2022/07/19
生活と音楽【第2回】-夏休みに作曲してみよう!(前編)-
長い夏休み、いつもと少し変わったことに挑戦してみたい!という人もいるのではないでしょうか?夏休みの課題で作曲の宿題が出て、困っている人もいるかもしれません。
今回は、音楽の基本から、簡単な作曲方法を紹介します!
楽譜の基本を知ろう!
音を簡単に読むには?
まず、作曲をして楽譜に書き起こす前に、楽譜の基本を知っておきましょう!楽譜の左端には必ず、「ト音記号」「ヘ音記号」と言われるものがあります。これを手掛かりに音を読んでいきます。
下のピアノの鍵盤を見てみましょう。一番高い音から一番低い音まで、ピアノの鍵盤は88鍵あると言われていて、右に行くほど音が高く、左に行くほど低くなります。一般的に、緑の線から右の音は「ト音記号」、緑の線から左の音は「ヘ音記号」で書かれます。「ト音記号」と「ヘ音記号」があることでより幅広い音域で音楽を作ることができます。
下の楽譜を見てみましょう。
上の左端の記号が「ト音記号」で、〇の部分が「ト(日本音階=ハニホヘト...)」にあたり、これはイタリア音階(私たちが普段耳にしている音階。ドレミファ...)でいう「ソ」に当たります。これを基準に楽譜を読んでみましょう。下の左端の記号が「ヘ音記号」です。〇の部分が「へ(日本音階)」にあたり、これはイタリア音階でいう「ファ」にあたります。
鍵盤で見てみると、この楽譜だけで、思っていたより幅広い音域が演奏できると思った方もいるのではないでしょうか?
「ト音記号」から読み取った「ソ」の音や「ヘ音記号」から読み取った「ファ」の音と、基準になる「ド」の音、読みたい音や書きたい音から近いほうから数えていくと、音を読んでいくことができます。
「調」ってなに?
「ト音記号」と「ヘ音記号」を知ったところで、楽譜の基本をもう一つ知ってみましょう。
「ト音記号」と「ヘ音記号」の隣には「拍子記号」と呼ばれるものと「♯(シャープ)」「♭(フラット)」がついています。「拍子記号」はその曲のリズムの区切りのようなものを決める記号です。「拍子記号」に関しては、第1回で説明しているのでまた見てみてください!
▶第1回はこちら
今回は「♯」と「♭」について取り上げてみようと思います。「♯」がついている音は半音高く、「♭」がついている音は半音低くします。
この楽譜の「♯」の位置を見ると、「ファ」と「ド」の音に「♯」がついているので、「ファ」と「ド」の音を半音上げて、この楽譜の通りに弾いてみると...
ではこの「♯」を無視して、「ファ」も「ド」も半音下げずに弾いてみると...
このように、「♯」と「♭」が楽譜ではついているのに、実際つけずに演奏すると、とても違和感のある音楽になってしまいます。
そしてこの「♯」と「♭」は、その曲の「調」を決める記号です。どんな音楽にも必ず、「調」というものがあります。簡単に言うと、その曲の主な音階のことで、その曲の雰囲気を大まかに作るものです。「ハ長調(♯♭なし)」であれば素朴な感じ、「ト長調(♯1つ)」であれば活発な感じ、「へ長調(♭1つ)」であれば柔らかい感じというように、それぞれ性格が決まっていて、曲にあった「調」を選んで作曲していきます。「♯」と「♭」の数で、「調」は決まっているので、覚えてしまっても楽かもしれません。
前半では、楽譜の基本を紹介しました。
今回紹介した、「ト音記号」や「ヘ音記号」、「調」などは、作曲をするためだけではなく、音楽には必要不可欠な要素です。みなさんが日ごろ、親しんで聴いている曲にももちろん使われているものです。
これを踏まえて、後半では早速、作曲に取り掛かっていこうと思います!
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<文/開成教育グループ 個別指導部フリステウォーカー講師編集部:隅田佳乃>