょう。

○会話形式に向けて普段から「なぜそうなる?他の解法は?どう発展できる?」を意識

会話形式によって考え方を誘導しながら解答をするという、これまでに見なかった出題形式が試行調査では見られました。会話による出題形式では、公式や解法の考え方についての道筋が与えられることが多いので、その道筋に沿って、問題解決の糸口をつかみ解決の方針を見出すようにしましょう。

【国語】課題文や資料の出題目的を理解しながら読み進めよう!

○複数の課題文は片方がヒントになる可能性が!

センター試験のように各大問の問題文が1文だけではなく、同一作者の詩と随筆が課題文として出題されるというように、複数の文章から出題される傾向が試行調査で見られました。こういった複数の課題文を照合する問題では、不慣れなジャンルの文章理解に悩んだら、他方の課題文を照合して理解を確かめるようにしましょう。これまでは小説一択であった第2問は、詩・短歌・俳句と小説・随筆が絡むなどジャンルが広がる可能性があります。

○付属資料が正解のカギになることも。読み飛ばさないように注意!

実用文や非文字資料を読む新しい形式が出題される見込みです。実用的な文章を攻略するには、実用文本体の情報の把握はもちろんのこと、付随的な情報も必ずチェックしておきましょう。法律や規則の見出し・総則など付随的な情報が正解するカギを握ることも多いので要注意です。

○対話型の設問はすでに過去にも出題されている!

対話形式の設問から正しい選択肢を解答する問題形式の変化も出題傾向の特徴です。すでに近年のセンター試験でも出題されています。対話内容や討論の流れを読み取り、他者の考えを類推する力が問われています。これまでに解いた模擬試験問題や共通テスト対策問題集の活用により、新傾向問題に慣れておきましょう。

<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>