2022/01/11
関東 受験・進学情報だより【志望校の決め方:大学編】
皆さんこんにちは。
たくさんの生徒さんと接していると、意外と目標がはっきりしている子ばかりでないことが分かります。漠然と「大学には行きたいけれど、どう選んだらよいか分からない」といったことを言う生徒さんも多いです。
そこで今回は、主に今高校1・2年生の皆さんに向けて【志望校の決め方:大学編】をお話していきたいと思います。
志望校を決めるための一助になれば幸いです。
ポイントは地理的条件→やりたいこと/学びたいこと/学校、で絞り込んでいくことです。
地域で絞り込む
「地理的な条件」というのは、すべての人に関わるものです。まずは、どの範囲から志望校を選んでいくか考えます。
以前、関東の大学入試制度について触れた回で日本中で一番大学が集まっているのが関東であり東京であると説明しました。
とはいえ、実際は都内だけでも1時間以上かけないといけない場所もありますし、鉄道を使う場合は単純にかかる時間だけでなく、その路線は1時間に何本来るのか、快速や準急は停まる駅なのかといった要素も考えていかなければなりません。お住まいの地域次第では、大学進学と共に一人暮らしを始めることも考えていくことになります。
ただ、こういったことは各ご家庭の方針で変わってきますので、「家から通える」「一人暮らしも考える」といった部分は親子間でよく話し合っておきましょうね。
また、昨今はリモート授業も増えてきて、大学に近いことが必須ではなくなっている学部も存在します。よく調べてみてくださいね。
関東で少し例を挙げながらお話してみましょう。
CASE1.意外と行きやすい
中央大学多摩キャンパスは東京都八王子市にあります。最寄り駅は多摩モノレール「中央大学・明星大学」駅です。
新宿駅から30km近くありますが、京王線の特急や準特急を使うことで1時間以内で到着します。新宿へのアクセスの良い地域からでしたら十分家から通える距離と言えるでしょう。下り方面なので、通学時それほどひどい混雑にならないという利点もあります。
フリーステップの教室のある都営新宿線大島駅(東京都江東区)から、山手線を横断する形で明治大学和泉キャンパス(東京都杉並区)までは乗り換えなしで50分未満で到着します。普段はあまり山手線の向こうまで行こうと考えない方も多いと思いますが、イメージや地図上の距離に比べると意外と早く着く土地もあることを覚えておきましょう。
CASE2.意外と遠い
例として、フリーステップの教室のある中野区の野方駅を起点に考えてみます。中野区は23区の中では西の方にあり、野方駅は西武新宿線です。
東京大学駒場キャンパスへ行くのに、電車ですと一例として以下のようになります。
①西武新宿線 野方→高田馬場(10分)
②JR山手線 高田馬場→渋谷(12分)
③京王井の頭線 渋谷→駒場東大前(2分)
途中の乗り換え時間や徒歩の時間を考えると、40分程度です。
このルート、地図で見てみると分かるのですが、まっすぐ南下できればすぐ到着するところを路線の関係上東側に大回りしています。自動車での移動で検索してみると25分という結果が出ます。
山手線の外側、西の方は東西に走る鉄道は多いのですが、南北の移動がしにくいのが原因です。総計40分程度であれば大学への通学時間としてはそれほど長くはありませんが、こういったことは都心から離れるとよく起こりますので留意しておきましょう。
→地図上だけではなく、実際に通うときのルートで時間を確認してみましょう!
CASE3.大学4年間でキャンパスが変わる
芝浦工業大学は学部によっては1・2年生のときと3・4年生のときでキャンパスが変わります。
工学部1・2年生時は「大宮キャンパス」です。最寄り駅はJR宇都宮線「東大宮」(埼玉県さいたま市)ですが、3・4年生になると「豊洲キャンパス」に通うことになります。最寄り駅は東京メトロ・ゆりかもめ「豊洲」(東京都江東区)です。
こちらの2つのキャンパス自体が40km近く離れていて、移動しようと思うと電車で1時間40分くらいかかります。
つまり自宅から通おうと思うと、(丁度中間地点に住んでいる人以外は)大学生活の前半か後半は遠いキャンパスに通うことになります。もしくは半分の期間だけ一人暮らしをする人もいると思います(寮もあります)。
この大学のように、大学生活の途中でキャンパスが変更になる大学は多いです。
自分の志望校がどういう決まりになっているのかはしっかり調べておきましょうね。
※大学のWEBサイトだけでは学部や学年とキャンパスの対応が分かりにくいことも多いです。気になる学校はパンフレットを取り寄せたり説明会に行ってみたりしましょう。
調べている間の「予想外」はどれだけあっても良いですが、受験する際や合格した後の「予想外」は無い方が良いですよね。だから......
→志望学部のキャンパスをしっかり所在地や行き方、対応学年まで調べましょう!
地理的な条件を決めたら、次に以下のような観点で考えてみましょう。
やりたいことで選ぶ
これが一番分かりやすい選び方です。
将来なりたい自分を思い浮かべましょう。具体的な職業を思い浮かべられるなら学部などを選びやすいですね。仕事よりもライフスタイルを重視したいというのも立派な考えだと思います。その場合は、たとえば拘束時間の長くない職業に就きたいだとか、夜遅くならない職業に就きたいなどの希望が出てくると思いますので、そこに合わせていくのが良いのでは無いでしょうか。
そうした夢の実現に繋がる「学部・学科」「学校」を選んでいきましょう。
学びたいことで選ぶ
将来のことはまだ分からないけれど、専門的に勉強したいことは決まっているという人も多いかと思います。学びたいことを学びながら、それを活かせる将来について大学で考えていくのも良いでしょう。
そういった場合は、「学部・学科」といった学ぶ内容を中心に選んでいくことになります。
ここで知っておきたいのは、実は「学部を横断した講義の受け方ができるケース」は結構あるということです。
経済の勉強をしたいから経済学部だけ目指すというのが通常の考え方かと思いますが、実は受けられる講義を見ていくと、法学部や経営学部でもかなり近いことが学べたりするケースも多いのです。
選択肢は広く持てる方がのちのち有利ですので、この視点も忘れないでくださいね。
学校で選ぶ
学部・学科よりも学校を優先する考えもあります。
4年間学ぶ環境が自分の好みであるということももちろん重要ですが、以下のような観点も持っておくと良いです。
どういった学校に在籍しているかで積める実績や就職へのサポート体制が変わりますし、どういった学校を卒業するかで就職活動に影響が出るのです。
そして、就職に有利ということは自分に選べる選択肢が多くある状態ということになりますので、上で書いた「なりたい職業」「選びたいライフスタイル」に関しても手が届く可能性が高くなるのです。
今回は地理的条件→やりたいこと/学びたいこと/学校という選び方を紹介しましたが、「絶対にこの学校に行きたい!」という強い思いがあれば当然それが軸になっていくと思います。
とても珍しい学部を有している大学があります。たとえば千葉県の明海大学には「不動産学部」、京都府の京都精華大学には「マンガ学部」といった他に類を見ない学部が存在します。
「航空」や「海洋」について学べる大学は限られていますし、生物は生物でも「古生物」について学べる学科、歴史の中でも「アフリカ史」について学べる史学科はごくわずかです(専門に研究している教授がいるかどうかにかかってくるような分野もあります)。
地理的な条件を覆して大学を選ぼうというのは相当強い動機があると思います。フリーステップはそんな皆様も合格に近づくよう後押しします!
フリーステップ・代ゼミサテライン予備校で皆さんの明るい未来に向けて歩んでいきましょう!!
<文/開成教育グループ 教育技術研究所 小川真史>