2022/09/12
【大学受験】高1・2生向け:大学入試の制度とは?―ライバルと差をつけよう!―
高校1年生・2年生のみなさん、いきなりですが大学入試の制度について知っていますか?
大学入試の制度について詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか?
実際、わたしも高校3年生になるまでは全く大学入試の制度の知識がありませんでした。しかし、早い時期からこの知識を身につけておけば、受験に対して早くから見通しを持つことができ、他の高校1年生・2年生より優位に受験準備をはじめることができます!
本記事ではそんな大学入試について、各入試制度と試験の特徴と、それを踏まえた受験パターンについて説明していきます。
一般入試
〇国公立大学の場合
国公立大学を一般選抜で受験する場合、まずは大学入学共通テストを1月中旬に受験したのち、受験する大学へ出願、そして国公立大学の2次試験を受験するという流れになります。共通テストを受験した後、まずは自己採点を高校に提出し、共通テストリサーチの結果を待ちます。共通テストリサーチは全国から自己採点を集計し、各予備校が主体となって各大学の判定を算出できる制度です。リサーチで出た判定を元に、出願する大学を決めていくことになります。つまり、共通テストを受験する段階では自分がどの大学に出願するかまだ決まっていないということです。2次試験の対策ももちろん重要ですが、まずは共通テストで思うように点数が取れないと志望する大学に出願すらできない、ということもあり得るのです。早い段階から共通テストの対策をいつまでに完了させるのか、2次試験の対策をいつから始めるのか、決めておくことが重要です。
〇私立大学の場合
私立大学の一般入試は国公立大学とは異なり、日程さえ重ならなければ何校でも受験できます。一般選抜の種類は大きく分けて、「大学独自入試(独自方式、単に一般選抜とも言う)」「共通テスト利用入試」「共通テスト・独自併用方式」の3つです。名称は各大学によってさまざまで、方式もバラエティに富んでいるため、それぞれの違いやメリット・デメリットなどを確認しておきましょう。また、受験に利用できる選択科目や、各科目の配点も大学によって様々です。大学によって特徴が分かれるからこそ、早めに情報を集めて大学に合わせた対策を行っておくことが、合格につながります。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は、「公募制推薦」と「指定校制推薦」の2通りに分けることができます
〇公募制推薦
公募推薦とは、大学が提示した出願条件を満たす人について、学校長の推薦に基づき、高校の成績や活動ぶり、面接や小論文、学力検査などを総合して合否判定する選抜方法です。出願条件を満たし、学校長の推薦が得られれば、全国どこの高校からでも出願できる推薦入試です。評定が合否判定に用いる場合も多いため、学校での定期テストや普段の学習態度が極めて重要なものになってきます。
〇指定校推薦
次に指定校制推薦とは、大学が指定した高校から人数を限って出願を受け付ける選抜方法です。大学は過去の入学者数や、入学後の成績などをみて高校を指定します。指定校制推薦では、事前に「高校内選考」があるため、実際の選抜は調査書が中心となります。そのため、特に学校での定期テストや普段の学習態度が極めて重要なものになってきます。
総合推薦型選抜
総合推薦型選抜とは、学力試験だけではなく、面接・小論文や書類審査、自己PRなどで、受験生の個性や適性、意欲など総合的な人物評価で判断する選抜方法です。大学が求める学生像と受験生との適合を重視しています。以前はAO入試と呼ばれていました。
学校長の推薦を必要としない場合が多く、専願での出願のみを受け付ける大学が大半です。このため、自分が本当に入学を希望する第一志望校かどうか、あらかじめ見極めておく必要があります。また、総合型選抜は選考が長期間にわたるため、学校推薦型選抜や一般選抜の準備もしておくことが重要です。
また、総合推薦型選抜は生徒会長・部活の部長などのリーダーシップを執る経験や、ボランティアなどの課題活動も評価されるため、受験を検討する際はこういった経験・活動は積極的に行っておきましょう。
受験パターンを考えよう!
みなさん、大学入試の制度について理解できたでしょうか?
これらの入試制度は1つを選んで受けるものではなく、多くの場合は複数の入試制度を活用して受験パターンを組んでいくことになります。
例えば、国公立の大阪公立大学を志望している、ある生徒の受験パターン例を紹介します。
【一般入試】
大阪公立大学:共通テストと2次試験を受験
関西大学:大学独自入試を受験
【学校推薦型選抜】
近畿大学:公募制推薦を受験
【総合型選抜推薦】
大阪公立大学:面接・小論文で受験
このように3つの方式をそれぞれ活用して、大学入試を受験していくことも珍しくはありません。
出願できる日程や方式にも限りがあるため、より多くの方式に出願することはその分志望校に合格できるチャンスを増やすことができるということです。みなさんも志望大学のホームページやパンフレットを参考に、受験パターンを考えてみましょう!
しかし、多くの方式に対応するには、十分な準備と多大な対策時間が必要です。そのため、早めに受験計画を立て、上記の各入試方式でも説明したような準備を行っておくことが重要となるのです。
最後に
大学入試は制度が複雑ですが、その分制度についてしっかり理解しているかどうかがそのまま他の受験生との差になります。様々な入試方式を知り、受験パターンを組んでおくことで早い段階から準備をしておくことができ、結果的に他の受験生より有利に受験を進めることができるからです。
しかし、自分で受験パターンを組み、それに合わせた学習計画を立てることは簡単なことではありません。
大学受験専門館では、一人ひとりの生徒に学習アドバイザーである「担任フェロー」がつき、毎月の個別面談で生徒の受験パターンの相談や、学習計画のサポートを行っています。
「受験パターンの組み方がわからない」「何から勉強を始めればよいのかわからない」など、お悩みの高校生は是非ご相談ください。
〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 彦根教室フェロー 北川裕貴〉