2022/07/04

同じ方向を向く――合格プロデューサーアワードインタビュー

「教室にかかわるすべての人たちが同じ方向を向く。
同じ目標を向いて、同じ温度感で走っていける教室にしたい」

そう語るのは、フリーステップ板橋教室学習プランナーの松田先生。松田先生は、今年度の「合格プロデューサーアワード」を受賞しました。

 

フリーステップでは「合格プロデューサーアワード」が毎年開催されています。合格を達成した生徒の体験談や、それをサポートした学習プランナーや講師の取り組みを紹介し、更なるサポート・授業品質の向上につとめるためのイベントです。

そんな合格プロデューサーアワードにて、松田先生は、夏ごろから受験勉強を開始して中学受験を突破した生徒のお話をされていました。夏の時点で得点率三割ほどだった生徒でしたが、見事第一希望の中学校に合格することができたのです。

今回は、合格を成し遂げた道のりについて、そして合格のために大切なことについて、お話を伺いました。

 

「合格」を達成した、この半年間について

この半年間を振り返って、どんな半年であったか教えてください。

「楽しいことばかりではありませんでした。私一人だけだったらいつ潰れてもおかしくなかった。でも担当の先生も一緒に『私は合格させたいんです』『この子は絶対合格させます』と言ってくれたからこそ、私もあきらめずに学習プランナーとしてできることをしようと思えました」

その講師はどのような方でしょうか。

「そんなに前に出るようなことをしなかった先生でした。でも『そんな本性隠し持ってたの』っていうくらい別人のようになったんですけど」

変わった理由とは何でしょうか。

「きっかけの一つとしては、私と話す頻度が増えたことかな、と。生徒の未来や教室の未来について話す機会が増え、生徒や教室の未来のために何ができるか積極的に考えてくれるようになりました。私との想いの共感でしょうか。」

 

松田先生の"想い"が波及して、講師の意識が変わり、強い味方ができたということです。

二人で何度も相談してカリキュラムを練り上げ、演習を行いました。しかし、成績は伸び悩んでいたそうです。

このままでは合格できないのではと、冬になって保護者の方から「受験も塾もやめたい」との申し出がありました。戸惑ってしまった松田先生でしたが、生徒に気持ちを尋ねると、「受ける。受けたい。フリーステップも絶対やめない」と、強い意志を持って答えたと言います。

生徒にも、熱意が伝わっていたのです。

 

「冬期講習など、一緒に中学受験した親友の子と、開校時刻から閉校時刻までずっと教室にいたんですね。そして驚くことに、他学年の生徒と仲良くなっていました。私よりも、他の生徒達と話す時間が多いくらい。色んな生徒さんと仲良くなって、教室をとても明るくしてくれていました。最後に、『受験頑張ってね』って教室を出る時に、中学生や高校生も、その子に向かって、『頑張ってな』『応援してるから』って言ってくれていて。学年が違っていても、目標に向けて頑張る人に応援できる雰囲気にしてくれたな、っていうのは思いますね」

 

そんな、教室全体の想いもあってか、その頃には、見違えるような成績を取ることができるように成長していました。

 

入試直前になると、受験生に向けて教室から応援メッセージカードが送られます。その生徒のメッセージカードには、担当した先生や松田先生はもちろん、たくさんの先生がコメントをしたといいます。

たくさんの先生に支えられて、応援してくれている事実を再確認したその生徒は、家に着いてから一人感動の涙を流したしたといいます。

  

  

「ひとりじゃないよ。いってらっしゃい」(担当の先生のメッセージより)

 

 

「負ける気がしないんだよ」(家に帰った生徒が、母親に零(こぼ)した言葉)

 

  

見事吉報を伝えることができたその生徒は、中学生になってからもフリーステップに通い、定期テストで満点を取るため、日々――教室をまた明るく染めながら――奮闘しているとのことです。

 

 

「合格」のために何が大切なのか

ここからは、「合格」のために何が大切だと考えているかをお聞きしました。

 

合格のために、講師が大事にしなくてはならないことは何だと思われますか。

「生徒が『志望校に行きたい』と思うことは、その生徒の『本気』だと思う。生徒が本気になって何かをしたいと思うこと、講師はその背中を押してあげてほしい」

「長い目で見て、合格のために、勉強面だけじゃなくて、忍耐力や打たれ強さといった、人間的なところで何が必要なのか。それを、学習プランナーだけではなく講師も一緒に生徒を分析して、生徒に何が足りないのか見つけ出して補っていく。講師は学習プランナーの仲間でいてほしい」

では、学習プランナーの立場として、大事にしていることを教えてください。

「保護者・生徒にとって、『この人がいれば大丈夫だ』と思われる存在でありたいと思っています。面談をしていても電話をしていても、普段の生徒対応でも、『なんか話したらすっきりした』『迷っていたけど、そういうことか』と、何か解決の糸口になれるような、そんな存在になれたらいいなと思っています」

受験生に伝えたいことは何かありますか。

「受験に向けて頑張る姿勢、受験まで走ってきた道のり、費やしてきた時間は、絶対に自分のことを裏切らないということです。それを体感してほしいし、より大きく感動してほしいので、今苦しくても諦めない姿勢というのを貫いてほしいと思っています」

最後に、フリーステップの教室全体として、「合格のためにはこういう教室でなければならない」という想いはありますか。

「まず一つは、教室にかかわる人たちが同じ方向を向くこと。『合格』という同じ目標を向いて、同じ温度感で走っていけるような教室にしたいですね」

「『同じ温度感』を強調する理由としては、誰かが頑張りすぎても多分バランス崩すと思うんですよ、二人三脚みたいなものなので。講師が突っ走って生徒がやる気なくても絶対成果には結びつかないし、生徒だけ頑張って講師の先生がだれていても結びつかないし。だから、みんなが同じ温度感でいることが大切」

「そして、生徒にとっても保護者の方にとっても講師にとっても、一つの拠り所になれるような、そんな教室にしていきたいと思います」

 

 

終わりに

フリーステップは個別指導の学習塾ですが、生徒と講師、生徒と学習プランナーの一対一で完結するのではありません。

生徒・保護者・講師・学習プランナーが相互にかかわり合い連携し、そして教室全体が同じ方向――合格のほうを向いて、一歩一歩確実に歩みを進めていくことが、合格というゴールへ真っすぐ走り抜けるために、何より不可欠なのです。

<取材・文/開成教育グループ 個別指導統括部 フリステウォーカー講師編集部:仲保 樹>