2021/01/11
【中学受験保護者対象】入試直前期の過ごし方
入試直前期は過去問題を使った実践的な演習が対策の中心となります。前回、「【中学受験保護者対象】過去問題集の活用法」で過去問題の効果的な使い方を紹介しました。今回は入試直前期の過ごし方を『勉強面』と『生活面』からみていきましょう。
※細かな点で判断できないことは塾の先生など中学入試問題の専門家にきくことをお勧めします。
勉強面:復習を中心とした演習
直前期は「新しい問題を解く」よりも「今まで解いた問題の復習」を重視することをお勧めします。
理由は2つあります。「今まで学習したことを確実に得点につなげるため」と「自信をつけるため」です。
この時期になると「見たことがない問題」よりも「どこかで見たけど思い出せない」という問題が増えてきます。この「どこかで見た」を確実に点数化できれば合格点に着実に近づきます。また、短時間で正確に正解できるようにもなっていきます。そういった確実に知識の定着ができているという手ごたえは自信につながります。どんなに準備をしていても試験本番に向かうにつれて、「合格できるだろうか」という不安を誰でも抱きます。このような時期に避けたいのが、難問を多く解くことによって、解けない、わからない問題に数多く出会うことです。入試直前期に新しい問題を解くのは受験予定中学校の過去問題のみで十分です。
ただし、復習する際に入試直前期特有の注意点が2つあります。1つは復習する単元を絞り込むことです。すべての単元や分野を復習する時間はありませんので、過去問題の演習と結果分析を参考に、頻出単元かつまだ得点が十分伸ばせる単元など選んで復習することをお勧めします。(詳細は前回配信の「【中学受験保護者対象】過去問題集の活用法」をご覧ください)2つ目の注意点はどのような問題であっても、問題として解きなおしをする場合、時間制限を必ずつけることです。入試直前期は「正解すること」に加え、「制限時間内」という条件を満たすことでより実践的な復習ができます。また、手が止まる問題に必要以上に時間をかけないので、効率良く問題にあたっていくことができます。
その他、教科別に「得点力を確実につける」「自信をつける」を目的に見直しておきたいポイントを簡単にご紹介します。
算数:計算練習
毎日、10分~15分間でいいので時間を測って計算練習を行いましょう。問題は今まで使ってきた計算練習帳や問題集の中の計算問題をやり直すのがお勧めです。
国語:漢字などの知識の確認
漢字の読み書きをはじめ、四字熟語や慣用句、ことわざ、国語文法などは考えても解けませんが、覚えれば確実に得点できる部分です。今まで覚えてきたものが確実に覚えられているか再確認をしましょう。
理科及び社会:重要語句などの知識の再確認と時事問題対策
これら2科目は算数・国語と比較すると、重要語句などを正確に理解して覚えられているかが得点力に直結する科目です。したがって、重要語句などの見直し・再確認を行うことがお勧めですが、注意点として全範囲の見直しは時間的に難しいため、必ず受験予定中学校の出題傾向と過去問題の解答結果分析から単元の絞り込みを行って復習しましょう。
また、理科・社会では11月頃までのニュースが時事問題として出題されることが多くあります。過去問題を見て時事問題の出題がされていれば、その年の1月から11月頃のニュースで理科や社会の学習内容と関係するものを見直しておき、特に話題になっている語句は覚えておく必要があります。
フリーステップでも冬期講習をはじめ直前期には、過去問題の演習を通して各生徒に必要な単元の絞り込みを行い「あと1問」をとることができるような対策をしています。時事問題に関しても毎年11月ごろに行っている進路ガイダンス「中学受験ガイダンス入試直前回」で予想される項目を説明したり、授業の中で時事に関わる知識の補充を行ったりしています。
生活面:生活リズムの管理
何よりも大切なのが体調管理です。持てる力を最大限に発揮するために重要なのは、「入試が行われる時間帯に頭をフル回転させられる」ことです。朝型の生活に切り替えて、入試本番の試験開始3時間前に起床する習慣をつけていきましょう。また、夜は勉強が残っていても、時間を決めて早く寝ることが成績向上につながります。寝ることで記憶が長期記憶に移行して寝る前に覚えたことを定着させることができます。反対に、睡眠不足では、起きていても脳内に睡眠誘発物質が生成されて、頭の働きが鈍ってしまいます。さらに免疫力も低下して風邪を引きやすくなります。早く寝る分、残った勉強は翌朝にまわしましょう。無理をしない勉強プランを立てることも重要です。ポイントは起床時間と就寝時間を一定に決める、保つことです。
その他、体調管理についてできる限り万全に受験を乗り切れるようにするためのポイントを以下にまとめてみました。
生活習慣チェック
□寝る時間と起きる時間を一定に保つ(夜型勉強から朝型勉強への切り替えも行う)
□食事をしっかりとり、栄養のあるものをバランスよく食べる
□帰宅時には手洗い、うがい、手指消毒を欠かさない
□人と接触するところではマスクを着用する
□体調が悪いときは無理をしない
□不要な外出は控え、換気を定期的に行う
新型コロナウイルス対策としては以下の厚生労働省のHPの『感染リスクが高まる「5つの場面」』を確認し、ご家庭での生活、お子様の生活をあてはめてみて、特に注意しなければならない場面がいつか、ということを保護者の方、お子様とも共有した上で感染予防に努めるようにしましょう。 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
<文/開成教育グループ 個別指導部 教育技術研究所>