2020/09/28
調べ学習のススメ
はじめに
皆さんは「調べ学習」をしたことはありますか?小学校・中学校の授業や、ホームルーム、自由研究でよく行われるものなので一度は経験があると思います。調べ学習を行う際に、どうすればいいかわからないといった方やインターネットで少し調べて済ませるだけの方もいるのではないでしょうか。今回は、実際に僕が調べ学習を行いその過程を記事にしてみました!
テーマを決める、絞り込む
調べ学習を行う前に、何について調べるかテーマを決める必要があります。今回は「大阪の伝統野菜」について調べることにしました。先日、外出先で野菜の直売所を見かけたので寄ってみたところ、そこで売っていた大阪の伝統野菜である水ナスが大きく、買って帰り調理し、とても美味しかったことから、このテーマについて調べることにしました。このように、自分の身の回りのものごとをテーマにしたり、興味のあることがあればそれをテーマにするとよいと思います。
次に選んだテーマについて、範囲が広すぎないか、難しすぎないかを確認します。というのも、あまりに大きすぎるテーマでは詳しく調べきれないですし、難しすぎるテーマだと何から調べればよいかわからなくなってしまいます。僕が選んだテーマの難しさについては、自分が生まれ育った大阪の伝統野菜ということで難しすぎることはないですが、範囲の広さについては少し大きすぎるかなと感じました。大阪の伝統野菜は多数あるはずなので、伝統野菜全てについて調べるのはとても大変な作業になると予想できます。そこで2、3種類の伝統野菜について調べることにしました。
簡単に調べてみる~予備知識を得る
テーマを決めたら早速調べていきます。本格的に調べる前に、テーマについての予備知識を得るために簡単に調べることにしました。これは「大阪の伝統野菜」という風に調べるだけでは範囲が広いため、「具体的にどの野菜について調べるか」や「その野菜の歴史や生態など、何について調べるか」の方針を立てようと考えたからです。
インターネットで大阪の伝統野菜について検索すると大阪府と大阪市のホームページに記載がありました。こうやって手軽に調べられるのはインターネットの良いところですが、正しい情報かどうかを考えないといけません。府と市が出している情報なら大きな間違いはないだろうと思い、このホームページから調べることにしました。様々な伝統野菜とその産地についての記載を見つけ、その中からたまねぎ、なす、キュウリの歴史について詳しく調べることにしました。より具体的には「それぞれの野菜はいつごろから日本で栽培されていたのか」や「いつごろから大阪で栽培され、どのようにして流通したのか」について調べることにしました。
図書館へ行って調べる
方針が決まったので図書館へ行って調べます。図書館に置いてある本は書かれている内容ごとに分類番号が決められていて、その番号順に整理されています。その分類番号に従って本を探しても良いのですが、僕は蔵書検索を行うことにしました。蔵書検索は多くはOPACと略されていて、主に図書館内のパソコンから利用するシステムです。蔵書検索で大阪の伝統野菜について検索するといくつかの本が見つかりました。その本の置いてある書架へ行き、検索した本に加え、同じ書架内に参考になりそうな本がないか探します。今回調べているのは野菜の歴史についてなので、農業史や生活史についての本で、参考になる本がないか調べました。その結果、大阪の伝統野菜についての本が2冊、近代以降の食生活史についての本が1冊、大阪の農業史についての本が1冊、大阪の現代の農業についての本が1冊、合計5冊の本が見つかりました。後はそこから参考になる記載があるか調べます。
調べたところ、このようなことが分かりました。
たまねぎは明治時代ごろ、なすは明治以前から栽培されていたが明治時代に新しい品種が、きゅうりは江戸時代初期には既に日本で栽培されていたことが分かりました。大阪で玉ねぎが栽培されたのが明治10~20年ごろ、大阪の岸和田市で栽培され始め、明治26年に流行したコレラという病気にたまねぎが効くとの噂から広まったと書かれています。
なすは明治以前から食べられていたそうで、大阪の特産品となるほどに今でも栽培されているのは、なすが傷みやすい、当時「軟弱野菜」と呼ばれる野菜で輸送に向かなかったこと、水なすが浅漬け用として優れており人気が出たこと、大阪の農家がホルモン剤やさし継ぎなど、優れた技術を考え出したことが挙げられます。
きゅうりも、なす同様明治以前より食べられていた食材ですが、大正時代に大阪府堺市の農家がきゅうりを通常よりも早い時期に収穫、出荷できる促成栽培法を開発し、堺市を 中心に大阪全域で栽培されました。
おわりに
今回は、大阪の伝統野菜について調べましたが、図書館を利用することで、インターネットで検索するよりもより深く調べることができました。これは、大阪に関するテーマだったので、大阪の図書館で容易に情報を得ることができたからかもしれません。このように地域に関する調査や、歴史に関する調査は図書館で行うと便利です。また、調べ方が分からなければ司書さんに相談できますし、今回は利用しませんでしたがどうしてもわからない問題は司書さんが調査してくれるサービスもあります。それに対してインターネットは手軽で、新しい情報を簡単に手に入れることができます。このように、調べ学習には図書館とインターネット、両方を利用することをおすすめします!
<取材・文/開成教育グループ 個別指導部フリステウォーカー講師編集部:岡市紗典>