2024/11/18
【大学受験】共通テスト英語の時間配分~リスニング対策マスターガイド
日々の勉強お疲れ様です!本記事では、「対策方法がわからず、あまり時間もかけられないけどどうにかしたい。」と多くの大学受験生が悩みを抱く、大学入学共通テスト英語リーディングの時間配分、およびリスニングの対策について、一緒に考えていきましょう。今からでもできる具体的な攻略法を紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
共通テスト英語試験の概要とその重要性
試験の時間と全体構成
まず、令和6年度の共通テスト英語の試験時間、全体構成について振り返ってみましょう。英語リーディングは15:20~16:40の80分間、そしてリスニングが17:20-18:20の60分間になります。次に、全体構成については下記のとおりです。
このような構成になっていますが、令和7年度の共通テストは学習指導要領が新課程に変更されたことに伴い、英語の問題に関しても変更が加えられていることが予定されています。英語リーディングに関しては、合計で8問の大問があり、例年以上に時間内に解き終えることが難しいと予想されます。
この2問は、共通テスト試行調査に例題がありますので、早いうちに解いておく必要があります。
時間配分の基本戦略
共通テスト英語リスニングには時間配分というものが存在しないので、英語リーディングのおすすめの時間配分に関して話していこうと思います。令和6年度共通テスト、令和7年度試作問題の大問ごとの総語数をもとに判断した時間配分は以下の通りになります。
新課程の試作問題では、第A問が約1300字、第B問が約500字になっています。第A問は、これまでで一番文章量が多くなっており、ある程度の速読力が必要になっていきます。これはあくまでも目安の時間配分になっていますので、得意な大問と苦手な大問は人によってバラバラです。そのため、この時間配分をもとにして自分に一番合った時間配分を設定していきましょう。しかし、それでも最後まで解ききることができない受験生は多いのではないかと思われます。
そこで、次に効果的な時間配分の調整法について話していきます。
効果的な時間配分のコツと実践
効果的に自分に合った時間配分を設定するコツとして、模試や過去問演習が挙げられます。模試や過去問をただ解くだけではなく、最初に設定した時間配分通りにまずは解いてみましょう。すると、「○○分余った!」や「○○分オーバーした...」のような大問が出るかと思われます。そこで得意な大問の時間を短くしたり、苦手な大問の時間を長くしたりと再設定し演習することを何回も繰り返すことで自分に一番合った時間配分を見つけることができます。
入試本番では設定した時間がオーバーしても解き続けようとする人も多く存在します。それもそのはず、入試本番では点数を多く取ることが求められますから、自然とわからない問題に対して時間を多く費やして悩んでしまいます。ですが、時間を多く使い、悩んで答えを出した問題が間違っていた場合、点数も時間も無駄になってしまいます。そこで、時間が過ぎたらキッパリ解くのを止めて、次の問題へ進むという意識を持っておきましょう!大問の最後の難しい設問より次の大問の最初の簡単な設問を解く方が時間も使わず簡単に答えを出せるのではないかと思います。解けなかった問題を悔やむかもしれませんが、前を向いてどんどん次の問題に進んでいきましょう!
試験対策のための具体的戦略
英語リーディング
共通テスト英語リーディングに限らず、私大入試、国公立大入試でも勉強しなければならない内容は基本的には同じです。1番大切なものは語彙力です。まずは自身が使っている単語帳を1冊完璧にしましょう。また、共通テスト英語リーディングを受験する人はおそらく私立大や国公立大も受験すると思いますので、可能であれば2冊目にも手を出していいかもしれません。語彙力の外には文法力や解釈力が必要になります。読解に必要な文法を身に付け、一文一文適切に訳す力はどの文章を読むときでも必要になりますので、徹底的に理解していきましょう。それらをある程度理解したのちに、参考書・問題集等の長文読解で練習を積んでいきましょう。
次に、制限時間が厳しい共通テスト英語リーディングの戦略について考えていきます。
まず、共通テストリーディングで必要になってくる戦略の1つ目は、スキャニングです。スキャニングとは、設問・その選択肢にあるキーワードを本文中から探し出すという方法で、80分の時間で膨大な量の文章を読む共通テストには最適な戦略となります。しかし、この方法は正しいやり方で練習を積まないと活かすことができません。選択肢の単語だけを本文から探そうとすると、探しているキーワードが本文と設問で言い換えられている場合があり、結局何も見つけられなかったとなる可能性があります。では、どのようにしてスキャニングをすればいいかというと、「設問で何が問われているか」ということです。つまり、ただ単語の暗記で問題を解くのではなく、設問を正しく解釈できているか、そしてその解釈した内容を本文中から探し出すという方法がスキャニングというわけです。これをきくと非常に難しい方法ではないかと思われますが、しっかり練習を積み重ねていけば有用な戦略になりますので、ぜひ試してみてください。
では、次に共通テスト英語リーディングにおける問題の解き方について話していきます。解答プロセスは「①リード文②設問・選択肢③本文」の順番で見るようにしてください。慣れてくると①リード文を見落としがちになってきますが、近年の共通テストではこのリード文から答えを導き出せるケースがありますので、必ず読むようにしてください。そして、本文の読み進め方ですが、文章の論理関係(置き換え・具体例・対比対立・因果関係・並列)に注意しながら読解するようにしていきましょう。問題作成者が問題にしやすいところは、文章の論理関係を正しくつかめているかという所ですので、ここは少しスピードを落として読んでいきましょう。
英語リスニング
共通テストリスニングは大問によって特色があり、難易度もまばらです。ここで紹介する解くコツは、その出題傾向や方法、難易度の変化に焦点を当てたもので、あくまで共通テストのリスニングに対してのものです。しかし他のリスニングを要する試験にも通じる部分があるので、ぜひ参考にしてください。
まず、上記の各大問のうち、難易度が比較的容易な部分があります。それは、大問1、2、4です。理由は2点あり、1点目は大問1と2に関しては2回読まれるため内容を掴むのに十分な時間があることです。2点目は第1問Bや大問2、大問3はイラストや図表が出題されるからです。イラストや図表はその特徴を述べた英単語やキーフレーズを聞き取るだけで得点できます。例えば円グラフが出題された時、意識して聞き取るものは、選択肢の単語と割合や比較級を含むフレーズだけです。従って、これらの問いは意識するポイントを作り、余裕をもって解いてしまいましょう。
次に時間を有効活用することです。前文のことを意識すると、大問3や5の音声が読まれる前に軽く目を通す時間ができます。このタイミングで選択肢の内容を軽く読み、問題の雰囲気をおおよそつかむことで、音声が読まれた時の理解度がかなり上昇します。具体的に、大問1、2の問題文自体の説明音声が流れているときに大問3の選択肢に目を通しましょう。この時線を引くなどメモを残しておきましょう。
次に、大問4の問題音声が流れる前後の時間で大問5の内容をおおまかに理解しておきましょう。ワークシートやメモの流れを把握しておくと、どのタイミングでどの問いに関する話がされるかわかるので、意識するポイントを大問5でも作ることができます。重要なことは、初見の問題という状況から一度見たことのある問題という状態に移行することです。
そして、これはリスニングを解く上では当たり前のことですが、前の問題には戻らないことです。「もう少しで解けそうだったのに」や「2択まで絞れたけどまだ考えたい」と思って、前の問題に立ち返ってしまい、これから読まれる文章が頭に入ってこなかったということをしばしば耳にします。しかし、「もしかしたら正解できるかもしれない1問」よりも「これから解く数問」に集中する方が得点は高くなります。従って、既に文章が読み終えられた問題は潔く諦める心構えが大切です。
解くコツをまとめると、聞き取る部分に緩急をつけ、先の問題にも時間を活用し目を通しておくことで、解きやすい状態にしましょう。
リスニングの普段の勉強の仕方ですが、どの方法もかなり実用的で時間の有効利用ができるものとなっています。この中で気になる方法があったら一度試してみましょう。
動画視聴
これはオーソドックスな方法ですが、洋画や英語の動画を視聴することです。英語が聞き取りにくい要因の1つに、聴きなれていないということがあります。国語の文章題でも、英語の長文でもそうですが、普段から読みなれていないと、限られた時間で素早く読み取る・聴き取ることは難しいです。塾で勉強し、帰宅した後の時間や、移動時間だけでもいいので動画サイトを活用して英語の音声と英語の字幕をつけて視聴しましょう。聴覚的、視覚的に英語に接することが効果的で、自分の合ったトピックのものを選びましょう。
発声、シャドーイング
他に、英語が聞き取りにくい要因の1つに、自分の発音が間違っていることが挙げられます。日本語においても同様ですが、聞き取れる言葉=発音できる言葉です。①の勉強方法に付随して、聴きなれた後に次は自分自身でそれをアウトプットしてみましょう。正しい発音でアウトプットできるようになると、その単語・フレーズは容易に聞き取れるようになります。そこでオススメなのが音読、発声、シャドーイングです。正しい発音を心掛けて行いましょう。また、この方法は単語やイディオムを効率よく覚えることにも適しています。五感を最大限活用して取り組むことが習得のコツでもあります。
ウィリーズ イングリッシュ
開成教育グループでは、"ウィリーズ イングリッシュ"という講座を用意しています。こちらはリスニング力を鍛えるのに必要な要素をすべて含んでいます。①、②の方法でも確かにリスニング力はつきますが、②において、実際に自分の発声が正しいかどうかは確かめることができません。しかし、このウィリーズイングリッシュはオンラインでネイティブの講師と1対1で会話するので、発声に関しても指導してもらうことができ、結果的にリスニングとしての効果は絶大になります。従って、最も効率的にリスニング力を身につける方法と言えます。
まとめ
共通テスト英語リーディングは時間制限の厳しい科目であり、共通テスト英語リスニングは冒頭の大学受験生の悩みでもあったように、どうしてもあまり時間をかけられず、優先度の低い科目となってしまいます。しかし、1点を争う大学受験では必ず対策しなければなりません。本記事を通して、自分にとっての一番効果的な勉強法を学び、実践して本番高得点が取れることを心から祈っております。
〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 天王寺教室:長瀬陸生 高槻教室:中西大悟〉