2021/08/02

関東 受験・進学情報だより【大学入試制度】

高校生の皆さんは、今までのどこかのタイミングで「受験」を経験されている方がほとんどだと思います。大学受験と聞いてイメージするのも、自分の経験してきた受験に近いものかもしれませんが、実はさまざまな受験方式があることを今回はご紹介したいと思います。

大学の種類

 大学には「どこが運営しているか」で区分があり、その区分で受験方式にも傾向があります。

■国立大学:国が設立し運営する大学。受験のためには5教科すべて使用する大学が多い。共通テストを1次試験として、大学の用意する2次試験も受けて合否が決まる。2次試験は面接のみという学校もある。

■公立大学:都道府県や市などが設立し運営する大学。試験形式は国立に似ているところが多いが、教科数などは独自に設定している学校もある。

■私立大学:学校法人や株式会社など民間が設立し運営する大学。試験形式はさまざまだが、基本的に3教科で受験できる学校が多い。

■省庁大学校:文部科学省以外の管轄の学校。実は大学とは区分が異なるが、卒業時には大卒と同等の資格が得られる学校。国土交通省所管の気象大学校や、防衛省所管の防衛大学校などがこれにあたる。国公立と違い、3教科で受験できる学校が多い。

大学受験にも地域差

高校受験までと違って、大学受験は全国規模になります。人気の大学となると地元の高校生だけでなく、北は北海道、南は沖縄まで全国の高校生が志望し受験することになるでしょう。受験会場も各地域の大都市に設けられていることが多く、日本中のライバルたちと競い合うことになります。

このように大学受験は広い範囲のものなので、地域によって差なんて無いのでは?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

まずはこちらのグラフをご覧ください。

表1_地域別大学数.png

数値の出典:ナレッジステーション【大学 都道府県別学校数(令和2年度)】

これは地域別の大学数をグラフにしたものです。

関東が突出して多く、ついで関西、中部となっています。(しかも関東の大学のうち半数以上は東京にあります)

これら大学密集地域ごとに、特色があります。

たとえば関西の私立大学ではこの後説明する「学校推薦型(公募制推薦)」が実際には一般選抜とあまり変わらないうえに併願可能だったり、学校ごとに問題傾向がかなり決まっていたりといった特徴があります。しかし、これを関東の大学受験にそのままあてはめることはできません。

以下で、関東の大学受験(主に私立)の各方式について説明していきます。

一般選抜方式

おそらく「受験」と聞いて多くの方が一番初めに思い浮かべる、学科試験を受けて合否が決まる方式です。この後に説明する「特別選抜」(いわゆる推薦系)に対しての「一般」です。この一般選抜の中にもいくつも方式があります。

なお、便宜上呼び名を設定していますが、大学ごとに独自の名前を付けていますので調べる際はその点にご注意ください。また、方式の名称のあとに書かれているのはおよその受験日です。学校により前後することもあるのでご了承ください。

共通テスト利用方式(1月)

大学入学共通テストの成績のみで合否を判定する方式。

独自試験のみの方式と比べて、必要になる教科数が増える学校も多い。

共通テストを受験するだけで何校も同時に合否判定できる。

3科目方式と5科目方式など共通テスト利用方式を複数持っている大学の場合、これらを併願できることも多い。

共通テスト前期・後期と時期を分けている場合、試験を受けるのはもちろん1度だけだが、出願時期が共通テスト実施前か後かといった違いがある。自己採点で思った以上に点が取れていたので後期に出願する、といった使い方もできる。

共通テスト併用方式(2月)

大学入学共通テストと大学独自の試験を組み合わせて合否を判定する方式。

たとえば、英語と理科は共通テストの成績を利用し、数学だけはその大学の用意した問題を使った試験になるといった形。共通テストは受けるという前提で考えると、必要対策科目が少ないという利点がある。

全学部統一方式(2月)

大学独自の試験を使用して、この試験一つでその大学の複数の学部を受験できる方式。大学独自の共通テストのような試験。統一日程、T日程などと呼称する大学が多い。通常、次の「学部別方式」よりも早い日程に設定されている。

学部別方式(2月)

大学独自・学部独自の試験を使用して合否を判定する方式。関東の大学(とくに難関大学と呼ばれるところ)は学部ごとに傾向が違うことが多い。

募集人数が最大の方式であることが多い。

複数日程用意されていることもある。A日程・B日程や一般前期・一般後期などと呼称する大学が多い。

英語外部試験利用方式(2月)

英検やGTECTEAPなど、外国語検定の級やスコアを利用して、「英語の試験免除」や「英語の見なし得点化」「英語の点数に加点」等してくれる方式。

たとえば、英検の2級(および他の検定のスコア)を所持したうえでこの方式に出願すると、150点満点の試験を120点として扱ってくれる学校や、英検2級以上(および他の検定のスコア)の所持を出願条件として設定し、他の2教科(文系なら国社・理系なら数理)の試験で合否を判定する学校などがある。

この英語外部試験利用方式は、全学部統一方式や学部別方式と同時に行われて併願できることが多い。(つまり、一つの試験で合否判定が2回出るので合格率が上がる!)

特別選抜方式

いわゆる推薦に相当する方式です。近年呼び名が変わったので知っておきましょう。

大きく「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」に分かれます。(その他にも「帰国生」や「社会人」など受験者がかなり絞られる方式もこの特別選抜方式に含まれます)

どちらも「専願」(合格したら確実に入学するという約束の元で出願するということ)になります。特別選抜方式は日程も早いですが、これでおさえを取っておいて、一般で第一志望に挑戦といったことはできません。

特別選抜方式も大学ごとに独自の名前を付けていますので調べる際はその点にご注意ください。

学校推薦型選抜

旧「推薦入試」。学校長の推薦が必要な方式。大きく次の2つに分かれる。

■指定校制(11月ごろ)

高校から指定の大学・学部への推薦。高校ごとに、どの大学のどの学部を何名という枠を持っており、基準を満たした生徒を学校長から大学に推薦する。評定平均や課外活動実績、履修科目などが条件になっていることが多い。

3年生になると学校側から希望するかどうかを聞かれ、学内会議を通って出願し、志望理由書や小論文などを提出したり面接を実施したりし、最終的な合格発表は1112月という形になることが多い。

■公募制(11月ごろ)

大学側の定める基準を満たし、高校の校長推薦を得ると出願できる。

基本的に、書類(学校成績や課外活動実績等)と試験(面接・小論文・学科試験等)で合否を判定する。指定校制の合格率が非常に高い(100%に近い)のに対し、公募制は他の応募者と競い合う形になるので当然不合格になる可能性もあるが、出願に条件がある分一般選抜に比べると倍率は低いことが多い。

総合型選抜

旧「AO入試」。自己推薦型の入試。

■総合型選抜(9月ごろから)

元々のAOというのはAdmissions Officeの略で、直訳すると「入試担当部局」となる。各大学の定めるAdmission Policy(入学希望者に提示する募集方針)に合致する生徒を、人物評価から選抜する方式。

学科試験を課さず、エントリーシートなどの書類と面接などで、「学校の求める人物像」に合致するかで合否を判定する。

数ある入試方式の中でも時期が最も早い。

以上のように、大学入試にはさまざまな方式があります。学校ごとにこれがさらに細かく分かれたり、学科ごとに用意されている方式が違ったりと、本当に大学受験は情報戦の側面が強いです。

関東の私立大学では、難関大になるほど一般選抜の回数は限られてきます。1回しかチャンスの無いところもあります。だから、本気で入りたい大学があったら、その学校の入試要項をよく調べて可能な限り最大限の回数受験できるように設定したいです。そのためには、学校成績が必要かもしれませんし、英語外部試験利用を使えば1回多く合否を判定してもらえるかもしれません。

早くからの準備がものを言います!

皆さんにはぜひ第一志望合格を掴んでほしいので、教室でチーフと一緒に作戦を練りましょう!!

<文/開成教育グループ 教育技術研究所 小川真史>