2021/12/06
【大学受験】現代文の記述問題勉強法(評論文編)
現代文で多くの受験生が苦手としている問題が記述問題です。今回はそうした記述問題の解法について評論文に絞って段階を踏んで紹介したいと思います。
1. 評論文は文章のテーマ・主旨を捉えよう
記述問題、選択問題に関わらず、文章を読み終えるとすぐに設問に取りかかりたくなります。
しかし、ここで一度この読んだ文章のテーマ・主旨(筆者の主張)は何か考え、本文に線を引いたり、問題用紙の余白に書き出したりしてみてください。文章を理解した気になっていても、テーマ・主旨を書き出そうとすると、慣れていないと難しいはずです。テーマ・主旨を見つける際のポイントとして2つあります。
- 繰り返されている言葉や文章に注目する。
- 強調表現が使われている言葉や文章に注目する。
頭の中でなんとなく理解しているテーマ、主旨を自分の言葉で言語化して表すことで、より鮮明に筆者の主張を理解することができます。つまり、記述問題に取り組む前に正しく読解できることが重要です。
反復して主張されている内容を見つける。「真の」「本当の」「根源的な」等の強調表現から主張されている内容を見つける。以上2点のポイントを意識しながら、本文のテーマ・主旨を捉えて読解する練習を行いましょう。
2. 傍線部や設問該当箇所の意味を捉えよう
次に傍線部や設問該当箇所の意味を捉えます。傍線部や設問該当箇所に指示語があれば、何を表しているのか周辺の文章から探し、わかりにくい言葉や比喩表現があれば、自分が理解できるようにわかりやすく言い換えるようにしましょう。
普段の問題練習から、次のことを意識してみてください。
- 指示語に対応する箇所を探して書き出せるようにしましょう。「何となく」ではなく、正確に指示語が指名している部分を見つけられるようにしてください。
- 傍線部の比喩表現は具体的に何を指すかを書き出せるようにしましょう。抽象的な表現と具体例の対応を見つけられるようにしてください。
3. 下書きを一度作ってから答案を作ろう
受験生の多くがいきなり答案用紙に回答を書き始めます。40字~50字程度の記述問題なら対応出来るかもしれませんが、大学によっては150字を超える記述問題が出題されることもあります。そうした場合には一度書こうとしている内容を文字に起こし、どのような論理構成で記述しようとしているのか確認しなければ、答案に必ず書かなければならない要素を見落としたりしてしまいます。そのため、問題用紙の隅に殴り書きでも良いので一度大雑把に答案の下書きを作りましょう。なお、その際字数制限は無視して結構ですので内容が不足無く書けている答案を一度作成しましょう。
下書きを見て「指示の通り解答ができているか」をチェックします。
特に理由を説明する場合は「AだからXである」という因果関係に注意する。対比されている事柄を説明するときは「AはXであるが、BはYである」「AはXではないが、BはXである」という構造を正しく説明できているかをチェックするようにしましょう。
4. 大意を損なわないように文字数に合わせて調整しよう
下書きを作成した後は字数調整に入ります。当然ですが、指定された文字数を超えてはいけません。また、文字数は指定された8割以上を目安に解答を作成してください。下書きの答案は文字数を気にせず作っているので、文字数を超えているはずです。(下書きの時点で少ない場合は必要な要素が不足している可能性があるので見直してみましょう。)そのため下書きの答案からここは削ってもいいと思う部分を削除して文字数を調整していきます。
「削ってもいい」部分とは、記述の大意を損なわない部分ですね。ズバリ「具体例」は解答には含めないようにしてください。つまり、読解中に抽象表現と具体例を対応させながら読む必要があります。また、比喩表現も答案に合わせて削除してください。
そして指定された文字数内に記述を納めるようにしましょう。
アドバイザーから一言
現代文の記述ははじめから満点を狙いに行く必要はありません。練習の時点では着実に部分点を積み重ねていくことが大切です。慣れない内は時間がかかり、やりづらいかもしれませんが。この流れで記述問題を解くことで、しっかり答案に必要な要素を拾うことが可能となります。
「現代文の勉強は何から始めていいか分からない」という相談を受けることがありますが、まずは読解の練習をしてください。正しく読むことができ、筆者の主張をとらえる練習をすれば、下書きがかけるようになります。そうすれば、「記述問題で0点」を取ることが格段に少なくなります。
筆者の主張を見つけたり、文章構造を読み取ったりするのがニガテだなと感じたら、記述問題そのものよりも読解を中心に勉強をしてみてください。この際は、問題だけを解くよりも、読解の方法を学ぶ入門書や、塾や予備校で受講するのが近道です。
あとは、復習の際に下書きの答案、答案と模範解答を比較して、不足していた要素や過剰だった表現などを見つけ、記述に慣れていくとコツがつかめてくるはずです!
是非試してみてください!
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〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 茨木教室 勝本虎太朗〉