2025/01/06

高校受験直前の対策ガイド【高校受験生へ】

 今回は高校受験直前の対策についてお伝えします。入試直前期こそ、勉強の質・量・効率を意識して過ごしていくことが大切になります。また、緊張、不安、焦りなどは受験生なら誰しもが感じていることです。精一杯やってきた勉強が緊張や不安を軽くしてくれるはずです。自分を信じて、受験勉強・試験の準備に励んでください。一生懸命勉強して身についた実力を最大限発揮できるように、直前期の勉強方法、受験期や当日の過ごし方を確認しておきましょう。

INDEX

■学習計画と勉強テクニック
 重要科目の重点復習ポイント
 過去問の効果的な活用法
■試験当日の準備
 当日の持ち物チェックリスト
 試験会場での心構えと注意点
 朝のルーティンの最適化
■体調管理と生活習慣
 適切な食事と睡眠の取り方
 試験前日の過ごし方
■保護者の役割とサポート
■まとめと総括 ー高校受験直前の成功への道ー

 

■学習計画と勉強テクニック

重要科目の重点復習ポイント

 直前期に少しでも点数をあげて合格の可能性をあげられるよう、科目別・形式別の対策をお伝えしていきます。

英語(知識確認編)

 英語であと5点から10点伸ばしたい人におすすめの対策です。入試の問題形式で長文に比重が置かれている高校の場合は特に単語・熟語の確認を中心にするといいでしょう。

1)単語集で毎日決めた数の単語を確認する。
2)文法語法問題集を全てやりなおしてみる。

英語(長文編)

 長文問題を毎日最低1題は『読む』ようにしましょう。ここでポイントとなるのは、初見の文章ではなく、今までに勉強したことのある長文でもよいということです。毎日長文を読む目的は英文になれることです。そのため、一度読んだことがあり、単語・文法・構文を理解している文章の方がスムーズに『読む』ということができます。既習の文章でも単語・文法・構文の復習はできますし、一定量の文章にふれることができるため、「読める」という手ごたえで自信をつけることができる、といいことづくしです。さらに音読をすると英文のリズムがつかめるようにもなるので、新しい文章にチャレンジする際にも活きてきます。

国語

 まず、古文の対策は英語の対策とよく似ています。単語や文法などの見直しと今まで読んだことのある文章を毎日1題読むことをおすすめします。現代文については、高校により差はありますが、漢字の読み書き、文法、文学史などの知識部分に取り組みましょう。特に漢字の読み書きについてはどこの高校でも出題されますので、毎日一定語数の確認をするといいでしょう。

数学

 おすすめは短時間(1015分)でよいので毎日一定量の計算問題を解くことです。出題の多い少ないは関係ありません。計算ができるということは「計算問題で確実に得点できる」だけでなく、「思考力が必要な、考えて解く問題に時間を割く」ことにもつながります。さらに、そのような考える問題でも速く、正確に計算ができることは必要で、そこがきちんとできていると確実に点数が積み上がります。受験は総合点が大切です。解いた問題を確実に点数につなげられるように計算力を鍛えましょう。

理科、社会

 これらの科目は他の3科目以上に知識問題の比重が高いため、重要語句に漏れがないように徹底的に復習しましょう。ただし、全範囲を行うのは効率的ではないため、志望校の出傾傾向と自分の過去問題の解答結果から「重点単元」を決めて、見直すといいでしょう。

過去問の効果的な活用法

<準備編>
過去問の使用する目的は大きく3点あります。

①出題傾向、時間配分、配点を知る
 入試問題には必ず傾向が存在します。傾向に沿って、頻出の単元や出題形式の対策をすることで、点数の底上げが可能です。また当日の解答用紙になれることで、本番をイメージしやすくなります。

②現時点での自分の力と合格点との差を知る
 合格最低点と現状の自分の点数を比較し、足りない部分をどの教科のどの単元で補うか計画を立てる材料となります。

③過去問演習を通して自身の苦手単元を再発見する
 入試対策とは、解けない問題を解けるようにすることであり、まずは自分の弱点把握ができていなければ始まりません。解けない問題が解けない理由、不足している知識、考え方など、単に復習するだけでなく、強化すべき部分を明確にして、その単元・その形式の問題に対応できるよう類似の問題・難易度の近い問題を演習する必要があります。

<実践編>
実際に、過去問を解いていく際のポイントや流れをお伝えします。

1.目標点を確認して、過去問題をやりこもう!【全科目】

①目標点を決める!
 (総合目標点)―(調査書点数)=(当日の目標得点)
 都府県、高校により調査書の点数設定が異なるので、事前に確認しておきましょう。もし調査書の計算方法や目標点がわからないという場合は中学校または塾の先生に確認しましょう。

②過去問題を使って演習をくりかえす!
 目標点を確認したら、その点数が取れるように過去問題を使って演習を繰り返します。過去問の問題集には公立高校も私立高校も大体5年分ほどの過去問が収録されています。演習の際は、必ず時間を測って解答しましょう。答え合わせの際に時間配分が適切だったかどうかを必ず振り返り、うまくいかなかった時は「大問別に解く順番を変えてみる」・「各大問の時間配分を変える」など試してみましょう。試験本番までに一番得点が取れる時間配分をぜひ見つけてください。また、注意点として古めの過去問を使用する際は、出題傾向や出題形式が変わっていないか注意してみるようにしましょう。

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2.記述解答の実践演習と復習を重視しよう!【英語と国語】

 知識の見直し、計算の訓練は私立入試対策から公立入試対策でも引き続き行いつつ、公立高校で問われやすい国語の作文や小論文、英語の自由・条件英作文などの記述問題対策を行うことが必要となります。過去問演習で慣れるのはもちろんですが、対策ポイントは次の3つです。

①文章の型通りに書く練習をしよう!
 国語の作文・小論文、英語の自由英作文・条件英作文にはある程度決まった書き方があります。例えば、「まず自分の意見の結論(賛成、反対など)を書く→次にその意見を補足する理由や具体例を書く→...」といったものです。この書き方の通りに書く練習からまず始めましょう。

②時間内に指定語数の作文ができるよう訓練しよう!(英作文も同様)
 国語や英語の問題の一部として出題されることが多い作文や自由英作文・条件英作文は他の問題と比較して時間を使いすぎてしまう傾向があります。問題を解くときには必ず制限時間を決めて解くようにしてください。また英語もしくは国語の試験時間の内、何分ぐらいを英作文または作文に割くかを本番までに必ず決められるように時間配分もいろいろ試してみることをお勧めします。

③解答は先生に見てもらおう!
 記述問題は、自分の解答のどこを直せばより高い点数が取れるのかを認識することが大切です。自分としては合っていると思っていても、表現や文法、単語のスペルなど間違っていることが多々あります。人に見てもらうことで気づけることがたくさんあるので、自分の解答を先生に見てもらい、減点されない解答を作れるようにしていきましょう。また、チェックを受けたあとに自分がしてしまいがちなミスをまとめておいて、次の練習に活かすようにしましょう。

その他:他の受験生が解ける問題をまずは解けるようにする

 答え合わせの際には各問題の正答率をチェックしてみてください。ちなみにフリーステップの進学情報マガジン「2024 WAY TO GO!中学生版vol.3」には、公立高校入試問題の過去3年間分の教科別・問題別正答率(京都府のみ非公開のため正答率なし)を記載しています。自分が間違えた問題が合格するために正解するべき問題(=正答率が高い)なのか、他の受験生も解けない問題(=正答率が低い)なのかを判断する客観的な指標になります。塾生の方は活用するようにしましょう。塾生以外の方は最寄りのフリーステップの教室まで是非お問い合わせください。

 

■試験当日の準備

 本番に向けて、前日までに万全の準備をしておきましょう。

当日の持ち物チェックリスト

 入試の案内に書かれているもの以外にも自分で必要だと思うものがあれば、前日のうちにカバンに入れておきましょう。下記の、当日の持ち物・準備物チェックリストを参考に入試当日の準備をしてください。

〈持ち物・準備物チェックリスト〉
□受験票
□生徒手帳
□会場までの地図(携帯電話が使えなかったときの保険)
□鉛筆・シャーペン
□プラスチック製の消しゴム
□昼食
□鉛筆削り(大型、電動式、ナイフ類は不可)
□時計(辞書、電卓、端末等の機能があるものや、それらの機能の有無が判別できないもの、秒針音のするもの、キッチンタイマー、大型のものは不可)
□上履き・下履きを入れる袋(受験票に「上履き持参」と表示の場合)
□お金(電車の遅延があった場合の必要な額も持っておくとよい)
□メガネ
□マスク
□防寒着(会場の室温によって脱ぎ着しやすい服装)
□雨具(折り畳み傘など)
□参考書・ノート
□携帯電話(入室したら電源を切る)
□お守り

試験会場での心構えと注意点

 特別な機会でなければ入れない場所で、他校の知らない受験生に混じって試験を受けなければなりません。試験会場での過ごし方やもしもの時の対処法などを事前に考えておきましょう。

試験会場での過ごし方の注意点

・空き時間と昼休みの過ごし方
 事前に過ごし方を決めておきましょう。いかに落ち着いて過ごすかが重要です。

・トイレについて
 試験教室近くのトイレの位置を確認しておきましょう。混みやすいので余裕をもって早めに行っておきましょう。

・スマホ等の電源オフを忘れずに
 スマホなどの電子機器類を試験時間中に使用するのは厳禁です。また試験中に音が鳴ってしまった場合、不正行為とみなされる場合があるので気をつけましょう。

もしもの時の対処法

・わからない問題だらけ
 試験本番、今まで何度も解いてきた形式の問題なのに、実際の問題に直面すると全く解けない。そして次の問題に移るもまたわからない。どんどん空白が増えていき、とても不安になってしまうことがあります。しかし、絶対に焦らずに、分からない問題は潔く飛ばしてください。そして問題に一通り目を通したら、解けそうなものから一つずつ解答していってください。また、選択問題の二択で迷った時のために「初めに自分の正しい選択肢だと思った方を選ぶ」など、あらかじめルールを決めておくのも一つの手です。

・受験票を忘れた
 もしも、受験票を忘れてしまった場合は、焦らず、すみやかに試験監督の人に申し出るようにしましょう。

朝のルーティンの最適化

 最大限の力を発揮するために余裕を持てるよう朝から万全の準備をしましょう。

・交通状況の確認
 自分が利用する交通機関に遅延などがないか確認する。

・朝食をとる
 頭の回転を促すためにも、必ず適量の食事を摂りましょう。また、普段から朝食をとるようにしておきましょう。

・早めに家を出る
 試験会場に向かう途中で何が起きるかわからないので、余裕をもって家を出ましょう。時間に余裕がある人は、当日の朝も勉強していってください。勉強といってもそんなハードなことをする必要はありません。普通、試験当日の朝は単語帳や理社の用語確認だと言われていますが、あくまでも頭を回転させるのが目的なので何でも構いません。部活の試合の前、ウォーミングアップをしますよね?それと同じです。緊張の中でいきなり英語の難しい文章を読み解こうとするのは危険です。頭の準備運動をしておきましょう。

 

■体調管理と生活習慣

 勉強と同じくらい大事なのが体調管理です。体調がすぐれないとパワーを十分に発揮できないのは当然です。精神面に伴って身体にも不調が出てくるのはよくあることです。できるだけ健康に受験を乗り切れるようにするためにも気を配りましょう。

適切な食事と睡眠の取り方

・食事
 栄養のあるものを食べましょう。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンなどの栄養素をバランスよく摂れるよう気をつけましょう。

・睡眠
 持てる力を最大限に発揮するために重要なのは、「入試が行われる時間帯に頭をフル回転させることができる」ことです。朝型の生活に切り替えて、入試本番の試験時間の3時間前に起床するようにしましょう。また、夜は勉強が残っていたとしても、時間を決めて早く寝るようにしましょう。睡眠不足では、起きていても脳内の睡眠誘発物質が生成されて、頭の働きが鈍ってしまいます。さらに免疫力も低下して風邪を引きやすくなります。早く寝る分、残った勉強は翌朝にしましょう。

試験前日の過ごし方

・体に負担のない食事を摂る
 揚げ物など胃腸に負担のかかる食べ物は避けましょう。

・早く寝る
 普段より早く寝るようにして、朝は余裕を持って家を出られるように早めに起きましょう。ですが、なかなか眠れない場合は、焦らず横になって目を閉じておくだけでも身体は休まります。また、当日の天気予報や持ち物チェック、試験会場への行き方なども入試前日に行っておくと朝に余裕を持つことができます。

 

■保護者の役割とサポート

 受験生は秋ごろから模試も増え、学校や塾でたくさんの勉強をしています。そのため、家では勉強から一旦離れられるようなホッと一息つける環境づくりやお声がけを保護者の皆様にはお願いいたします。また、入試前日はプレッシャーがかからないように、普段通りに過ごし、余計な緊張が高まりすぎないように、心がけてあげてください。体調を整え、無事当日を終えられるよう、生活面と精神面でのサポートを何卒よろしくお願いいたします。

 

■まとめと総括 ―高校受験直前の成功への道―

 受験直前期は合格できるかどうかの不安が常に付きまとうと思います。その不安を払拭できるのは自分がどれだけ頑張ってきたかの自信だと思います。自分の弱点をきちんと把握して、正解すべき問題や重視する科目に時間をかけられるように効率よく対策していきましょう。また、当日までにルーティンを決めて、それに慣れるようにしておきましょう。上記のことを参考に高校入試に向けて追い込みに励んでください。

 

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>