2025/11/17
【大学受験】共通テスト英語リスニングの時間配分と高得点獲得法
今回は共通テストのリスニングの攻略方法についてお話しします。リスニングはどの大学でも配点の割合が小さく、二次試験で出題されることも少ないので、対策を後回しにしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、共通テストのリスニングは対策をしておかなければ、点数がガクッと下がってしまう科目です。本番でそうならないためにも、本記事を参考にしてください。
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INDEX ■共通テスト英語の全体像 |
■共通テスト英語(リーディング・リスニング)の全体像
まず、共通テストの英語についての理解を深めましょう。
共通テスト英語の試験時間と配点
共通テストの英語はリーディングとリスニングに分かれており、それぞれの試験時間も異なります。リーディングの試験時間は80分で、配点は100点です。リスニングの試験時間は60分で、配点は100点です。しかし、配点については、大学ごとに割合が異なります。例えば、リーディングの割合を7割、リスニングの割合を3割としている大学では、リーディングの点数を70点満点に換算しなおした点数とリスニングの点数を30点満点に換算しなおした点数を合計し、その点数を英語の点数にします。まずは自分の志望する大学の配点を調べてください。
リーディングとリスニングの難易度・傾向の変化
続いて、共通テストの難易度と傾向の変化についてです。リーディングについては、2025年度から前年度の6題から8題に増加し、難易度が増していると言えます。字数について、2025年度は2024年度から減少しているものの、大問数が増えた分、問題ごとに考える時間が必要となります。また、内容についても、第4問ではアウトライン作成の問題、第8問では推敲の問題が出題され、問題が多様化しています。リスニングについては問題の構成自体に変化は見られないものの、難易度は上昇していると考えられます。会話のテンポやスピードが速く、英会話に慣れていなければ聞き取ることが難しいでしょう。また、いわゆるアメリカ英語の話者だけでなく、訛りのある英語の話者による問題もあります。
■リスニングの試験構成と特徴
では、ここからはリスニングの試験構成と特徴について説明していきます。
大問別の内容と配点
大問1については、短い発話の内容に合わせて英文を選ぶ問題と、イラストを選ぶ問題があります。大問2では、短い対話の内容に合ったイラストを選ぶ問題です。大問1と2については音声が二回流れます。大問3からは音声が一度しか流れません。大問3では、短い対話の内容について、質問の答えとなる英文を選択する問題です。大問4では、これまでよりも少し長い発話の内容に沿ってグラフや図表の穴を埋める問題が良く出題されます。また、複数の発話を聞いて、条件に合う選択肢を選ぶ問題もあります。ここでは、問題のページに空白の表が記載されているので、そこに書き込む形で条件から推測するという問題です。大問5では、これまでよりも長い文章を聞き、複数の問いに答える問題です。ここでは、音声の前に問題文を読む時間がとられます。問題文が2ページ以上にわたるため、状況を把握するのに時間を要します。大問6では複数人の対話を聞いて、質問に答える問題と、長めの音声を聞いて、質問に対する答えを選ぶ問題です。以上の計6題で構成されています。
大問ごとの配点については、以下の通りです。
第1問A:16点 第1問B:12点 第2問:12点 第3問:18点 第4問A:8点 第4問B:4点 第5問:16点 第6問A:6点 第6問B:8点
センター試験からの変更点と注意点
センター試験と比べて、日常的な会話が増えたとされています。そのため、様々な状況が想定され、問題のバラエティが増えています。音声の読み上げるスピードについても、ネイティブの日常的な会話スピードに近づいています。また、イラストや表の問題など、視覚的な情報が多く表示されるようになりました。そのため、英文が読まれる前に様々な情報を整理する必要があります。
■リスニング時間配分を押さえるための基礎知識
以上のようなリスニングの問題に対して、時間管理が重要となります。最後まで集中して解ききるためにも、時間配分を明確に決めておきましょう。一度しか流れない音声を聞き逃してしまうと、次の問題にまで影響が及ぶことがあります。そのため、事前に何にどのくらいの時間を使うのかを決めておくことで、イレギュラーな場合にも素早く対応することができます。
試験準備時間と回答時間の内訳
試験の準備時間については、ほとんどないと考えた方がいいでしょう。試験監督の「始め」の合図と同時に音声を開始し、問題を見ることができます。音声は途切れることなく再生され続けるので、基本的に問題を読む時間や、マークシートに書き込む時間はとられていません。また音声の再生が終わると、1分も経たないうちに試験監督から「やめ」の合図があります。そのため、音声終了後にまとめてマークシートに書き込む時間はないので注意しましょう。
解答用紙への記入ミスを防ぐタイミング
共通テストでよくみられるのが、マークミスです。特にリスニングでは、次々と音声が流れるため、一度マークミスをしてしまうと、修正することは難しいです。そのためにも、解答用紙への記入ミスを防ぐ必要があります。
ミスを防ぐ一番の方法は、自分で解答を決めた瞬間にマークシートに書き込むことです。問題用紙に自分の解答を書き込むことも重要ですが、正しくマークシートに書き込まなければ点数になりません。問題用紙に〇をつけると同時にマークシートに自分の解答を書き込むことで、マークミスを減らすことができます。
■リスニング時間切れを防ぐための5つの対策
リスニングでは、問題文を読む時間を十分にとることができず、時間が足りなかったという声をよく聞きます。このような状態にならないための5つの対策についてお話します。
先読みで設問を把握する
1つ目の方法は、先読みです。先ほどもお話しした通り、大問1と2では音声が2回流れます。そのため、1回目の音声で正解を導き出すことができれば、2回目の音声を聞く必要がなくなります。この2回目の音声が流れている間に、後半の長い問題文を事前に読むことができます。特にイラスト問題では、音声を聞くとすぐに答えを把握することができるので、ねらい目です。
効率的なメモのコツ
2つ目はメモを取ることです。流れた音声についてのメモです。もちろん音声の全てをメモする時間はありません。事前に読んだ問題を解くために必要だと思われる部分をピックアップしてメモを取るようにしてください。事前に問題を把握することができていない場合、数値や固有名詞に注目してメモを取るようにしてください。また、メモを取る際の言語については、日本語と英語のどちらでも構わないのですが、英語がおすすめです。今後ずっと見返すメモではないため、略字で自分にわかるように、端的に書きましょう。
答えを引きずらないリカバリー術
3つ目はわからない問題はとりあえず選択肢を選んでマークをしておくことです。音声をしっかりと聞き取ることができても、わからない問題が出てきてしまうこともあると思います。その際に引きずってしまうと、次の問題にも集中することができずどんどんと点数を落としてしまいます。このような場合に引きずらない方法は、とにかく選択肢を選んでしまうことです。もちろん問題を解いている際に完全に気持ちを切り替えることはできないと思います。しかし、悩んでいても問題文は次々と読まれてしまうのが現実です。リスニングの問題は高くて1問4点程度です。一つの問題に執着するのではなく、切り替えて次の問題を解いた方が点数につながります。わからない問題はその時に解決するのではなく、とりあえず選択肢を選んでマークだけはしておきましょう。空白にして後から考える時間はありませんし、マークミスに繋がるため、絶対に空白を作らないでください。
過去問・模試で時間配分に慣れる
4つ目は、過去問や模試にひたすら取り組むことです。先ほどした先読みの方法も、慣れていない状態で本番に実践してもうまくいきません。自分の中でルールを決めておくことで、慌てることなく問題に取り組むことができます。共通テストのリスニングの解き方に慣れるためには、実践を重ねるしかありません。限られた時間の中で、音声が流れ続ける中で、自分がどれだけのスピードで問題を把握することができるのかを事前に確認しておきましょう。
音声が聞き取れなかった場合の対処法
最後に、音声が聞き取れなかった場合の対処方法です。「数字を聞き逃してしまった」「今のところ、誰の名前が出てきたのだろう」と音声を聞き逃してしまうことはどうしても発生してしまいます。その際には慌てたり、諦めてしまったりするのではなく、問題文や図、イラストから推測できないかを考えましょう。解答に必要のない部分の可能性もあるので、まずは冷静になることを意識してください。それでもわからない場合は、引きずるのではなく、マークをして次の問題に切り替えるようにしてください。
■効果的なリスニング学習法とおすすめ練習ステップ
ここからはリスニングの学習方法についてお伝えします。
シャドーイング&リピーティングで耳を鍛える
まずは皆さんもよく耳にするであろう、シャドーイングです。シャドーイングとは、お手本となる英語の音声を聞き、それをマネして発音する練習方法です。これにより、リスニング力と同時に、即時に英語を理解する瞬発力と、情報整理能力を高めることができます。続いておすすめするのはリピーティングです。リピーティングとは、シャドーイングと似ていますが、英語の音声を聞いた後、一時停止をして、センテンスの意味を理解してから自分で発音する練習方法です。どちらも英語の音声を聞き、それをマネするという点は同じです。音声後に一時停止を挟むかどうかが違いとなっています。このように英文を耳に慣れさせることで、リスニング力の向上を図りましょう。
語彙力と速読力を同時に伸ばす工夫
リスニングには、語彙力が欠かせません。入試対策の英語となると、発音は後回しにして、意味から覚えてしまう人も多いと思います。しかし、リスニングでは、綴りがわかっていても聞き取ることができなければ、問題を解くことができません。発音を覚えながら、語彙力を伸ばすようにしましょう。また、リーディングの勉強も並行して行うことで、リスニングでも必要とされる速読力を伸ばしましょう。
■まとめ
以上のように、リスニングで安定した点数を取るためには、徹底した時間管理と日々の学習が必須です。リスニングは苦手だから後回しにしていいやと投げやりになるのではなく、解き方のコツを自分で掴み、それを少しずつ練習することで、スコアアップが期待できます。語彙力・速読力・リスニング技術を総合的に身につけ、共通テストリスニングで高得点を目指しましょう。
<文/開成教育グループ 大学受験専門館 石橋教室 又野真那>
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