皆さんもTVのCMやニュースなどで「株式会社」という言葉を聞いたことはないでしょうか。現代では多くの会社が「株式」というものを利用して会社を運営しています。今回の記事ではそんな「株式」の仕組みについてまとめていきます。

　中学・高校の公民の授業でも出てくる、とても大切な事項なので基本的な仕組みをこの記事で知ってほしいと思います。

1.会社の種類

　株式というものを理解する前に、まずは「会社」にはどのような種類があるのかをまとめたいと思います。

　最初に、「会社」は誰が運営しているのかで私企業と公企業、また公私合同企業に分類されます。多くの会社は私企業であり、民間の人々が資本（資金や労働力など）を集めて運営しています。それに対して公企業は政府や地方自治体が提供する公共資本によって運営され、公私合同企業は民間資本と公共資本の両方で運営されています。

　さらに、私企業は今回取り上げる株式会社のほかに、合同会社、合資会社、合名会社、今は新しく作ることはできませんが有限会社に分けられます。今回は株式会社以外については詳しく取り上げませんが、それぞれ出資者や経営者の立場の違いによって分類さます。

2.資本の集め方

　さて、会社を作って実際に運営するには、とても多くの資本が必要になります。資本には労働力、工場や会社の事務所を借りるお金、必要な道具を買うお金、労働者に払うお金などが含まれます。会社を作りたい人にとって、その準備を一人や少人数ですることはとても難しいことは想像がつくと思います。では、必要となるお金はどのように集めるのでしょうか。

　お金の集め方には、会社の外部から資金を集める外部金融と、会社の内部から資金を集める内部金融という方法があります。そして外部金融は銀行などから融資を受ける間接金融と、株式や社債の発行によって資金を集める直接金融に分けられます。

　銀行などから融資を受ける間接金融では、後々借りたお金を返す必要があります。会社がうまく儲からなかった場合に返済が滞ってしまう可能性もあります。これに対して株式は、お金を返済する必要がないというメリットがあります。

3.株式とは

　それではいよいよ本題に入ります。

　資金を集めたい会社は、株式を発行して株主に売ることで資金を集めます。会社がこれから儲かるだろうと期待した人が株式を購入するので、そんな人が多ければ多いほど会社は資金を集めることができます。

　株主（株式を購入した人）は、会社に資金を提供している人のことを言います。会社が利潤の一部を株主に配当することで株主も利益を得られるという仕組みになっています。

　そして、もちろん株主は会社が儲かってくれないと配当をもらえず損をしてしまうため、会社に経営方針についても口出しをする権利を持っています。それが株主総会への出席権です。

　株主総会では、会社から株式を購入している株主が集まり事業の基本方針や取締役・監査役の選出について決めることができます。取締役が会社に損害を与えた場合、会社自身ではその責任を追及することができないことがあるため、株主が会社を代表して取り締まりを提訴することもできます。

4.株価とは

　ニュースなどで「株価」という言葉を聞いたことはないでしょうか。株価とは、株式の価格のことを言います。そしてこの株価は、様々な原因で上下します。それを利用してお金を儲ける人もいます。

　皆さんは、これから成長しそうな会社と、最近業績があまりよくない会社だったらどちらの株式を購入したいと思いますか？もちろん、これから成長しそうな会社の方が配当を得られる可能性が高いため、そちらを選ぶと思います。

　そして、多くの人がこれから成長しそうな会社の株式を買いたいと思うので、株式の値段は高くなっていくでしょう。ほしいと思う人が多ければ値段も高くなっていくことはほかの商品と同じです。

　これに対して、あまり購入されない会社の株式は安くなっていくという傾向があります。

　また、災害や例年と異なる気候、ライバル会社の動き、会社に関するうわさなど、様々な原因で株価は変化します。

　株価が低いときにそれを買い、株価が高くなってから売ればその差額が投資家にとっての利益になります。ただし、株価の変動は見通しがとても難しいものです。

5.まとめ

　以上が「株式」の説明になります。多くの資金を集めるため、たくさんの人から少しずつお金を集める方法であり、現代では多数の企業がこの方式をとっています。

　皆さんの身近なあの会社も、株式会社かもしれません。身近な会社について調べてみてください。

　この分野は入試問題でも出題されるため、身近なことから知識を深めていきましょう。

＜文／開成教育グループ　個別指導部フリステウォーカー講師編集部：高山萌々子＞