2025/09/08
【大学受験】高校1・2年生は受験勉強をいつから始めるべき?効率的な学習法も!
今回は高校1・2年生の皆さんがいつから受験勉強を始めるべきなのかについて話していきたいと思います。大学受験なんてまだまだ先のこと...なんて思っていると、あっという間に受験生になってしまいます。受験は準備が大切です。結論から言うと、受験勉強を始めるのは、早ければ早いほど理想的です。この記事が皆さんの受験勉強を開始するきっかけとなるよう、効率的な学習方法も合わせてお話ししていきます。
INDEX ■大学受験勉強の開始時期が合否を左右する理由 |
■大学受験勉強の開始時期が合否を左右する理由
なぜ受験勉強を始めるのは早ければ早いほど良いのでしょうか。まずはその理由からお話ししていきたいと思います。
科目の多さ
大学受験では高校受験の時に比べ、受験科目が多いです。例えば、国公立文系志望の受験科目は、英語・数学ⅠA・ⅡBC・現代文・古文・漢文・社会2科目・理科基礎2科目・情報と並べただけでも数が多いです。対策すべき過去問についても、共通テスト対策だけでなく、国公立大学二次試験対策及び私立大学を併願受験する場合、私立大学対策もあります。単に科目が増えるだけではなく、それぞれの試験ごとにも出題傾向が異なっています。これだけの科目及び出題傾向に対して完ぺきに対策するためには、時間がどれだけあっても足りないのです。
基礎固め
難関大学を志望する場合は、「どれだけ長い時間、受験勉強の時間を確保できるか」が合否の大きな分かれ目となっています。学校の定期テストなどで、一夜漬け学習で良い点数がとれたという経験がある人も少なくないのではないでしょうか。しかし、大学受験ではそうはいきません。数学や理科など、暗記をしたうえで、自分で考えて答えを導き出すべき科目については、まず基本ができていないと歯が立ちません。社会のような暗記科目については、莫大な範囲を覚えておかないと点数は伸びません。どの科目においても基礎が重要です。基礎とは簡単な問題が解けることではありません。基礎と定義を正しく把握し、理解することです。基礎をしっかり固めたうえで、二次対策(=記述対策・過去問対策)などにチャレンジする必要がある以上、早期から受験勉強を始めなければならないのです。
基礎固めは時間がかかります。最初授業で習った時は簡単だと思っていたことも、時間が経ったり複合問題になったりすると途端にわからなくなる...ということは経験したことがありませんか?受験生になってから基礎固めを始めると、本来取り組みたかった発展問題や過去問演習の期間が短くなります。そのため、早期からの基礎固めが必要不可欠です。
高校生活との両立
この記事を見ている高校1・2年生の皆さんは、部活動など高校生活で忙しい日々を過ごしていると思います。人によるとは思いますが、主には部活生については高校生活が落ち着く時期は、3年生になってからではないでしょうか。落ち着いてから受験勉強を始めているようでは間に合いません。忙しい時期から少しずつ、コツコツと受験勉強を始めることで、学習の習慣がつき、落ち着いた時期には、ある程度勉強に対する下準備ができている状態になります。本当に少しの時間でも大丈夫です。まずは定期テストの勉強は大切にすることはもちろん重要ですが、特に受験で使用する柱となる科目についての学習に注力しましょう。柱となる科目とは具体的には、国公立志望の方向けだと、国公立の二次試験で使用する科目、私立志望の方向けであれば文系は、英語・国語、理系は英語・数学です。この柱の科目が仕上がっていないと社会・理科系などの科目になかなか手をまわす時間が確保できず、成績を伸ばしていけない原因になりやすいです。まずは、英語・国語・数学という土台科目について、部活が忙しい中でも集中して対策を進めていくようにしましょう。
■【学年別】大学受験勉強はいつから始めれば良い?
受験勉強を始めるのは早ければ早いほど良いということは理解していただけたかと思います。では、具体的な基準や目安について説明していきます。
高校1年生
高校受験が終わって、やっと高校生活を楽しんでいるのに、もう受験勉強!?という気持ちもあるかと思います。高校1年生のうちから、過去問を解くといったような、皆さんがイメージする受験勉強をする必要はありません。先ほどもお話しした通り、受験勉強では基礎が大切です。基本事項を理解し、暗記することができていなければ、受験当日までにすべての範囲を学習し終えることはできません。例えば、英単語の暗記や、文法の基本を押さえておくことをおすすめします。また、学習習慣をつけることも大切です。学習習慣を身につけるには時間がかかります。まずは理想の勉強ペースを考えてみましょう。そして、モチベーションの高い低いに関わらず勉強をできているか、問題や暗記量に目を向けましょう。最初は少なくても問題ありません。1問でも解けた・1単語でも覚えた自分を褒めてください。「今日だけ頑張る」を毎日継続しましょう。学校があり部活がありと忙しいタイミングではちょっとの積み重ねができるかどうかが大切です。また、夏休みや冬休みといった長期休暇期間は基礎固めに取り組む時間が普段よりも多く確保できます。学校の課題にプラスアルファで、勉強に取り組んでみましょう。学校で学習した範囲の復習を行ったり、得意な科目は予習を行ったりすることをおすすめします。高校生活を満喫することももちろん大切ですが、全く勉強をしないまま2年生になることはないようにしましょう。小さな目標からコツコツとこなしていくことが重要ですよ。
高校2年生
高校2年生の皆さんは、受験する大学のビジョンが見えていますか?受験校について、完全に一つに絞る必要はありませんが、国公立大学を志望するのか私立大学を志望するのか、一般で受験するのか、推薦入試で受けるのかなどの受験方式については早めに定めるようにしましょう。文系か理系は決めたけど、志望校は決まっていないという人は、まず志望する学部から考えてみましょう。将来どんなことをしたいのか、大学で何を学びたいのかを真剣に考え、学部を決めるようにしてください。学部が決まれば、受験科目も具体的に決まります。そうすることによって、自分の現状、勉強すべきことがわかるようになります。勉強を始めると苦手な部分というものが見えてくるはずです。2年生のうちに自分の苦手に気づき、克服することができると、3年生からの受験勉強が一気にはかどります。できることならば、2年生のうちに苦手な分野をなくしてしまいましょう。学校の教科書や問題集を見ると全体の単元数や構成を把握することができます。全体把握が終われば次は現状どこまで進んでいるかや定着率を把握しましょう。そして、今やるべきことは何かを考え実行しましょう。受験勉強に対するモチベーションがわかないときには、一度オープンキャンパスに参加することをおすすめします。オープンキャンパスではその大学に通っている先輩に話を聞いたり、模擬授業を受けたりすることができます。実際に大学に足を運び、理想のキャンパスライフを想像してみてください。
■国公立大学・私立大学で異なる勉強スケジュール
国公立大学と私立大学で勉強スケジュールが全く異なることを知っていますか。それぞれに特徴があるので、自分に当てはまることはないか確認しながら読み進めてください。
国公立大学志望の場合
国公立大学の場合は、とにかく早めの対策が必要です。先ほどお話しした通り、国公立大学は私立大学に比べ、対策すべき科目が多いです。理系の場合、二次試験では英語、数学、理科2科目が必要になる学部が多いです。二次試験では共通テストよりも細かな内容を問われることもあるので、より深い理解が必要になります。公立の高校では、受験科目の範囲がぎりぎりまで終わらないことも多くあります。国公立の試験問題は基本的には記述傾向の問題が多いです。例として英作文の対策を始めようにも、単語や文法の基本を暗記・理解していないと対策を進めることができません。日本史の論述対策をスタートするにも通史の学習を終わらせていないと進めることができません。国公立を志望する方はいつからどんな対策を開始するために、いつまでに〇〇を完了させるといったような逆算学習が必須です。志望校合格に向けて、まずは自分の受験勉強計画を考えてみましょう。
私立大学志望の場合
私立大学を志望する場合も、大学傾向に合わせた対策が必須です。同じ科目でも大学によって出題に傾向が見られます。また同じ大学でも、年内入試と一般試験で出題傾向や受験科目が異なる大学も存在します。まずは、自分が志望する大学について研究を行う(=敵を知る)ことで、点数アップを図れます。まずは過去問等でどんな試験問題が出題されているのかを調べてみましょう。国語の現代文の試験と入試要項に書いてあるが、知識問題として文学史や四字熟語が出題される大学もあります。このような傾向についてはきちんと過去問をチェックすれば把握することが可能です。
■塾・予備校の活用法
続いて、塾・予備校に通うメリットやその活用法についてお話します。今はまだ塾・予備校に通っていないという人はぜひ参考にしてください。
苦手を克服
早期から通塾することによって得られるメリットがあります。塾で勉強することによって、自分では気づくことのできなかった自身の苦手を知ることができる点です。また、その苦手を効率的になくすことができます。苦手な分野について、自分から積極的に勉強しようと思う人は少ないと思います。しかし、塾では苦手分野について、先生から丁寧に教えてもらうことができます。一人では理解できなかった問題でも、他の人から改めて教えてもらうことで理解できるかもしれません。このように塾に早期から通うことで、苦手を克服する機会が増えるのです。
自宅学習と塾・予備校の使い分け
塾・予備校での勉強だけを頑張ればいいというわけではありません。自宅でも学習する習慣をつけることが大切です。では、自宅での学習と塾・予備校での学習をどのように使い分ければよいのでしょうか。塾・予備校では、新しく学ぶことに集中し、自宅学習では復習をメインに行うことをおすすめします。どのようにするにしても、自宅学習と塾・予備校での勉強内容を区別することで気持ち新たに勉強することができます。
■科目別に見る効率的な受験勉強の始め方
ここからは科目ごとの受験勉強について説明します。
英語
文系でも理系でも必須の科目である英語の勉強について説明します。高校1年生、2年生のうちから始めるべき英語の受験勉強は、英単語です。長文問題を解くにしても、文法問題を解くにしても、基本的な単語の意味がわかっていなければ、全く解くことができません。しかし、大学受験で必要とされる英単語は、共通テストで約5000単語、私立の難関大学では約7000単語とされています。これだけの単語すべてを暗記することができたとしても、入試本番では見たことがないような単語が注釈なしで出題されることもあります。そのような場合は文脈から推測することができるのですが、すべての単語を推測で考えていると、試験時間が足りません。少なくとも、受験で必要とされる単語数はすべて暗記しておく必要があります。早いうちから英単語の勉強を始めておくことで、受験期に暗記しなければならない単語数が格段に少なくなります。しかし、単語だけを暗記しておけばいいのかといわれれば、それは違います。共通テストのリーディングは、皆さんが思っている以上に文章量があります。早いうちから英語長文に慣れておかなければ、いざ受験勉強として英語長文を始めた時に、嫌悪感を抱いてしまう可能性があります。短い文章からでも構いませんので、英語の文章に慣れるようにしてください。そのため、高校1年生、2年生から、英単語と英語長文をバランスよく勉強するようにしましょう。
数学
続いて数学の勉強についてです。数学は基本が大切です。公式を覚えておかなければ、ほとんどの問題を解くことができません。学校のテストなどで自分が苦手だと感じた分野については、徹底的に復習するようにしてください。高校2年生の方々は、網羅系の問題集を早めに始めましょう。例としてはチャート式(数研出版)やFocus Gold(新興出版社啓林館)が挙げられます。これらの問題集は基本的な問題がすべて記載されており、解けない問題があっても解説が充実しているのでおすすめです。網羅系の問題集を1周すると、自身の苦手な分野や不安な項目が明らかになるはずです。苦手な部分を複数の問題集を用いて対策しましょう。数学については、範囲も広く、難しい問題も多いので、数学自体を苦手に感じる人も多いと思います。しかし、入試に出題されやすい問題が存在します。繰り返し問題集に取り組むことによって、解き方自体を理解し、暗記することができます。すべての問題の解き方をマスターして、万全の状態で受験に臨みましょう。
国語
国語の勉強については、現代文と古文、漢文で方法が異なります。現代文については、読解力がカギです。この読解力は共通テストの全科目で求められています。昨今の共通テストでは数学のような理系の教科でも問題文が長く、それを理解するために読解力が必要です。また、古文や漢文においても、現代語訳にしてから読解する必要があります。以上のように、読解力は必要不可欠なのです。このような読解力を身につけるために、解説が豊富な現代文の問題集に取り組むことをおすすめします。自分の解答根拠が解説とずれていないかを確認するためにも、しっかり解説まで読み込むようにしてください。
古文の勉強については、英語と同じく古文単語が重要です。古文単語集の多くは300単語前後が掲載されています。しかし、その単語だけを用いて文章が構成されているわけではありません。問題を解くことで自分の知らない単語に出会い、それを学習することで受験の対策になります。また、古文文法も非常に重要です。高校1年生でなんとなく習って、なんとなくのままにしてしまっていませんか。古文文法は暗記が必要不可欠です。特に助動詞は意味を覚えるだけでなく、活用まで覚えておかなければなりません。私立大学の入試問題では、助動詞の活用形や意味を問われる問題が出題されます。
漢文については、古文以上に放置してしまっている人が多いのではないでしょうか。漢文は受験科目としての優先度が低い人が多いと思います。だからこそ早めに対策をしておくことで、受験期の大事な時期に漢文に時間を割く必要がなくなります。今のうちからできる勉強としては、文法事項が挙げられます。古文も漢文もどちらも早めの対策がカギとなります。
理科
理科については、計画的な勉強が大切です。どの科目を選択したとしても、範囲の広さが鬼門になります。先ほどもお話しした通り、理科は暗記をしたうえで、自分で考えたり計算したりして答えを求める必要があります。まずは学校で習った範囲を完ぺきに理解するところから始めましょう。学校の授業で受験範囲をすべて学習し終えてから受験勉強を始めているようでは間に合いません。少しずつ計画的に勉強を始めることが重要です。教科書の目次などで、学習すべき項目を確認し、受験までのプランを立てておきましょう。その際に、過去問を練習する期間を確保してください。
社会
社会も理科と同様に莫大な範囲を計画的に学習する必要があります。特に暗記科目については問題集を1周しただけでは覚えられません。一問一答の問題集を購入し、何周も繰り返し復習することで知識が身につきます。高校1年生、2年生のうちはインプットを中心に学習を進めましょう。学校の進度に合わせて学習をしていると、高校3年生の冬まで終わらない学校もあるので、自分で予習する必要があります。暗記科目なので、自分で教科書や参考書で学習することも可能ですが、簡単な暗記方法やセットで覚えるべき出来事を教えてくれる塾・予備校に通うことをおすすめします。どのように学習するにしても、計画的にかつ定期的に勉強することで、高校3年生になった時に周りと差をつけましょう。
■大学受験に関するよくある質問
ここからは大学受験に関するよくある質問についてお話します。
一日の学習時間
最もよく挙げられるのは、一日に何時間くらい勉強したらいいの?という疑問です。勉強時間については、各自の事情があると思うので、一概に断定することはできませんが、学年別におおよその目安を説明します。高校1年生の方々は、部活動や学校行事で日々忙しいと思います。平日は1時間程度、休日に2時間程度、勉強時間を確保し、これを毎日続けられるのがベストだと思います。短い時間でもいいので、コツコツと毎日取り組み、学習習慣をつけるようにしてください。高校2年生は平日に2時間程度、休日に4時間程度が目安です。もちろん部活動や友達との遊びなどで多忙だと思います。少しでも勉強の時間を確保し、特に長期休みには受験勉強に手をつけるようにしましょう。参考までに、高校3年生の勉強時間の目安についてお話します。部活動引退後の高校3年生の平日の勉強時間は、5時間程度、休日は11時間程度です。体調が崩れるまで勉強する必要はありませんが、自分でメリハリをもって学習することが大切です。特に夏休みは一日中勉強できる時間があるからこそ、ここでさぼってしまえばすぐにライバルと差がついてしまいます。自分にできる範囲でいいので、勉強するようにしてください。
■まとめ
以上のように、受験勉強を始めるのが早ければ早いほど、高校3年生になった時、時間を有効的に活用することができます。忙しく楽しい高校生活だと思いますが、ほんの少しずつでいいので受験勉強を始めてみませんか?
<文/開成教育グループ 大学受験専門館 石橋教室 又野真那>