2021/04/05
意外と知らない?【円高と円安の違いとは】
「円高還元セール」という言葉をスーパーや家電量販店で聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかしながら、「円安」「円高」という言葉の意味を知らない人もいるでしょう。
本記事ではこれらの違いを取り上げ、公民の学習に役立ててほしいと思います。
為替(かわせ)とは
まず「円高」「円安」という言葉を説明する前に「為替(かわせ)」という言葉についてある程度理解しなければなりません。
為替とは「遠い土地にいる者同士が現金を送る手間や危険を回避するために、手形や小切手を利用したり、銀行や郵便局を介して金銭のやりとりを行うこと」を言います。現金の郵送は盗難や紛失の危険があるために生まれた方法で、特に海外とのやりとりを海外為替と呼びます。
海外為替市場(または為替市場)では、円とドルなどの異なった通貨が交換(売買)されています。例えば海外旅行に行く際に、手持ちの日本円を現地の通貨に両替したり、企業が海外から物資を輸入するために海外の通貨(外貨)を調達することなどが例としてあげることができます。
円高と円安の違いとは
さて、いよいよ本題に入りましょう。「円高」「円安」とは何なのか?これには先述した「海外為替」が関わっています。
今回は円とドルの為替を使って説明していきます。
まず結論を言うと、円高とは「(ドルにとって)円が高い」、逆に円安とは「(ドルにとって)円が安い」ということなのです。
円とドルの交換基準を1ドル=100円としてみましょう。つまり1ドルで100円分の物を買うことができます。10円のスナック菓子を10個分買うことができるという状況です。
ここで何かしらの出来事があって1ドル=50円となったとします。すると、1ドルで購入することができるのは50円分、10円のスナック菓子が5個しか買うことができません。
ではこれは「円高」と「円安」、どちらの状況でしょうか?
正解は... 「円高」です。
100円分の物を購入するために、今までは1ドルで良かったところが2ドル必要になったということは「円の価値が上がった」ということなのです。
では1ドル=200円となったらどうでしょうか。そうすると1ドルで購入することができるのは200円分となるわけです。100円分の物を購入するために必要な金額は0.5ドルへと減るわけです。
すなわち、ドルにとって円が安くなった、「円安」ということです。
いかがでしょうか。
「円高」「円安」という言葉だけでは分かりづらいかもしれませんが、「他の通貨にとって」という言葉を付け足して考えてみると少しは分かりやすくなるのではないでしょうか。
輸入と輸出、有利なのはどちら?
さて、「円安」「円高」という言葉自体への理解は深まったところでしょうか?ここからはこれらの考え方がどのように利用されているのかを考えてみましょう。
先ほども述べたように、「円安」「円高」という言葉は為替市場、すなわち他の貨幣との交換という場でよく使われます。そして、他の貨幣との交換が求められる場として一番に挙げることができるのが「輸出入」なのです。
「輸出入」とは主に企業が商品を海外に販売したり、あるいは海外から購入したりすることを指しています。海外との商売ではお互いの貨幣がどのように交換されるのかがとても重要なポイントです。
では、「円高」あるいは「円安」はそれぞれ輸出や輸入にどのような影響をもたらすのでしょうか。今回は先ほどと同様日本とアメリカの貿易で考えてみたいと思います。
「円高」の場合
まずは「円高」のもたらす影響を見てみます。
ここでもう一度「円高」とはどのような状況下を考えてみましょう。
「(海外の貨幣に対して)円の価値が高い」という状況です。
ここでは、本来1ドル=100円だった円とドルの関係性が1ドル=50円へと変化したとしましょう。
まずは日本の立場で考えます。
いままで10ドルの洋服を日本が輸入するためには、日本は1000円を払わなければなりませんでした。
それが円高になった、すなわち1ドル=50円になった場合にはどうでしょう。
日本は10ドルの洋服を輸入するには、500円を払うことになります。
つまり、本来の円ドル関係よりも安く日本は海外の製品を購入することができるのです。
反対に日本が1000円の洋服を輸出するときのことを考えましょう。
いままでは日本は1000円の洋服を輸出したときには10ドル得ることができました。
それが1ドル=50円になった時には、20ドルを得ることができるようになります。
さて、円高は輸入と輸出、どちらにとって有利な状況なのでしょうか?
一見すると円高は輸出と輸入、どちらでも利益が大きいように感じるでしょう。物を安く購入することができるし、逆に高く相手に売ることもできるのですから。
しかし、一般的には円高は「輸入に有利」と言われています。
なぜならば、日本の製品がアメリカにとって高価になってしまう円高という状況下では、他の国のよりやすい製品を購入しようとするため日本の製品が結局売ることができなくなってしまうと考えられるからです。
「円安」の場合
では「円安」という状況ではどうでしょうか。
先ほどと同様に1ドル=100円から1ドル=200円へと変化したとしましょう。
今まで10ドルの洋服を購入する際には1000円を払えば良かったところ、2000円を払う必要が出てきてしまいました。
反対に1000円の洋服を輸出する際には、今までは10ドル得ることができたところ5ドルしか得られません。
さて、ここまで言うと「円安」は円にとってあまり良い影響があるように思えないのではないでしょうか。「円の価値が安い」という「円安」の言葉の意味を聞いても、あまり良い印象がないひとが多いかと思います。
しかしながら「円高」の時を思い出してください。「円高(ドル安)」という状況では日本はアメリカからの輸入が活発化することが推測できていました。では円とドルの関係性が逆転した、「円安(ドル高)」という状況では反対のことが起きるのではないでしょうか。すなわち、日本からアメリカへの安価な製品の輸出がより活発化されると推測することができるのです。また、アメリカからの輸入品が高価になってしまうことを考えると輸入は停滞すると考えられます。
まとめると、
「円高(ドル安)」のとき⇒「輸入に有利、輸出は不利」
「円安(ドル高)」のとき⇒「輸出に有利、輸入に不利」
ということなのです。
まとめ
ここまで「円安」「円高」の違いについて説明してきました。
これらは他の通貨との関係性を考えながらその違いを理解する必要のあるものです。
記事のように、他の国との貿易の場面を想像しながらしっかりと理解を深めていきましょう。