2023/01/23

【大学受験】英語:国公立二次「記述問題の直前対策」

 皆さんこんにちは。私は受験アドバイザーとして教室にいる際、受験生から「国公立の二次試験をどのように対策すればいいのか」という質問をよく受けます。国公立の二次試験は、共通テストよりも難易度が高く、対策しにくいので、二次試験に対して不安を抱く受験生は多くいると思います。そこで本記事では、二次試験への対策方法を、その中でも特に需要な英語の記述問題に焦点をあてて伝えていきたいと思います。

▼index

二次試験における英語の重要性

直前はこれ!共通テスト~二次試験までの英語勉強法

過去問の活用法

 

二次試験における英語の重要性

 国公立の二次試験では、共通テストとは違い多くの場合で記述式の解答方式をとります。問題文を正しく理解できているか、そこから与えられた情報を丁寧に分析できているか、採点者にわかりやすく表現しているか等の条件がかみ合うことで初めて正答になる解答方式です。そのため、単に知識を書き連ねるだけでは攻略できず、記述式の問題対策をしっかりとしておくことが必要不可欠です。

 国公立の二次試験で課される科目は、文系ならば英語・数学・国語、理系ならば英語・数学・理科である場合が多いです。英語は文系理系問わず、二次試験で課される場合がほとんどであるため、確実に対策しておく必要があります。さらに英語は、受験生の中で得点差がつきやすい科目であるため、英語の二次試験の出来が合否を決める大きな要素になってきます。大学による難易度の差はありますが、最低でも文系で60%以上、理系でも50%以上の得点率を目指したい科目になります。直前期は自分の共通テストの持ち点と受験する大学の過去の合格最低点を見比べて、合計で必要な得点率を確認しましょう。各科目でどれくらいの点数を取りたいかの得点計画を決めて勉強を進めましょう。

直前はこれ!共通テスト~二次試験までの英語勉強法

<英文読解編>

 直前期の英文読解の勉強で大切なことは、とにかく「たくさん読む」ことです。読む力は読書習慣がないと低下していくばかりなので、共通テストが終了した後の時期は、毎日2~5長文を読むことを目標にするといいでしょう。この際実際に問題を解くのは、1~2題でも構わないので、とにかくたくさん長文を読むことを意識しましょう。

 長文を読む際に意識してほしいことは以下のことです。

1. 知らない単語や熟語が出てきたらその都度覚えていく

 語彙力が不足しているとまず英文を読むことができません。たくさんの文章を読んで、出てきた単語や熟語で知らないものを書き出し、何度も復習して記憶に定着させましょう。また、英文を読んでいる際に知らない単語に遭遇した際は、すぐに辞書は引かず、しばらく時間をかけて文脈から意味を類推するトレーニングを積むようにもしましょう。

2. 速読を意識して、情報処理能力を高めていく

 国公立の長文問題は共通テストの問題よりも、文章が長く解答時間が短いため高度な情報処理能力が要求されることになります。そのため、漠然と英文を読むのではなく、「考えて読む」ということを意識しましょう。速読をしながら、文脈上のつながりを意識し、難解な部分が出てきても、前後の文脈を踏まえて解釈したり、未知の単語の意味を類推したりする練習を積んでおきましょう。また、一つ一つの英文を完全に理解することを意識することも重要です。また、長文演習の仕上げとして、音読を行うことが効果的です。英文の構造と内容を意識しながら読むようにしましょう。

 読む長文のレベルとしては、自分が少し難しいと感じるレベルの英文がおすすめです。

<英作文編>

 国公立の二次の英語の問題で一番の得点源となり、かつこの直前期に最も得点の伸びしろがあるのが「英作文」です。なぜなら、英作文の問題は出題者の意図に沿い文法上の間違いがなく記述することができれば、ほとんど減点されることがないからです。また共通テストでは英作文の問題が出題されないので、共通テストが終わるまでに、しっかりと英作文の対策ができている受験生は多くはないと思います。そのため、直前期は英作文の対策をたくさん行い、英語の得点率をぐんぐん伸ばしていきましょう。

 具体的な英作文の対策の仕方は以下の通りです。

1. 使いこなせる表現と構文だけを用いて作文しよう

 英作文で問われている力は、日本語から英語へと一語一語機械的に置き換えることではありません。日本語で書かれた筆者の主張を、英文だけを読んではっきりとわかる文章を書くことが目的です。そのため、逐語訳しにくい文章や訳しにくい文章が出てきた際、自分でその日本語を訳しやすい日本語に変換するトレーニングを積んでおきましょう。例えば難しい語句が出てきた際は、それを優しい単語で置き換えたり、長い文章の場合は、短文に分けて英訳したりしてもかまいません。英訳した文章が、問題文の文意をしっかりと表現していれば問題ないのです。自分が自信をもって使いこなせる表現と構文を用いて自然な形で書くことを意識しましょう。これができれば、文法ミスでの減点が確実に減少し、高得点につながります。

2. 「使いこなせる表現と構文」をできる限り増やしていこう

 「使いこなせる表現と構文」とは、それを含む例文をすぐに復習でき、個々の単語の綴りも正確にかけるものだと考えてください。この表現と構文を増やすことで、1で説明した難しい文章を自分が書きやすい文章にする選択肢を増やすことができます。自分が使っている参考書に乗っている例文や、重要例文集などの例文をとにかくたくさん覚えていきましょう。

 特に2の「使いこなせる表現と構文」を増やしていくことが需要になります。「暗唱例文を1日に10個覚える」など自分の中で目標を決めて、毎日コツコツと覚えていくようにしましょう!

過去問の活用法

共通テストを終えて二次試験が近づくにつれ、過去問演習を始める人が増えてくると思います。

ここでは、過去問の活用方法ついて紹介します。

<過去問の活用方法>

1. 自分の実力をはかるために解く

 過去問と全く同じ問題は本番で出題されることはありませんが、過去問を解くことで自分に現在どれぐらいの学力があるのかを確かめることができます。この際、スラスラと解ければ素晴らしいですが、全く解けなくても問題はありません。自分の苦手分野や未習熟分野を確認し、その分野の対策を行っていきましょう。

2. 大学の出題傾向を分析する

 過去問では、自分が解けるかどうかを確認するだけでなく、出題傾向を知るためにも使用できます。大学の出題傾向を分析することで、その大学頻出の分野が確認でき、効率よく対策を進めることができます。

3. 定期的に解き直しを行う

 過去問は一度解いて終わりではなく、定期的に解き直すという活用方法もできます。解き直しを行うことで、以前解けなかった問題が解けるようになっていた場合は自信につながり、たとえもう一度同じ間違えをしたとしても自分の勉強習熟度を見直す機会につながります。

まとめ

 国公立の英語の二次試験対策方法、いかがでしたでしょうか。この記事を読んでくださっている方の勉強の助けに少しでもなれば幸いです。

〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 彦根教室フェロー 北川裕貴〉