2023/06/19
生活と音楽【第6回】-夏休みに身近なもので楽器を作ってみよう!-
夏休みの自由研究に困っている方、身近なもので簡単に、身の回りに溢れているものの仕組みを知ってみたいと思いませんか?
今回はそんな方に向けて、皆さんの周りにもありふれている「音」について、楽しく紹介いたします!
音が起こる仕組みとは
まず、音はどのようにして私たちの耳に届くのでしょうか?
音は、物体が振動することによって起こります。例えば、ギターの弦、ドラムの膜、声帯などです。その振動は、波のように周りのもの(例えば空気や水など)にも伝わります。その空気や水などの振動が、また波のように広がり、私たちの耳に到達します。私たちの耳の内部(例えば鼓膜など)を介して脳に伝わり、脳が波を音として認識するのです。
音には高低が存在しますがこれも振動と関係があります。
音が伝わる波には、振動数と長さ(波長)が存在します。この振動数が大きくなればなるほど、音は高くなり、小さくなればなるほど、音は低くなります。また、波長が短くなればなるほど、音は高くなり、長くなればなるほど、音は低くなります。
この仕組みを使って、身近にあるもので楽器を作って音を作ってみましょう!
チャレンジ!楽器を手作り
<コップと水で音を作ろう!>
〇用意するもの
・同じ形のコップ(作りたい音の数分)
・水
・コップをたたくもの(フォーク、スプーンなど何でもOK)
・音を確認するもの(リコーダー、ピアノ、チューナーアプリでもOK)
〇1.基準となる「ド」の音をリコーダーなどで調整しながら、水を入れて作りましょう。都度、スプーンなどでコップの側面をたたきながら音を確認しましょう。
〇2.1.と同じように、水を調整して、「レ」の音や「ミ」の音を作っていきます。
〇3.いくつか音ができたら、順番に並べて、音が高くなったり低くなっているか確認しましょう。
いかがですか?
水を多く入れているコップと少なく入れているコップでは、少なく入れているコップから出る音のほうが高く聞こえるのではないでしょうか?
実はコップに水を入れてたたくと音が出るのは、先ほどの説明とは少し違う、共鳴という仕組みが働いています。共鳴とは、叩いた時に発生する音と、その音がコップの側面で跳ね返って戻ってくる音が、重なり合って大きい音になるという現象のことです。
コップに入れる水の量が少なければ少ないほど、共鳴器として役立つ部分が短くなり、その分素早く短く波が動くため、音が高く聞こえます。
これを利用して、共鳴器となるコップを変えたり、入れる液体やコップをたたくものを変えてみても、また違う音になって面白いかもしれませんね。
<空き箱でギターを作ろう!>
〇用意するもの
・ティッシュペーパーの空き箱
・トイレットペーパーまたはキッチンペーパーの芯
・割りばし
・輪ゴム(4~6本)
〇1.ティッシュペーパーの空き箱の真ん中の部分をカッターで、5~7cmほどの楕円形にくりぬきます。
〇2.1.を半分に切り、ティッシュペーパーの空き箱の長さを2/3程度に縮めます。
〇3.トイレットペーパーまたはキッチンペーパーの芯を軽く押しつぶし、ティッシュペーパーの空き箱の上部と同じ高さになるようにくっつけます。
〇4.ティッシュペーパーの下部からトイレットペーパーの芯の真ん中あたりまで、切っておいた輪ゴムを張ります。この時、音の高低が後にわかりやすいように斜めに輪ゴムを止めておきましょう。
〇5.割りばしを半分に折り、ティッシュペーパーの空き箱の下の方へ差し込んで完成です。輪ゴムをそれぞれ弾いて音の高低を聴いてみましょう!輪ゴムの好きな位置を指で押さえた時の音も聴いてみましょう!
いかがですか?
短く輪ゴムを張ったほうが、長く輪ゴムを張ったほうより、音が高く聞こえたのではないでしょうか?
また、指を押さえた時と押さえなかった時では、押さえたときのほうが音が高く聞こえませんでしたか?
ギターの弦(ここでいう輪ゴム)は冒頭で述べたとおり、これが振動することによって音が発生する振動源です。短く輪ゴムを張ったり、輪ゴムを指で押さえて振動する部分を短くすることによって、輪ゴムを弾いた時、長く張った時よりたくさん振動します。この振動が耳に届いて、より高い音に聞こえるのです。
この仕組みを使って、ギターでも「レ」や「ミ」の音を合わせて何か曲を完成させても良いかもしれませんね。
私たちの身近にあふれているものを使って、さまざまな「音」の自由研究に挑戦してみましょう!
<文/開成教育グループ 個別指導部フリステウォーカー講師編集部:隅田佳乃>