2022/10/31
【大学受験】長文読解のポイント<論理展開を意識しよう>
「長文読解が苦手で、どうすればいいかわからない」という受験生は多いのではないでしょうか。文法や単語をクリアできても、長文になると対策の仕方に悩んでしまうケースは多々あります。入試での配点が大きい英語長文を得意分野にできれば、合格にぐっと近づきます。反対に、苦手なままにしているとハンデを背負うことになってしまいます。
本記事では、合格を左右する英語長文の読解のポイントや勉強法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!
英語長文が苦手な受験生の多くは、自分がなぜ長文を読めないのかを正確に理解できていません。本文では、長文読解における2つの壁や効果的な読解法について説明していくので、どのレベルで足踏みしているかを確認してみてください。
そもそも文章が読めない。内容が把握できない
まずは、基礎知識が不足していないかを考える必要があります。志望校レベルの英単語力や、最低限の文法の暗記は不可欠です。具体的な暗記法などは割愛しますが、ここで重要なのは、単語力>文法力ということです。文法に関しては、5文型・関係代名詞・基本的な構文を抑えていれば、たいていの長文を読むのに苦労はありません。細かい文法の暗記などは優先順位としては下がります。
一方、最低限の単語が理解できないことには文章を読むのは不可能です。分からない単語をなるべく減らすことが読解への近道です。そのため、まずは単語の暗記に注力しましょう。
時間内に読み切れない
時間をかけて読めば解けるが、制限時間に間に合わない。また、時間内に解こうとすると、正答率が落ちるということはよくあります。試験は時間との戦いでもあるので、速く読むということはとても大切です。しかし、ただ速く読もうとするのは正しい勉強法とは言えません。速読とは、速く正確に読むということであり、これは精読の積み重ねによって習得されるものなのです。そのため、精読を習得することが優先です。
また、解く長文のレベルが現時点で自分が理解できるものなのかをしっかり見極めましょう。レベルの高い長文は、文構造が複雑で、簡単には読めません。そのため、単語のレベルをみて解けそうだからといっていきなり難しい長文を読むのはおすすめしません。おすすめは、適正レベルの1ランク下の長文から取り組むことです。設問に根拠を持って回答し、長文全体を100%理解する感覚を身に着けることが大切です。長文を精読するのが難しい場合は、短い文章を正確に理解する英文解釈に取り組むのが良いでしょう。
時間内に読み切れない理由の2つ目として、帰り読みをしてしまっている可能性があります。帰り読みとは、英語長文を日本語の順番に直しながら読む方法です。この方法で読み進めると、英語と日本語の語順の違いから英文をいったりきたりしてしまうことになります。したがって、読むスピードを速くするには英語の語順で、文章を頭から理解する必要があります。これはかなり難しいテクニックであるため、時間をかけてたくさん文章を読んでいく中で身に着けていくべきでしょう。このテクニックを最大限に生かすために手助けとして、英単語を「コアイメージ」で覚えることは非常に有効です。英単語を調べると異なる意味がいくつもあるケースが大半です。そのすべての意味は一見関係がなさそうに思われますが、実は核となるイメージがあります。
例えば、以下のように訳すことのできる文章があります。
This milk went bad.
この牛乳は腐った
goは多くの人々が「行く」という意味で理解していますが、本来は「今いる場所・状態から離れていく」というコアイメージを持っています。難しく感じるかもしれませんが、この文章で訳されている「腐る」という日本語でも同じことが言えます。「腐る」は牛乳のような飲食物に使うこともあれば「性根が腐っている」「不貞腐れる(ふてくされる)」のように人の性質や感情を表すこともありますよね。goも「行く=場所を移動する」という単一的な理解しかしていないと、意味が取れないどころか間違った解釈をしてしまう可能性すらあるため、よく意味を取り違えるような単語はコアイメージを押さえておくことをオススメします。また、この読み方をマスターすることで、読解のスピードが上がるだけでなく、リスニングの理解においても大きな手助けになります。
タテ軸の理解<論理読解>を意識しよう
単語・文法などの基礎知識を押さえ、長文に入る。知識はあるのになぜか長文が解けない、こういったケースはよくあります。単語や文構造を理解することで、文章1文の意味は理解することができます。しかし、長文は関係のない文章がたくさん並んでいるものではありません。筆者が自分の意見を表現するために書かれたものです。長文を読んで「何を言いたかったのかよくわからなかった」と思ってしまう人は、横軸で見た文章単体の意味を取ることばかりに気を取られて、縦軸で見た文章の論理展開を意識して読むことが出来ていないことが多いです。
筆者の主張は1つの長文を通して一貫しています。いわば同じことを抽象的、具体的な表現で言い換えたり、対比を行って持論を補強したりしています。つまり、文章ひとつひとつに全体の中で見た役割があるということです。しかし、単語の羅列として近視眼的に英語長文を読んでいると、このことには気づくことができません。もし文章を読み終わった後に、「この文章は結局何を言いたかったんだ?」となって読み返しているなら、それはあなたが文章の論理展開を理解できていないサインです。
これを失くすためには、文章を俯瞰的に見ることが重要です。抽象→具体や因果関係の提示など、論理展開を意識して読むことで文章全体の文脈を見失わずに読み進めることができます。こういった論理展開を意識した読解を体験してみたい人は、西川彰一先生の【English Links】がオススメです。西川先生の授業では文構造の理解(ヨコ)と、文脈理解(タテ)という2つの軸で英語長文を読み進めます。これまで何となく英語長文を解いてきた人が正しい読み方・解き方を知るのにはもってこいの授業です。また、英語長文だけではなく、頻出文法や英作文など幅広く取り扱っていますので、この授業を受けることで、英語の総合力がアップすること間違いなしです。
最後に
今回は英語長文の読解について、多くの受験生が躓きやすいポイントに焦点を当て、またそのポイントをどのようにして克服していくかについてお伝えしました。英語は文系理系問わず必須科目であり、避けて通ることはできません。全受験生が取り組む科目であるからこそ、差が大きく出ます。英語長文を得意分野にし、高得点を目指しましょう。
開成教育グループ 大学受験専門館では基礎的なものから、大学別の発展的なものまで多種多様な授業を提供しています。随時体験授業を受け付けていますので、是非ともお近くの開成教育グループ大学受験専門館の教室までお問い合わせください。
〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 上本町教室フェロー 中西柊太〉