2021/02/22

共通テスト、解いてみた【世界史編】

 センター試験に代わり新しく実施されることになった共通テストの2021年度世界史Bを実際に解き、その出題傾向と今後の対策について検討したいと思います。

 まずは大問ごとの分析を、最後に今後の対策についてまとめていきます。

第一問 史料に関する世界史上の出来事

 Aは『史記』に関する逸話について述べた文章が提示されており、中国史を古代から現代まで幅広い時間軸で取り上げた設問でした。Bは『歴史のための弁明‐歴史家の仕事』の一節をリード文として取り上げ、世界の統治体制についても設問が出されました。また、新傾向として約1ページにわたるリード文の読解力が求められる設問が特徴的です。

第二問 貨幣についての世界史

 Aはイギリスにおける貨幣鋳造量のグラフと欠損値のグラフを読み取り、そこから読み取れる事項と歴史上の出来事を結びつける力が問われる設問でした。Bではアジアの貨幣に関する会話文の穴埋めなどが求められる問題でした。特徴的だったのは問5の、空欄3カ所に適している組み合わせを選び出すという問題です。センター試験では最大2つの組み合わせを求める問題が大半でしたが、選択肢が多くなったことでより正確な知識が問われることとなります。

第三問 歴史上の文学者やジャーナリストの作品について

 Aは物語集『デカメロン』が取り上げられました。作品のみならず、ヨーロッパ全体での出来事について幅広い問題が出題されました。Bでは日本人ジャーナリストによる論評文がリード文として提示されており、世界の文化やロシア史が問われました。Cではイギリス人作家の小説『1984年』を用いたリード文でした。資料の読解力が求められる新傾向の問題が出題されました。

第四問 国家や官僚が残した文書

 Aではある条約の条文の資料がリード文として用いられました。地図を用いた問題はセンター試験と難易度が同等レベルのように思われます。Bでは日本と中国の戦後の関係に関する会話文がリード文として用いられており、戦後の中国を取り巻く設問が幅広く出題されました。Cではインド史が出題されており、文化や政策が導入された理由などが問われています。

第五問 旅と歴史

 Aでは3つの旅行記が、Bでは観光客とガイドの会話文がリード文として用いられていました。Aはヨーロッパを中心とした年代的に幅広い問題が出題されていました。Bでは朝鮮史が中心であり、年代順に並び替える問題などが出題されました。

全体を通して

 総じて、センター試験よりも資料が圧倒的に増加したという印象があります。またセンター試験ではリード文の読み取りは必須ではありませんでしたが、共通テストではリード文の読解力を試される問題が出題されています。また資料から読み取れることと自分の知識を結びつける必要のある問題もあり、全体的に思考力が問われる問題が多いように思われます。しかし必要となる知識は基礎的なものが多いので、しっかりと基礎を固めていれば難易度自体はそう高いものではありません。

今後の学習について

 来年度以降の対策としては、①教科書や資料集を使い、語句の暗記ではなく流れで出来事を覚えること②テーマ史を自分なりにノートにまとめてみること、③ヨコの流れ(同時代に他の地域で何が起きているのか)を意識すること、が挙げられます。

 特に世界史は一問一答問題集などを使い学習する生徒が多く見られますが、教科書や資料集では一つひとつの語句をつなげる歴史の流れがしっかりと工夫して書かれているのです。そのため一問一答問題集を利用する際にもできるだけ教科書や資料集を見ること、また問題を解いて間違えた時や自分の言葉では説明ができない語句・人物名が登場した際は索引を利用して必ず復習しましょう。特にヨコの流れを意識するには資料集などに載っている年表などを読むことが有効です。

 高校12年生の方で、今から世界史をしっかり勉強したい!と思っている方がいれば是非自分の気になっている時代、あるいは国について本や教科書などを読むところから始めてみてください。好きなスポーツの歴史から始めてみても良いでしょう。音楽でも、ゲームに登場するキャラクターについて調べるのでも構いません。まずは興味を持ち、そこから深く調べてみる。世界史の学習を楽しむことから始めることこそが高校12年生の皆さんにとって最も有効な学習方法であると筆者は考えています。

▼こちらもチェック!2021年度 共通テスト関連記事
 共通テスト、解いてみた
 英語編  国語編  数学編

<文/開成教育グループ 個別指導部フリステウォーカー講師編集部:髙山萌々子>