2025/10/20

中学生・高校生の違いを知ろう!【生活習慣編】~高校生になるとここが変わる!~

 中学校と高校では、勉強だけでなく毎日の過ごし方も大きく変わります。通学が電車になったり、テスト科目が増えたり、部活動が週6日になったりと、高校ならではの新しい生活リズムができていきます。【学習内容編】では学習面に注目しましたが、今回は生活面に焦点を当て、高校生になるとどんな変化が起こり、それが学習スタイルにどうつながるのかを紹介します。

INDEX

■日常生活と時間の使い方の違い
 通学時間
 自習時間と学習の主体性
 定期テスト
 補習・補講・模試
 部活動と学校行事
■進路選択と未来への影響
■中学と高校生活の違いのまとめと総括

■日常生活と時間の使い方の違い

 高校生になると、通学時間が長くなったり、課題や予習が増えたり、定期テストの科目数も一気に増えます。さらに補習や模試、部活動などで毎日の時間の流れは大きく変化します。ここでは、そうした生活の変化を場面ごとに詳しく見ていきましょう。

通学時間

 公立中学校の場合、通学先は住んでいる地区によって決まるため、徒歩や自転車で比較的短時間で通う人が多いでしょう。一方、高校は自宅からの距離だけでなく、学力や興味のある学科などを考えて選ぶことになるため、進学先は人によってさまざまです。その結果、長距離の通学が必要になる場合も多く、電車やバスといった公共交通機関を利用する人の割合が増えます。

 通学時間が長くなると、その分、一日に自由に使える時間が少なくなったと感じるかもしれません。そこで工夫したいのが、電車やバスに乗っている間の「移動中の空き時間」の活用です。1日10分からでもよいので、英単語や古文単語を覚える、教科書を読み返して予習・復習をするなど、気軽にできる学習に取り組むのがおすすめです。たかが10分、されど10分。毎日続ければ1か月で300分=5時間分の勉強時間になります。

 毎日の通学をただの移動にせず、半ば強引にでも学習につなげる習慣を早めに身につけておくことが、高校での学力を伸ばすカギになります。

〈移動中の空き時間の活用例〉

  • その日の授業で使う教科書を読み返す
  • 英単語帳・古文単語帳を開いて、1日20個など目標を決めて覚える
  • 単語帳についているCDやアプリを使って英単語の音声を聞く
  • 数学の問題集を開いて、基本計算の解法がすぐに浮かぶか確認する

 

自習時間と学習の主体性

 中学生のときは、宿題さえしっかりこなしていれば授業についていけることも多く、受験直前期になって初めて自ら積極的に学習時間を確保し、受験勉強を始めるという人も少なくないかもしれません。

 しかし高校生になると状況は大きく変わります。【学習内容編】でも触れたように、授業によっては毎日の課題に加えて予習まで求められることもあり、それを怠ると授業の理解が浅くなったり、内容についていけなくなったりします。つまり、中学では「出された宿題をこなす」ことが中心だったのに対し、高校では「自分で時間を確保し、主体的に学ぶ」姿勢が欠かせないのです。

 さらに、高校生活は将来の進路と直結します。中学生の場合、進路の多くは高校進学に限られますが、 高校生になると大学・短期大学・専門学校・就職など選択肢が一気に広がり、そのために必要な準備も人によって異なります。例えば資格の勉強を進めたり、指定校推薦を狙って1年生から成績を意識したりと、「誰かに言われたからやる」のではなく「自分の未来のためにやる」という姿勢が重要になります。特に指定校推薦と呼ばれる入試制度では、高校1年生から3年生の1学期までの成績が評価対象になるため、この制度を利用したい人は早めの対策を心がける必要があります。

 では、具体的に自習をどう進めればよいのでしょうか。

  • その日の授業の復習を必ず行う

→学んだ内容をその日のうちに確認すると理解が定着します。

  • 反復学習を取り入れる

→1回で覚えようとせず、数日おきに同じ内容を繰り返すと記憶が長持ちします。

  • 定期テストから逆算して計画する

→テスト日から逆算して「1日で進める分量」を決めて取り組むと、直前に慌てることがなくなります。

  • 暗記は目標を明確にする

→例えば単語帳なら「1か月で300語覚える」と決め、毎日10語ずつ取り組みます。

 このように、高校での学習には「時間の確保」と「主体的な工夫」の両方が欠かせません。日々の小さな積み重ねこそが、希望する進路に進むための大きな一歩となるのです。

定期テスト

 中学での定期テストと高校での定期テストの一番の違いは、やはり科目数です。一般的な公立中学校では、中間テストは英語・数学・国語・理科・社会の5教科が2日間にわたって実施され、期末テストでは5教科に加え、保健体育・技術家庭科・音楽・美術などの副教科を含めて3日間で行われることが多いでしょう。

 一方、高校になると状況は大きく変わります。例えば数学は「数学Ⅰ」と「数学A」に分けられ、理科は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」といった複数の科目に細分化されます。それぞれの科目ごとに定期テストが実施されることもあるため、中学に比べて定期テストの科目数が増えるのが一般的です。その分テスト期間も長くなり、勉強量も大幅に増えることになります。

 さらに、高校の定期テストは1年生から非常に重要です。定期テストの点数は学校の成績に直結し、その成績は推薦入試などの大学入試で利用されるため、3年後の進路に大きな影響を及ぼします。さらに、定期テストで低い点数を取ると「赤点」や「追試」、場合によっては「留年」といった厳しい措置を受けることもあります。授業で習った内容をその都度しっかり理解し、普段から復習を積み重ねる習慣を身につけておかないと、3年間での卒業さえ難しくなる可能性もあるのです。

補習・補講・模試

 高校では、通常の授業以外に「補習」や「補講」と呼ばれる授業が行われることがあります。その概要は学校やコースによって異なり、学習の理解が不十分な部分を補うために行われる場合もあれば、大学受験を見据えてより発展的な内容を扱う場合もあります。いずれにしても、通常授業を補強・強化する目的で設けられている点が特徴です。主に放課後や夏休みなどの長期休暇に実施され、強制参加の場合と任意参加の場合があります。

 また、高校生活では模試(模擬試験)が学校行事に組み込まれていることも珍しくありません。時期や種類によっては、全員が必ず受ける模試もあります。中学生のときにはそれほど身近でなかった補習や模試も、高校では学習の一環として避けられない存在となり、将来の進路に関わる重要な機会となるのです。

部活動と学校行事

 中学のときと比べると、高校の部活動は一段と忙しくなります。日本スポーツ協会の2021年の調査によると、週に11時間以上活動している割合は中学生では41.9%ですが、高校生では74.2%にまで増えています。さらに、休養日が週0日または1日しかない人の割合も、中学生の19.3%に対して高校生は59.2%と大きく上回っています。こうした数字からも、高校の部活動は拘束時間が長く、生活の大部分を占めるようになることがわかります。

画像1.jpg  さらに高校生活では、体育祭や文化祭、修学旅行などの学校行事も規模が大きく、準備や練習に多くの時間を使います。行事に全力で取り組むことは仲間との絆を深めるかけがえのない経験になるため、勉強とのバランスを崩さない工夫が欠かせません。

 高校生活は部活動や学校行事で忙しくなりますが、だからといって勉強をおろそかにしてよいわけではありません。「今日は疲れたから明日にしよう」と予習や復習を先延ばしにすると、その積み重ねが学習習慣の乱れにつながります。両立のためには、毎日机に向かう習慣を持ち、やるべきことを計画的に決め、短時間でも集中することが大切です。疲れているときこそ「復習を10分だけ」「単語を5個だけ覚える」など、小さな目標を設定して取り組むことがポイントです。「やるべきことは最低限やる、休むときはしっかり休む」とメリハリを意識すれば、無理なく勉強と部活動を両立できます。

 

■進路選択と未来への影響

 高校から先の進路は、中学とは比べものにならないほど多岐にわたります。大学・短期大学・専門学校・就職といった道があり、それぞれに選択肢が広がっています。例えば大学進学ひとつをとっても、国公立大学か私立大学か、学部・学科・専攻・コースの違い、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般入試といった入試方式、必要な科目や資格など、考えることは実にさまざまです。将来やりたいことから進路を考える方法もあれば、学びたい分野や取得したい資格から逆算して選ぶ方法もあります。「まだ先のこと」と思わずに、自分の将来について少しずつ考えていくことが大切です。疑問や不安があれば、保護者や学校の先生、塾の先生など、身近な大人に相談してアドバイスをもらいましょう。

 また、高校ではクラス分けが文系・理系や選択科目によって決まる場合があり、この選択は大学受験や将来の進路に大きく影響します。大学や学部によって必要な受験科目は異なるため、選択する際は将来の進路を十分に考慮していく必要があります。特に文理選択は高校1年生の秋までに行う必要があるため、早い段階で「自分は将来何をしたいのか」「大学でどんなことを学びたいのか」「どんな資格やスキルを身につけたいのか」「グローバルに活躍したいのか」などを考える時間をもつことが重要です。

 このように、高校生活では学習や部活動と同じくらい「将来を考える時間」を意識的に取り、主体的に選択していくことが求められます。

 

■中学と高校生活の違いのまとめと総括

 いかがでしょうか。ここまで見てきたように、高校へ進学すると通学や課題、予習、定期テスト、補習、模試、部活動、そして進路選択まで、生活スタイルが大きく変化します。中学と比べて自由度が増える分、自分で時間を管理し、主体的に学ぶ姿勢が求められるのが高校生活の特徴です。忙しい毎日の中でも将来を見据え、勉強と部活の両立、進路への準備を少しずつ積み重ねていくことが、高校生活を豊かにする大切なカギとなります。

 フリーステップでは、部活動で帰宅が遅くなる高校生に合わせて、柔軟な時間割を組んで通塾できるようにしています。さらに、進学情報誌やガイダンスでの最新情報の提供、教室責任者との進路面談など、将来を見据えた学習と進路選択を支える体制も充実しています。日々の学習と将来の準備をバランスよく進め、実りある高校生活を一緒に築いていきましょう。

 

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>

 

 個別指導学院フリーステップでは、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの学習プランで、目標達成を強力にサポートします。経験豊富な講師陣が、生徒の「わかる」を「できる」に変え、志望校合格へと導きます。

お問い合わせはこちらから▶フリーステップHP