2022/11/14

関東 受験・進学情報だより【SSH・SGHを知っていますか? SSH編】

皆さんこんにちは。

今回は高校についてのお話です。SSHSGHという言葉、聞いたことがありますか?
それぞれ、以下の略称になっています。
SSH
Super Science Highschool(スーパーサイエンスハイスクール)
SGH
Super Global Highschool(スーパーグローバルハイスクール)
名前を聞いただけでなんか凄そう! と思うかもしれませんが、これらSSHSGHは言葉のとおり、理数系や国際教育に力を入れていてそれが国から認められたような高校のことなんです。
今回はSSHについて詳しく見ていきましょう。

▼index

SSH:スーパーサイエンスハイスクールとは?

SSHにはどんな特徴があるの?

どんな学校がSSHに選ばれるの?

どんな学校がSSHなの?

まとめ

SSH:スーパーサイエンスハイスクールとは?

スーパーサイエンスハイスクールとは、文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことです。2002年度に開始されました。
SSH
の目的は「高等学校及び中高一貫教育校における理科・数学に重点を置いた高レベル教育カリキュラムの開発、大学や研究機関等との効果的な連携方策による研究推進と、将来的に有為で突出した科学技術系人財の育成に資する」とされています。つまり、理系科目で質の高い教育を行うことで将来の科学技術の発展に貢献できるような人材を育てられる学校を支援しますよ、ということですね。
たとえばノーベル賞で、近年でも生理学賞や物理学賞を日本人研究者が受賞して大きなニュースになっていますね。科学技術の発展は、日本の国益となるのはもちろん、人類全体の利益にもなります。こうした分野に貢献できる優れた人材を育てようという事業の一環なんですね。

 

SSHにはどんな特徴があるの?

SSHに選ばれた学校では、

  • 学習指導要領によらない教育課程:理科・数学に重点を置いたカリキュラム
  • 大学や研究機関等と連携:大学で授業を受講、大学の教員や研究者が授業を行うことも
  • 論理的思考力、創造性や独創性等を高めるための指導
    テーマに基づいた研究と、その成果を発表する場
  • 科学クラブ等の活動の充実
    各種のコンテストなどへの積極的な参加
  • トップクラスの研究者や技術者等との交流や先端技術との出会い、全国のスーパーサイエンスハイスクールの生徒相互の交流など

といった、他の高校には無い特徴があります。

因みに、SSH指定校には指定期間が存在します。原則として5年間です。

 

どんな学校がSSHに選ばれるの?

国立研究開発法人 科学技術振興機構 次世代人材育成事業のウェブサイトによりますと、「SSHの指定校となるには、高等学校・中高一貫教育校は、文部科学省に設置機関経由にて、応募し採択される必要があります。」とのことです。
ということは、既に理数系の教育に実績や自信のある学校が自ら応募するということですね。
その上で、指定校の選考では研究内容・方法、研究計画、研究体制、評価方法・計画等が整っているかを中心に審査され、地域バランス等も考慮して決まっていくそうです。

 

どんな学校がSSHなの?

令和4年度の関東での主な指定校(関東のフリーステップ生にかかわりの深い地域に絞っています)

東京都

  • 国立筑波大学附属駒場高校
  • 国立お茶の水女子大学附属高校
  • 国立東京学芸大学附属高校
  • 国立東京学芸大学附属国際高校
  • 国立東京工業大学附属科学技術高校
  • 東京都立日比谷高校
  • 東京都立立川高校
  • 東京都立戸山高校
  • 東京都立科学技術高校
  • 東京都立多摩科学技術高校
  • 東京都立富士中学高校(完全中高一貫)
  • 東京都立小石川中等教育学校(完全中高一貫)
  • 私立東海大学付属高輪台高校
  • 私立玉川学園高校
  • 私立中央大学附属高校
  • 私立豊島岡女子学園高校

埼玉県

  • 埼玉県立浦和第一女子高校
  • 埼玉県立松山高校
  • 埼玉県立越谷北高校
  • 埼玉県立春日部高校
  • 埼玉県立川越女子高校
  • さいたま市立大宮北高校
  • 川口市立高校

千葉県

  • 千葉県立船橋高校
  • 千葉市立千葉高校
  • 私立芝浦工業大学柏中学高校
  • 私立市川高校

 

まとめ

上で、「テーマに基づいた研究と、その成果を発表する場」と書きましたが、少し例を見てみましょう。
令和4年度のSSH生徒研究発表会では、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校が「風を味方に昆虫を誘う!?〜ネジバナはなぜ花で螺旋を描くのか~」というテーマで文部科学大臣表彰を受けています。
他にも、「人はブランコをどのようにこいでいるか ~ブランコをこぐ運動の3つの物理モデル~」(宮城県古川黎明中学校・高校)、「忍具「些音聞金」の物理特性と使用法の解明」(山口県立徳山高等学校)、「小型で安価な深海探査機の開発~海のラジオゾンデ~」(東京工業大学附属科学技術高等学校)など聞いているだけでも楽しそうな発表がたくさんあります。
特筆すべきは、こういった研究・発表が高校生のうちからできるという点ではないでしょうか。
大学で理系の学部に入った後は、研究テーマを決めて、手法を検証し、実験を繰り返して論文を仕上げていくといった流れになりますが、これに近い流れを高校で体験できるというのは非常に大きなアドバンテージだと思います。

SSHSGHに認定された学校には、特徴の欄に書いたような支援が受けられる(支援なしの認定校という枠もあります)上、学校のブランドイメージも向上し生徒が集まりやすくなるという利点があります。優秀な生徒に集まってほしいというのは学校の願いでもありますから、生徒にも学校にも利点のある制度ということができそうですね。

この記事を読んで、「SSH指定校に進学したい」と思った方もいるのではないでしょうか。SSHに魅力を感じた方は、是非学校説明会や見学に行ってみてくださいね。「スーパーサイエンスハイスクール」で検索すると、これまでの活動の内容も見られますよ。

次回、SGH・WWL編はこちらから▽

SSH・SGHを知っていますか? SGH・WWL編

<文/開成教育グループ 教育技術研究所 小川真史>