2021/02/22

共通テスト、解いてみた【国語編】

2021年度の共通テストの国語の問題の傾向について、見ていきましょう。

全体の構成

大問はセンター試験と変わらず四問構成で、第一問が評論、第二問が小説(物語)、第三問が古文、第四問が漢文の問題でした。問題数は大きな変化はありませんが、設問の数がやや減少したのに対し、マーク数は増えています。一つの設問内でいくつかの小問が設置されている構成の問題が増えたということになります。

とはいえ、全体としての問題数が極端に増減したわけではありませんので、従来通りのスピードで解けば時間に焦る、あるいは持て余すということはないのではないかと思われます。

第一問 評論

第一問は、日本における妖怪の捉え方の変化について論じた文章です。センター試験との違いとしては、設問の問5に本文を整理した【ノート】の穴埋め問題が出題されている点です。

【ノート】は1から3に分かれており、【ノート1】では各段落の内容を正確に読めているかどうかを問われています。【ノート2】では文章全体から示された内容についての要約ができているか、がポイントとなります。【ノート3】では本文に関連した別の評論文が引用されていて、評論文の前後の文脈も踏まえて内容を把握できているかが問われます。

全体を通して、本文及び問題文として示された内容を正確に読み取り、要約する力を測る問題が多い印象でした。本文そのものの難易度はセンター試験とほとんど変わらないように思います。

対策としては、過去問を解くときに段落ごとに内容を要約したり、本文全体の内容を要約する練習を積むことが役に立つでしょう。また、例年通り漢字の問題も出題されているため、漢字を覚えることも重要な得点源となります。

第二問 小説

第二問は、同僚から羽織と時計をプレゼントされたある男の心情を語った物語です。センター試験との違いは、本文発表当時の新聞の批評の一部である【資料】を用いる問題が出題されている点です。

【資料】を用いた問題では、本文の内容理解はもちろんのこと、【資料】で述べられている意見も読み解く必要があります。【資料】の評者が本文をどのように捉えているのかを明確に捉えられているかがポイントとなります。

昨年までと同様、大半は本文に描かれている場面の把握と人物の心情理解を問う問題になっています。文章そのものは比較的易しく読みやすい難易度であるという印象でした。

対策としては、端的に書かれた感情の内容を分析して、どうしてその感情が生まれたのか、具体的にどのように考えているのかなどを理解する練習をすることが大切だと思われます。また、例年と同じく日本語の慣用表現の言い換え問題も出題されているため、その対策も重要になります。

第三問 古文

第三問は、『栄花物語』の一節を引用した古文の問題です。センター試験との違いとしては、設問5に【文章】を読んで解く問題が追加されている点ですが、【文章】の内容は和歌とその補足であるため、内容としては目新しい問題分野ではないと言えます。

文字数自体はやや減少傾向にあり、センター試験でも頻出であった和歌を中心とした文章になっています。近年多く出題されていた説話や軍記物語などではなく、歴史物語であった点はやや特徴的であるように思います。

全体の問題傾向は例年と大きく変化はなく、内容把握と文法の知識を用いて解く問題が出題されています。敬語の問題は出題されていませんでした。

対策としては、やはり基礎となる文法をしっかりと固めることが最も重要になるでしょう。歴史物語を解く際は時代背景を把握していることもアドバンテージとなるため、歴史を学んでおくこと、古文知識をつけることも重要です。また、例年通り古文単語の意味を問う問題も出題されているため、単語の暗記も疎かにしてはいけません。

第四問 漢文

第四問は、【問題文Ⅰ】【問題文Ⅱ】の共通のテーマに基づく二つの漢文を用いた問題です。

【問題文Ⅰ】は漢詩、【問題文Ⅱ】は『韓非子』からの引用になっています。漢詩はセンター試験の際にも出題されていたため、大きな傾向の変化があったわけではありません。

全体として二つの文章を読み比べながら解答する問題が多い傾向にあるため、どちらかだけが読めていても解答に繋がらないような作りになっています。また、漢字の意味を問われる問題が増えているため、知識問題の比率が上がったといえます。

本文が二種類出題されている、という点を除けば例年とあまり変わらない問題傾向になっています。

対策としては、漢詩のルールや読み方についての知識をつけることが必要になるでしょう。また、例年通り返り点と書き下し文の問題も出題されているため、文法事項をきちんと固めておくことも重要です。漢字の問題も多く出題されているため、漢字の意味を覚えておくことも必要になるでしょう。

まとめ

全体を通してセンター試験の違いとしては、生徒による考察や複数の資料をふまえた理解を問う出題形式が見られました。その一方で、従来のセンター試験を踏襲した設問も多く見られました。また、本文の分量はやや減少した代わりに資料問題や追加の評論などが加わっているため、全体として精読しないといけない分量が増えたように感じました。

出題形式に関しては変化がありましたが、新傾向に対応する特別な対策が必要というわけでもないため、例年通り、コツコツと基礎を固めて対策をしていくのが良いでしょう。

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<文/開成教育グループ 個別指導部 フリステウォーカー講師編集部:浅田 朋香>