2025/12/01

【大学受験】古文・漢文を攻略する!大学受験に向けた古典勉強法完全ガイド

 受験生の皆様、お疲れ様です。本記事では、大学受験の古文・漢文対策について解説します。現代文と比べて、古文・漢文は「難解」「取っ付きにくい」と感じる人が多いかもしれませんが、正しい勉強方法を身につければ、どちらも得点源に変えることが出来る科目です。まず、古典の重要性を再認識し学習全体の効率的な見通しを立てていきましょう。

INDEX

■古典を学ぶ意義と特徴
■古文の基礎固め
■漢文の勉強法
■読解演習と実践的トレーニング
■おすすめ参考書・問題集の活用法
■まとめ・総括

■古典を学ぶ意義と特徴

 古文・漢文は、単なる受験科目に留まらず、文化的教養を深める貴重な学問です。まず、受験における古典の重要性と、その先にある学びの世界について確認しましょう。

 古文・漢文は国語の中で一定の配点が割り当てられており、基礎から体系的に正しく学ぶことで安定した得点源にすることができます。また、古典の勉強を通じて日本の伝統文化や歴史背景を学べるため、自身の教養の幅を広げることにも繋がります。文学知識だけでなく、歴史・思想・芸術など多様な分野への理解が深まり、現代の文化や言語の背景もより豊かに捉えられるようになります。

大学受験における古文・漢文の配点と重要性

 大学受験では、国語の中で古文と漢文それぞれに配点が設けられ、特に共通テストの場合は全体の4分の1程度を占めることが多いです。安定して高得点を獲得するためには、基礎固めの段階で単語暗記や文法理解を徹底的にする必要があります。文系・理系を問わず国公立大学の二次試験でも出題されることが多いため、苦手意識を持たず早めの対策を進めることが肝心です。漢文に関しては、出題されない大学も多くありますので、自身の入試科目はよく確認してください。

古文・漢文が読めると広がる学びの世界

 古文・漢文が読めるようになると、私たちの学びの世界は大きく広がります。古典の文章を通じて、当時の価値観や思想、社会の仕組みなどを理解できるようになり、単なる知識としてではなく、生きた文化として歴史や文学に触れられるからです。これは今を生きる私たちの教養としても重要なものであり、日本語の成り立ちを俯瞰的に把握することで、論理展開や文章構成力を磨く機会にもなるのが大きな魅力です。

 

■古文の基礎固め

 古文の読解をスムーズに進めるためには、単語力と文法知識を着実に身につけることが不可欠です。ここでは、古文の重要な学習ポイントを順番に見ていきましょう。

 古文が苦手な人は、単語や文法があやふやなまま問題を解こうとしてしまうケースが多いです。古文単語は現代語と全く意味の異なるものが多く、基礎固めがしっかりしていないと読解の精度がかなり下がってしまいます。さらに助動詞や助詞、敬語表現などの文法を無視してしまうと、原文のニュアンスや本文内容を大きく損なうリスクが高まり、文章を正確に読み解くことが困難になります。

単語力が命!おすすめ古文単語の覚え方

 古文を読むうえで重要なのは、なんといっても単語力です。文法や敬語の知識があっても、単語の意味を知らなければ文章の内容を正確に読み取ることはできません。古文単語を効率よく覚えるには、語呂合わせやイメージとセットで記憶する方法が有名です。特に暗記が苦手な人は、「古文単語315(桐原書店)」や「ゴロゴシリーズ(スタディカンパニー)」を活用してみましょう。また、古文単語を覚える際は、一つの意味だけでなく多義を把握しておくことが大切です。毎日コツコツ学習を積み重ねていきましょう。

助動詞・敬語表現を攻略する文法学習のコツ

 古文の文法の中でも、助動詞と敬語表現は得点を大きく左右する重要なポイントです。これらを正確に理解して使いこなすことで、文章の意味を正確に読み取る力が飛躍的に向上します。助動詞においては意味・接続・活用をセットで覚えること、敬語表現においては尊敬・謙譲・丁寧の区別や接続を理解することが大切です。文法書には例文や解説が豊富なものを選ぶと、活用表とセットで理解を深めやすくなり、実際の読解に役立ちます。

品詞分解のポイントと解釈のコツ

 品詞分解とは、文中の各単語の品詞・活用形・意味・文中での役割などを明確にする作業であり、文法理解の土台となるものです。古文は語順や助詞の使われ方が現代文と異なるため、この品詞分解によって文章の構造を正確に捉えることが不可欠です。一つひとつの単語が持つ文法的役割を理解することで、読解のスピードと精度が一段と向上します。

文学史・古文常識を押さえて読解を有利に進める

 文学史と古文常識、これらを理解していれば、文章の背景理解や登場人物の心情解釈が大きく変わり、読解を格段に有利に進めることが出来ます。例えば、『源氏物語』が平安時代の貴族社会を舞台にしていることを理解していれば、登場人物の恋愛観や身分意識の描写を自然に読み取ることが出来ます。また、「通い婚」や「出家」「贈答歌」などの古文常識を知っていれば、物語の展開や人物の行動の意味を正しく読み取ることができます。あわせて作品や作者に関する文学史を知っておくことで、問題文の趣旨や登場人物の立ち位置をつかみやすくなり、読解力をより深められます。

 

■漢文の勉強法

 漢文には、返り点や置き字など独特のルールが存在します。そのため、漢文の勉強においてはまず基本の句法と文型を理解することが最も重要です。返り点や送り仮名のルールを覚え、典型的な構文(使役・受身・否定・疑問・仮定など)を例文で確認しながら慣れていきましょう。句法や語彙も英語の文法に相当するため、基礎をしっかり押さえておかないと正しい読解ができません。書き下し文にしてみると、日本語の語順に近い形で理解しやすくなり、難解な原文にも取り組みやすくなります。

漢文の基礎:句法・語彙を効率よくマスター

 漢文の句法は頻出のルールが決まっており、使われる表現を文脈ごとに習得することが大切です。形だけを暗記するのではなく、実際の文章を何度も読むことで自然と使いこなせるようになります。語彙については、品詞ごとや内容ごとにまとめると記憶に残りやすく、長文読解へスムーズに移行しやすくなるでしょう。

返り点・置き字の仕組みを理解しよう

 漢文を正しく読むには、返り点と置き字の仕組みをしっかりと理解することが大切です。まず返り点は、漢文を日本語の語順に直すための「読み順の印」です。主なものには、レ点・一二点・上中下点などがあります。置き字とは、それ自体に意味は持たないが、文法上の繋がりを示す記号のような文字のことです。この2つをきちんと理解すれば、漢文の読み下しが一気にスムーズになります。例題を通して繰り返しチェックしていきましょう。

書き下し文を活用して読解を深めるコツ

 書き下し文への変換は、漢文を解読するうえで非常に有効な作業です。返り点や送り仮名をつけ、日本語と近い語順に再構成することで、漢文の内容理解が格段に深まります。最終的には原文のリズムや文章も把握できるようになり、応用問題や長文読解でも柔軟に対応できるようになるでしょう。

 

■読解演習と実践的トレーニング

 古文・漢文は、様々な点において現代文とは大きな違いがあります。そのため、使いこなせるようになるには繰り返し演習を重ねることが不可欠です。共通テストや大学別の過去問などを有意義に使用し、スキルを上げていきましょう!

 基礎的な単語や文法が十分身についたら、本格的に実践トレーニングに移ってください。文章のテーマや内容を素早くつかみ、問いに対して正確に答えられるようになるには「慣れ」が必要です。長文問題を解いた後には必ず和訳を確認し、自分の解釈と齟齬がないかチェックするのを忘れないでください。そこで見つけた弱点を補完する作業を繰り返せば、確実にレベルアップしていけます。

精読・速読を使い分けた学習法

 古典には独特の言語表現や背景知識が求められるため、じっくりと一文ずつ構造を把握することが不可欠です。一方で試験時間には限りがあるため、設問に素早く対応できる速読のスキルも大切です。両立させるのが難しい二つではありますが、精読と速読を交互に行い、読解の正確性とスピードを同時に鍛えるのが理想です。

共通テストの古典対策

 共通テストでは、文章量が多いため、限られた時間内で処理する能力が必要です。出題形式に慣れるために実際の過去問や模試を何度も解き、設問に対応した解法パターンを身につけることが重要になります。文章全体の流れを読み取り、必要な箇所を的確に探し出す練習を積み重ねると、試験本番でも落ち着いて解答できるでしょう。

国公立・私大別に見る過去問演習の進め方

 国公立大学は記述式の問題が多く、私立大学は選択肢中心の出題が多いという傾向があります。志望校の過去問を分析して、古文ではどのような知識が狙われるのか、漢文ではどのような句法や読解力が問われるのかを把握しましょう。過去問演習を通じて分かった弱点を再度基礎に立ち返って補強し、最終的な得点率向上を狙うのが効果的です。

 

■おすすめ参考書・問題集の活用法

 自分に合った参考書と問題集を選ぶことで、古典の学習効率は大きく変わります。単語や文法をマスターするための基本書から、記述式対策の発展問題集まで幅広く活用していきましょう。まずはしっかりとした基礎固めを行うことが大切なので、特に古文単語帳や文法書に関しては、毎日の学習にすぐ取りかかれるような明解なものがオススメです。問題演習を積み重ねるうちに自分の疑問点や弱点が明確になるため、併用する問題集を通じてその都度復習を行うと着実に力がつきます。

古文単語帳・文法書の選び方

 古文単語帳では、収録されている頻出単語数や解説の丁寧さ、使い勝手を比較して選ぶのがポイントです。古文単語には意味の幅があるため、特に派生語や同義語がまとめられていると、文章中で応用がきくようになります。文法書は、例文が豊富にあり、活用形を表にしてわかりやすくまとめられているものを選びましょう。繰り返し演習することで暗記力を定着させるのが大切です。

漢文教材と独自演習で知識を定着させる

 漢文専用の問題集には、句法や読解に特化した解説が含まれていることが多く、体系的に学習しやすいというメリットがあります。書き下し文と原文を見比べながら、返り点や置き字の意味・使われ方を随時確認することで、読解力をスムーズに身につけることが出来ます。また、学んだ内容を定着させるために、自分でまとめノートを書く習慣をつけると学習効率がさらに高まるでしょう。

記述式・二次試験に備える参考書や対策

 国公立大学などでは、古文・漢文の読解力だけでなく、記述力や論述力が試される場合があります。対策本を用いて実際の出題形式に近い問題を解き、添削を受けることで表現力や正確性を高めていきましょう。過去問を利用しながら、基礎的な文章読解と応用的な論述を両立して練習すると、二次試験でも得点を伸ばしやすくなります。

 

■まとめ・総括 

 古文・漢文は大学受験において重要な得点源となるうえ、自身の教養を広げてくれる科目でもあります。受験までの効率的な学習計画を立て、第一志望合格への道を着実に進んでいきましょう。単語や文法などの徹底的な基礎固めが読解力を左右するため、古典が苦手な方は、まず暗記に対する苦手意識をなくすことから始めてください。英語などの外国語と同じく、毎日継続的に演習を続けることが大切です。得点源となり得る科目だからこそ、定期的な復習と過去問演習を重ねて万全な状態を目指してくださいね。残りの期間、合格に向けて全力で頑張っていきましょう!

 

<文/開成教育グループ 大学受験専門館 枚方教室 山口野々花>

 

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