2022/01/11

【大学受験】入試直前の過去問活用法

受験生の皆さん、大学入試直前にどんな勉強をすべきか決まっていますか?「過去問で点数が取れない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。入試直前にその得点が取れていなくてもまだまだ焦る必要はありません!入試直前で実践できる過去問の活用法を紹介して、ぜひラストスパートの参考にしてください!

 

「自己採点レコード術」を活用せよ!

皆さんは過去問を解いた後、まず何をしていますか?そう、自己採点ですね。過去問の後、どのぐらいデータを記録していますか?生徒の中には「えっ、記録なんてしてないですよ」という人も多いですが、実はこれはもったいないです!

多くの大学では受験結果として「合格最低点」を公開しています。受験生の多くは、まずはその得点率を目指すわけです。では、科目ごと、そして大問ごとの自己分析ができているかどうかが重要です。

具体的にA君の例を見てみましょう。A君は合格最低点が70の私立大学・文系の学部の受験をしようと考えているとします。以下の自己採点レコードを見て、あなたはどう考えますか?

大学受験_入試直前の過去問活用法_自己採点レコード.png

↑合格最低点315点(70%)まであと25点

「全然得点が取れてない...もうムリだ...」と諦めますか?いいえ!まだです!ここからが自己採点レコード術が本領を発揮します。記録をしていることによって、A君は「平均であと25点とれれば合格最低点をクリア」することに気づくことができます。では、その25点をどこで作ることができるのか?という作戦を立てていきましょう。

以下の図は英語を大問ごとに記録したものです。そうすると、どう見えますか?A君は〔〕だけが明らかに得点率が低く、不得意分野=伸びしろだと考えられませんか?

大学受験_入試直前の過去問活用法_自己採点レコード_英語.png

大問〔Ⅰ〕〔Ⅲ〕では合格最低点を取り、得点率が75%以上あることから、A君は大問〔Ⅱ〕の問題形式に特化して特訓することで、得点力をUPできる可能性が高いですね!

例えばこの大学の大問〔Ⅱ〕の問題形式が長文の「空所補充問題」と「内容一致」問題だとすると、同様の問題形式を中心に練習をするとよいでしょう。逆に、今までのその問題形式の「解き方」「練習方法」も見直すことが必要です。

A君は「たしかに空所補充がニガテなので難しい単語帳を買って語彙力を鍛えるようにしています。それでも単語が分からなくて・・・」と悩んでいました。

空所補充を攻略するために、もちろん語彙力は必要ですが、前後の文章から単語の意味を推測したり、ただ訳すだけでなくストーリーを論理的に読み解いたりする能力が必要になることが多いです。A君は几帳面な性格なので、難しい単語・熟語が出たらすぐに調べてしまう癖がありました。空所補充の攻略には、前後のストーリーや単語の接頭辞・接尾辞から意味を推測する練習をすることも必要です。

こうして、特定の問題を解くための練習に特化することで、得意科目である英語をさらに伸ばし、英語だけで25UPする可能性が見えてきました!

自分の得点をレコードしておくことで、得点率に偏りがないかを分析できます。後はその原因を解決する方法を実践ことで、短時間で自分の不得意分野を効率よく攻略することが可能です。しゃにむに問題を解き続けるだけでなく、伸びしろをみつけ、何の科目で何点を取って合格点を作るのかを計画することが重要です。

 

過去問の2周目を解け!

次に、自分の不得意分野を伸ばすために、過去問をもっと活用する方法を紹介します。

A君の場合、日本史の勉強を頑張っているけど得点が伸び悩んでいます。そこで、自己採点レコードの方法を使って自己分析をしてみたところ、「史料問題」「図表問題」に課題があることが分かりました。

A君は「普段は一問一答を使って語句の暗記は人一倍努力しているつもりなんです。」と落ち込んでいましたが、史料や図表問題は語句の丸暗記だけではなく、初めて見る史料や地図から自分の知識をつなげて考える練習が必要です。「数学の公式だけを丸暗記して応用問題が解けない」という悩みと同じで、日本史も練習不足が原因で伸び悩んでしまったことが分かります。

つまり、この大学の傾向と対策としては、資料集などを使って史料や地図、写真などと、語句の知識を結びつける練習をするとよいでしょう。練習として、一度解いた過去問の2周目を解いてみましょう。1回目に解いた問題の解説を読み、その分野の資料や地図、写真を再度インプットしなおします。特に不安な分野はコピーをノートなどにまとめるか、スマホで写真に撮っておくかして、直前に見直せるようにしておくとよいでしょう。知識を再整理してから、史料問題や図表問題にリベンジしてください。当然、問題を覚えていて知識が整理されているので満点が取れるはずです。この過程で、「どんな知識で、どんな判断をすれば、この問題を解くための最適なアプローチができるか」を、実際に頭と手を動かして体で覚えてください。時間がなければ不得意分野の問題だけを解き直せばOKです。日本史も数学と同じで、答えを覚えるだけでなく、どうやって考えて解くかという思考回路を体得するように練習するといいのです。

これにより、本番の頭の使い方を練習し、さらに、どんな史料や図表をどのようにインプットすればいいかが分かるようになります。本番直前は、自分の受験する大学で出題されることを中心に覚えましょう。地歴公民は暗記が重要ですが、丸暗記に偏重すると得点に伸び悩む人も多いので、必要な知識と入試問題を「つなげる」イメージで練習を心がけると、短期間で成績が伸びます!この方法で、A君は日本史で25UPの可能性も十分に見えそうです!

 

志望校を最後まで諦めない!

単語や文法、公式などの知識量を「基礎体力」に例えると、大学別の傾向と対策は「技術」です。技術を身に着けるためには、その大学に対する研究+自己分析が重要だということが分かりました。いかに体力レベルが高くても、攻略法を知らなければ勝率は下がってしまいます。

つまり、志望校に対する思いが強ければ、基礎体力が少し足りなくても、諦めずに技術を磨く工夫をしてください。そうすれば、努力次第で志望校に合格することができます。諦めないことが本当に大事です!

これを読んで「まだ諦めない!」と思った人は、まず自己採点レコード術で自己分析をして、過去問を解き直し、自分に適した練習法を見つけてください。そして、「今できること」を全力で考えて全力で実行する人になってほしいと願っています。

また、当然といえば当然ですが大学入試問題に対する研究のプロである予備校や塾の講師を頼るのが最も効率がいいです。市販の書籍でも大学別の対策が可能ですし、特定の問題形式を徹底したいなら個別指導という手もあります。

予備校の中でも映像授業なら、直前でも冬期講習で対策をすることが可能です。もし悩みがあれば、些細なことでも遠慮なくすぐにご相談ください。

大学専門館の授業形態は映像授業型であり、あらかじめ録画された授業をPC・タブレット・スマートフォン等で視聴するという形です。また各生徒に担当のスタッフがつき、面談を通して生徒の志望校合格に全力でサポートしています。

共通テスト対策系講座や関関同立対策系講座、有名国公立対策系講座のように各生徒の受験に合わせた専門性の高い講座を幅広く取りそろえている点が特徴です。また、予想問題の精度も高く毎年数多くの予想問題が実際の入試問題で的中しています。

 

1・高2生にとって過去問とは?

ここまでは入試直前の受験生に向けて過去問の使い方の一例を紹介しましたが、高1・高2生にとっては少し違います。まず、第一志望校の過去問は購入しておくことをお勧めします。でも、慌てて問題から始めるのではなく、冒頭の傾向と対策など、入試問題の情報収集に使ってください。

1・高2生にとっては、「技術」よりもまず「基礎体力」を作るための知識や基礎練習が重要です。十分に体力をつける前に無理して過去問を解く必要はありません。ただ、一点、知っておくべきなのは「自分の志望校の入試問題を攻略するためにどんな勉強をすればいいか」です。多くの高校生は定期テストに向けての勉強には慣れていますが、大学入試については初心者です。上記の日本史の例の続きで言えば、一般的な高校の定期テストでは「時代や単元を跨いで、横断的に出題される」ことは多くありません。どんなことを勉強すれば、志望校の対策になるのかを知っておけば、普段の勉強が一石二鳥になりますね!

このように、学校での勉強でしっかり基礎体力を作り、志望校に向けてどんな技術が必要かを把握して、早期からアウトプットのための勉強を取り入れていきましょう。これが高1・高2の過去問の使い方の第一歩です。

 

最後に

大学専門館では上述の実際の例のように受験生一人ひとりの学力状況や受験校に応じた質の高い講座を提案することが出来ます。また、個別指導学院フリーステップでは個別の課題に応じたカリキュラムで指導することができます。

〈文/開成教育グループ 大学受験専門官 茨木教室 勝本虎太朗〉