2023/03/20

【新高1生対象】高校進学後の学習アドバイス

高校入試を終えた新高1生に向けて、春休み期間と高校進学後の学習においてやるべきことをこの記事ではお伝えします。高校生活を前向きに過ごしていくためのポイントを知ることができますので、ぜひ実践してください。

1.高校入学後の最初のテストで成績上位に入ることを目指そう!

地域の生徒が通う中学校とは違い、高校入学時点では同じレベルの生徒が集まるため、成績は横一線です。そのため、中学校の成績が上位であった人は勉強を怠ると成績が下がってしまう可能性がありますし、逆に下位であった人は上位になることができるかもしれません。気を付けておくべきことは、高校入学時点は成績がほぼ横一線だったのが、1学期の間で成績上位者と成績下位者との二極化が進んでいくということです。そして、この高1生の最初に出た成績から、ほとんど変わらないまま高3生まで推移していくケースが多いのです。

◆なぜ二極化するのか?

入学時点では同じぐらいの学力なのに、なぜ1学期の間で成績の二極化が進むのでしょうか。高校の勉強は中学校と比べると、教科数が増加し、内容も難しくなり、進度も速くなります。テスト前だけの勉強では全ての教科を仕上げることが難しい(間に合わない)ことが多く、求められる勉強の質も量も中学の時より増えます。しかし、入試が終わると、多くの生徒は受験生であった中3生の時に比べて勉強習慣や時間が大幅に減らしてしまいます。その結果、高校入学後に思ったような成績が取れなくなるのです。

今回は3人の学習状況を例にして見ていきましょう。3人は同じ中学校から同じ高校に合格しています。そして、高校入学前、入学後、テスト前の3項目で学習状況を比べています。

高校入学前

高校入学後

テスト前

Aさん

中学で学習したことの復習をしている。また、英語と数学の予習をしている。

予習復習を計画的にしている。

テスト勉強は2週間前から計画的にしている。

Bさん

中学で学習したことの復習をしている。

予習復習は時々している。

テスト1週間前に勉強を始める。

Cさん

何もしていない。

学校からの課題のみしている。

テスト前日に始める。

この3人のテストの結果はどうなるでしょうか。おそらくAさんは成績上位に入り、Bさんは中間層に、Cさんは下位層になるでしょう。皆さんの中には、最初のテストで上位に入ることができなくても次のテストで取り返せばいいのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、最初のテスト順位は最後まであまり変化することがありません。そのため、スタートダッシュは肝心です!

◆それならAさんのようにしないと高校では勉強についていけないの?

そんなことありません!もし、この記事を読んでいる方で、もし勉強をあまり計画的にしてこなかったという人も、これから効率よく勉強していくことで必ず成績は飛躍します。部活動をしていたり、遠い学校に通っていたりすると中々勉強の時間を確保することは難しいと思います。もちろんAさんのような行動が理想ですが、Bさんのような人も定期テストの2週間前から勉強するという行動の変化をするだけで成績は上がっていきます。Cさんのような人は「何をやったらいいのかわからない」「面倒くさいし時間がないからやらなくていいや」となってしまっていることが多いです。そういう人は目の前の学校の課題を○○時までに必ずやる!と決めて取り組めば予習と復習を行っていることに近いことなので、まずそれから頑張ってみましょう!

◆どうして最初のテスト順位は最後まであまり変わらないの?

初めてのテストはその後のテストの目標を立てるための基準となります。最初のテストで10位以内だった人は次の目標は最低でも10位以内に入ることになると思いますし、平均くらいだった人は平均以上という目標になります。下から10番以内の人であればそこから抜け出すことが目標になります。したがって、最初のテストの成績によって、無意識に「校内での成績の立ち位置」を自ら決めてしまう可能性が高いのです。

また、人は現状維持バイアスといって、何かしらの選択をする際にはたとえ良い変化となりそうな選択肢があっても、慣れ親しんだものを選んでしまいがちです(現状から変化を起こすのって勇気と覚悟がいりますよね)。ですから、学力が横一線状態で新しい環境となる高校入学前・入学後すぐは、無理なく自分の学習習慣をよくできる絶好の機会なのです。

そこで、今から入学後のテストまでにこれだけはやるということを「1つ」やることを決めましょう!オススメのやっておいたほうがよいことを次にご紹介します。

2.どうしたら上位の成績を取ることができるの?

◆予習と復習をしよう!

高校では中学校とは異なり、科目数が増えテスト日程も増加します。そのため、テスト前に焦って勉強を始めても間に合わないことがほとんどです。そのため、常に予習と復習をして、大事なポイントは押さえておくことが重要です。予習の詳しい方法は「高校生になるとここが変わる~中学生・高校生の違い【学習内容編】~」を見てください。

◆少ない時間で質の高い勉強をするにはどうすればいいの?

高校では中学よりも科目数が増加することに加え、通学時間も伸びるため自由時間が減少します。さらに部活動を頑張っている人は土日も練習や試合などで忙しくなるでしょう。そのため、良い成績をとるためには効率よく勉強する必要があります。そこで、1週間ごとのスケジュールを立てることをおすすめします。スケジュールを立てることで何をしなければならないかを明確にでき、いつまでに予習や復習をする必要があるのかを整理することができます。ポイントは毎日スケジュールを詰めるのではなく、調整日を作ることです。

なぜ調整日を作るのが大切なのか?それは1週間単位での勉強スケジュールを無理なく進めていくためです。例えば、月曜日にどうしても勉強が思うようにすすまなかったとします。その場合は、残りのやることを調整日である水曜日にやっておくことで、1週間単位で見ると予定していた勉強が予定通りにできていることとなります。月曜が思うようにいかなかったからといって「今日できなかったな。もうやらなくていいや。」とならなくてすみますよね。そして、勉強を毎日しなければならない!と思うと、逆にやりたくなくなってしまうこともあると思うので、月曜日と火曜日頑張ったら水曜日は好きなことができる!という風にモチベーションを保つことができます。

まずは、下の表のように、月の目標を立てたうえで曜日ごとに勉強時間(予習・復習)を設定してみましょう。何時から何時まで勉強する!と決めておけば習慣になりやすいです。慣れてきたら日ごとに何を勉強するのかを具体的に計画しましょう。勉強が予定通りできた日はカレンダーにシールを貼ったりすると達成感も得ることができます。

1週間のスケジュールの例 ~「いつ」「何をするのか」の行動目標を決めよう~

4月の目標:予習・復習を1日2時間する!

帰宅~夕食前

寝る前

英語の予習【次の授業でやる範囲のわからない単語を調べる】

数学の復習・課題【学校で出されている課題と授業でわからなかった(間違えた)問題の解きなおしをする】

帰宅~夕食前

寝る前

学校からの課題

英語の復習【単語は予習で調べているので復習では全文訳を自分の力でやってみる】

調整日

月、火にできなかったことをする

帰宅~夕食前

寝る前

英語・数学の予習・課題

帰宅~夕食前

寝る前

英語・数学の復習・課題

帰宅~夕食前

寝る前

数学の予習・課題

調整日

木、金、土にできなかったことをする

高校の授業では、英語・数学の授業がほぼ毎日のようにあります(学校のカリキュラムにもよりますが)。そのため、英語と数学は定期テスト範囲が広くなりがちですので、高校1年生のうちは、この2教科だけは優先して勉強するようにしましょう。英語はせめて英単語を調べること、数学はわからなかった点を見直して疑問点はチェックつけておく、といったことだけするのは習慣づけておきたいですね。さらに、英語・数学のうち特に得意な科目から先に取り組んで勉強の習慣をつけやすくするのもおすすめです!得意な科目なら「よし、やってみよう」という気になりやすいですよね。もちろん、もっと全体の成績上位にしておきた人は英語や数学だけでなく他の科目も上記のスケジュールに組み込んで勉強していきましょう。

そして、勉強時間は開始と終了をいつにするか決めてその時間は集中して取り組んでください。自分にとって集中できる時間はどこだ?というのを、4月のうちに試しておくとよいですね。また、調整日のつくり方としては英語や数学が次の日にないときに設定することが一番理想ですが、習い事がある日など時間に余裕がない日にすることもいいでしょう。

いかがでしたでしょうか。高校入学後の最初のテストで成績上位をとることが大切です。まずは、高校入学前から高校入学後の4月で、勉強のスケジュールを決めて実行する練習をしておいて、高校の勉強についていける状態にしましょう!

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>