2022/06/20
【大学受験】「共通テスト国語」勉強の始め方
2021年度入試より従来の大学入試センター試験が廃止となり、大学入学共通テストがスタートしたことが記憶に新しいのではないでしょうか。では、大学入試センター試験と、大学入学共通テストで何が変わったのかご存じでしょうか?
今回は従来の大学入試センター試験と大学入学共通テストの違いから、大学入学共通テストで高得点を得るコツや、対策方法を紹介していきます。
センター試験国語と共通テスト国語の違い
「知識の理解の質を問う」「思考力・判断力・表現力を活用して解く」と述べられていた共通テストですが、大問構成はセンター試験と変わらず、現代文2題、古文1題、漢文1題という構成でそれぞれ50点満点、計200点満点となっています。
しかし、出題傾向が異なっています。特に現代文では、従来のセンター試験では大問一つにつき一つの文章だったのに対し、共通テストでは大問一つにつき文章や図表、資料など、複数の文章から答えを見つけ出す必要があります。そのため、センター試験よりもさらに短い時間で必要な情報を正確に読み取る力が必要とされます。
「早く」読むか、「確実に」読むか
そのため、もともと「国語が得意」な人ほど陥りがちになるのが、共通テストの時間配分です。一度試してみてほしいことがあります。模試や過去問などで、制限時間内に解いた自己採点と、じっくり時間制約なしで「確実に」解いた自己採点を比較してみてください。
もし、大きな得点差があった場合は、時間があれば解ける問題を、短い時間で処理する力を鍛える必要があるということです。
時間をかけても解けない問題が多い場合は、現代文の基礎の読解学習・論理力や古文漢文の単語・文法・句法などの知識を身につけていくのが最優先です。
共通テスト国語で高得点を狙うための解き方
「時間が足りない」のが課題の人にとって、分量の多い共通テスト国語で高得点を狙うためには、解く順番や時間配分を工夫するのも一つの作戦です。
【作戦の例】漢文→古文→小説→評論の順番で解く。
時間が不足する原因の多くは「現代文」です。確実に読もうと粘ってしまうと、後半の古文漢文に時間がなくなってしまうことがあります。古文・漢文は基本的な句法や知識を知っていれば解くことができる問題が多いため、知識さえあれば「短い時間で」「確実に」一定の得点を狙うことができます。古文、漢文を先に解答することで、時間のかかる現代文を焦らずに取り掛かることができます。
次に小説を解きます。本格的に練習していないときは、詩やエッセイなど見慣れないジャンルの問題が出てくる可能性もありますが、自信のない問題は時間をかけすぎないようにするのがおすすめです。
最後に評論を解きます。評論は複数の文章を読み解く必要があるため、1番時間をかけたい大問です。そのため、評論以外の大問をできるだけ早く解き、時間をかけて評論を解くことができるようにしましょう。
このように、時間のかかる大問を後回しにしたり、解答時間が安定している分野を先に回したりするなど、自分なりの作戦を立てておくことをおすすめします。
おすすめの勉強方法
大学入学共通テストはスタートしてからわずかしかたっていません。そのため、過去問の量が非常に少ないです。しかし、「基礎知識を踏まえて文章を正確に理解し、その理解に基づいて答えを導くことができる」という点で、共通テストと従来のセンター試験は本質的に変わりません。
そのため、まずは参考書などを用いて基本的な読解力を身につけましょう。センター試験の過去問を活用するのも良いですね。センター試験よりも共通テスト過去問は文章量が多くなるため、制限時間を短く設定して解いてみるのをおすすめします。
まずは「確実に」読む練習を行い、次に「早く」読む練習を行うと考えておきましょう。
- 問題練習をしたら、大問ごとに平均点を記録しておく。
特に、現代文は「最高点」ではなく、平均点を参照しましょう。得点がブレやすい科目なので、安定して得点を取れるようになるのが目標です。
- 大問ごとに時間を図って解く→自分の平均時間を知っておく
(例:評論文30分/小説25分/古文20分/漢文15分)
- 自分の課題を克服するための練習をする。
「評論文を正確に読む練習」「古文を早く読む」など、するべきことが細分化されると、自分にとっての国語の勉強法が明確になってきて、取り組みやすくなりますね!
終わりに
みなさん、センター試験国語と共通テスト国語の違いや対策方法はわかりましたか?傾向がどれだけ変わったとしても、重要なのは、文章読解を通して基礎力の強化を図り、設問のねらいを掴む地道な鍛錬です。また、解説を読んでもよくわからない場合は、塾や学校の先生に聞いてみるのも大事です。
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〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 豊中教室フェロー 山口夏希〉