2020/07/10

関東関西有名中学入試問題分析【夏の実践的な過ごし方 ~後半期の学習アドバイス篇~】

中学受験に限らず「夏を制する者は受験を制する」とよく言われます。もちろん、中学受験を目指す皆さんにも、この夏いっぱい勉強をして欲しいと思いますが、今年も厳しい暑さが予想されるなか、毎日、朝から夜まで勉強漬というのは、小学生にとって、体力的にも精神的にも現実的ではありません。

体力的にも精神的にも余裕をもって、効果的に夏の学習を進めるために、期間ごとの過ごし方を中心にお届けしたいと思います。

※学校休校期間の関係で、今年は夏休みが短縮される可能性があります。このコラムは例年通りの夏休みを踏まえた内容となっていますが、7月後半から8月中に小学校の授業がある場合も参考になるようにしました。

【小6生は実践的な問題にチャレンジ】

いよいよ後半期。小6生の場合は志望校の入試過去問や9月受験予定の模試の過去問を解き始めてみましょう。今までは単元ごと、テーマごとに学習をしてきましたが、入試問題や模試は各単元がランダムに出題されます。ランダムな出題形式に慣れると同時に、間違えた問題の単元の復習や覚え直しを進めます。新しいテキストや問題集を使うよりは、今までに学習をしてきたテキストや問題集から、過去問のなかで思うように解けなかった問題の単元の確認をし、類題を数多く解き進めていくのです。補強ポイントの確認や類題選定は、夏期講習授業時に担当講師と相談をして決めましょう。

【小6生以外は単元別復習の徹底を】

他方、非受験学年の場合は、引き続き単元ベースの学習を進めることが中心となりますが、通年用のテキストを使った学習であれば章末問題を使った復習学習をおすすめします

後半期を夏期講習の授業が再開される8月17日から8月31日と考えると、日曜日を除くと13日間あります。その13日間に1学期と前の学年で学習をした単元の章末問題を進めて、今までに習った内容の総チェックを進めるのです。

例えば『小学ウィンパス(算数)』というテキストを使用する場合、各章の章末には「まとめのテスト」という章末問題が掲載されています。小学5年生で、夏休み前までに『小学ウィンパス(算数5年)』の第5章まで学習を進めたとします。

≪夏休みに復習するペース≫

〇『小学ウィンパス(算数4年)』全13章の「まとめのテスト」13個

〇『小学ウィンパス(算数4年)』の「総仕上げテスト」

⇒1日2個ずつ 計7日間

〇『小学ウィンパス(算数5年)』の5章までの「まとめのテスト」4個

⇒1日1個ずつ 計4日間

合計11日間で4年生からの算数学習範囲の総チェックを進めることができます。「まとめのテスト」のなかで特に解けない問題、間違えた問題が多かった単元については、夏期講習の授業の学習テーマとして、この夏のうちに補強を進めましょう。

【夏の一日の過ごし方 重要なのは朝!】

夏、最も学習がはかどる時間帯は朝です。そこで、夏の朝学習の進め方を紹介しておきます。

通常の時期より早起きをして、午前6時までには起床をして、学校の有無に関わらず、午前7時30分頃まで朝学習を進めましょう。

では、朝の時間帯にはどのような学習が効果的なのでしょうか。具体的には教室チーフに相談して学習内容や使用教材を決めて頂きたいと思いますが、私のおすすめは、思考力を"程よく"使う項目の学習を朝に進めることです。算数であれば計算問題や文章題、図形問題の中でも基本的な問題(いわゆる一行問題と呼ばれる問題。)、国語であれば比較的短い文章を読ませたうえでの短め(20字程度)の記述問題、理科であれば重さ・化学反応・天体分野の計算問題です。

あくまでも"程よく"頭を使う問題であることがポイントです。この時期の朝学習の目的は、暑さが厳しくなる前の時間帯に思考力を鍛えることと同時に、一日の学習の良いスタートとリズムをつくることにあります。一問を解くために長時間を費やす必要のある問題を朝からいくつも解くと、朝学習だけで疲れてしまい、その後の時間帯の学習に悪影響が出やすくなります。

≪朝学習の一例≫

午前5時30分 起床(もちろん、就寝時間は早めに)

        ↓ 着替えや軽い飲食

午前6時    算数の学習(30分間)

午前6時30分 ラジオ体操

午前6時50分 国語または理科の学習(30分間)

お盆休みの期間を含めて、7月20日から8月31日までの43日間。この43時間の朝学習により、時間数以上の充実感と実力のレベルアップを感じることができるはずです。

このように一日の中でも効率よく学習できる時間帯を有効に活用することで、成果は飛躍的に変わります。ぜひ皆さんも参考にしてみてください。

いかがでしたでしょうか。夏の学習成果が残された受験までの期間での成績の伸びにつながります。例年とは異なる環境ですが、目標に向けて、ブラさず努力してほしいと思います。

<文/開成教育グループ フリーステップ修学院教室チーフ 住本正之>

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