2022/11/28
【大学受験】古典の勉強法とは?
普段受験アドバイザーとして教室にいると、受験生から「古典はどんな勉強をすればよいか」という質問を受けることが多いです。たしかに、同じ単語でも今の日本語での使われ方と古典での使われ方が全く違うものがあるなど、古文・漢文特有の規則があるため覚えなければいけないこともたくさんあります。そのため、勉強が面倒になり、適切な勉強法がわからず対策を行うのが後回しにされやすい科目です。そこで今回は、皆さんに古典についての知識を伝えていきます。
古典はどんな科目なのか?
受験生の中でも古文という科目の特徴があまり押さえられておらず、どんな勉強をすれば得点を取ることができるかがわからないため、やみくもに問題を解く勉強している人も多いと思います。そのため、まずは古典という科目の性質について理解していきましょう。
まず初めに受験生の皆さんに認識してほしいこととして、古典は言語の学問であるということです。
ここで注意してもらいたいことは、受験で出題される古典を日本語と同じものだと捉えないようにすることです。古典を「ただの古い日本語」だと思ったまま勉強していると痛い目にあいます。なぜなら、先ほども述べたように現代の日本語で聞きなじみのある単語でも古文では意味が異なることや古典ならではの文法など新たに覚えるべき知識が存在するからです。
そのため、国語というよりは英語に近い感覚で学ぶ方が適切であると思います。英語でわからない単語が出てきたとき、読むことすらできない場合もありますが、古文はなまじ「読めてしまう」のです。そのため、知らない単語を別の意味で補ってしまい、文章の意味を読み違えることも多くなるのです。
英語と同じような勉強が必要と聞いて、「単語や文法など知識の暗記が大量に必要で大変そう...」と思った人もいるかもしれません。大丈夫です‼安心してください、古文や漢文に必要な最低限の知識というものは英語に比べて格段に少なく、古文ならば、単語・助動詞・助詞、漢文ならば句法・語法を覚えればほとんどの文章は読むことができます。しかも、古文単語といっても英語のように何千語も必要なく、300語ほどあれば入試問題には対応できます!
つまり、英語よりはるかに少ない知識で基礎を完成させることができるかつ、英語ほどの長い文は出題されないため比較的短期間で点数を上げることのできる科目だということです。
具体的な古典の勉強法はどうすればよいのか?
①古文の単語帳・活用表など暗記事項を1周!
上記の通り、古文は「中途半端に読めてしまう」状態なのが効率の悪い状態になってしまいます。古文が苦手と思っている人のほとんどは、単語を覚えていません。この中途半端な状態を脱却するために、基本的な単語帳は1冊すぐにでも読破してしまいましょう。「1冊全部なんて大変そう...」と思った人もいるかもしれませんが、やっぱり大丈夫です‼安心してください。1日30分、1カ月間コツコツ古文単語を勉強すれば完了します。1単語あたり3分で計算しても、3分×300単語=900分(15時間)です。
また、用言・助動詞などの活用についても基本的なドリルを反復して、活用表を覚えてしまいましょう。はじめは完璧でなくても、古文は文法の仕組みが分かればOKです。
ここまで進めば、最低限の知識がインプットできた状態になるので、学校のテキストや問題集の「解説」の意味が分かるようになるはずです。ここで、アウトプットに着手しましょう。漢文の書き下し文も古文の知識がベースになるため、漢文の解説も読めるようになります。
②古文文法はパズルだ!
いよいよ古文の読解ですが、全部を完璧にしようとすると頭がパンクしてしまいます。上記にもあるとおり、古文も言語なので、難しく考えずに、まずは「読みにくいところ」をピックアップしてください。読みにくいところは、ここまでで培った基礎知識を駆使して、できるだけ、細かく品詞分解して訳出してみてください。そして、どうやったら正しく文法や単語をつかめるのかを丁寧に理解するようにして下さい。古文文法はパズルです。「なぜ、こうなるのか」を論理的に考えて解くくせをつけましょう。
アドバイザーから一言
とはいえ、そんな地味な勉強を一人でコツコツ進めるのが苦手な人には塾で授業を受けるのがおすすめです。レベルが上がってくると、得点できるかできないかで差がつく和歌に関する問題も知識も一つ一つ整理する必要がでてきますが、プロの先生による授業で効率よく得点源にし、周りの受験生と差をつけるのがいいでしょう!
古典の勉強も他の科目と同じでコツコツ知識を積み重ねていくことが得点アップの一番の近道です。そんなことわかっているけれど、英語や数学を優先してしまい、古典が後回しになってしまうこともあると思います。しかし、今回紹介したことを理解すれば、きっと古典は確実に成績を上げることのできる科目だと分かると思います。なので、毎日少しでもよいので古典を勉強する時間を作っていきましょう。
こういった一日一日の計画は立てているもののうまく進捗しなかったり、勉強していても伸び悩んだりしたときは、身近にいる学校の先生や塾の先生など大人を頼り、相談やアドバイスをもらうことは受験勉強のモチベーションを上げる良い機会になります。
開成教育グループではこういった生徒の悩みをフォローできる体制を整えています。私たち大学受験専門館では、毎月生徒とフェローで一対一の面談を行い、教科ごとの受講・自習プランの設計を行い、志望校に合わせた適切なサポートを行っています。
少しでも受験勉強に対して不安があるや人はもちろん、自分の努力が正しい方向に向かっているか気になっている人は気軽に相談に来てください!
〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 西宮北口教室フェロー 友定 舜〉