2025/10/31
【大学受験】2026年版!大学入学共通テスト「情報Ⅰ」攻略ガイド
2025年度入試から導入された新科目「情報Ⅰ」。過去問が少なく、勉強方法に迷う受験生も少なくないでしょう。この記事では、「合格点を取るために必要な学習レベルはどこまでか」「いつからどの教材を使って勉強を始めるべきか」といった疑問に具体的に答えていきます。主要科目との両立を意識した効率的な学習プランを一緒に考えていきましょう。
| INDEX ■情報Ⅰの基本概要と出題範囲のおさらい | 
■情報Ⅰの基本概要と出題範囲のおさらい
本題に入る前に、まずは「情報Ⅰ」がどのような科目なのかを簡単に確認しておきましょう。情報Ⅰでは、情報社会におけるセキュリティや倫理、データの分析と活用、ネットワークの仕組み、アルゴリズムやプログラミングといった内容が出題範囲となります。試験はマーク式で、知識の暗記だけでなく、状況に応じた判断力や応用力が求められるのが特徴です。各単元の詳細や勉強方法については「共通テスト分析 情報Ⅰ」で詳しく触れていますので、ここでは概要の確認にとどめ、以降では「どの程度まで学習を進めればよいのか」「どのタイミングで対策を始めるのか」といった実践的な内容に入っていきます。
■受験は必須? 大学の利用状況をチェック
情報Ⅰをどこまで勉強すべきかを考えるうえで、まず押さえておきたいのは「受験自体が必要かどうか」という点です。新設科目であるため混乱もありますが、大学によって扱い方は異なります。ここでは、学習の必要性や情報ⅠとⅡの違い、さらに国公立大学の二次試験や私立大学の個別試験での扱いについても確認していきましょう。
情報の勉強は本当に必要?
2025年度入試から、国公立大学では共通テストで「情報Ⅰ」を課すケースが多くなります。必須科目として扱う大学も増えており、受験を考えるなら避けて通ることはできません。一方、私立大学では導入状況に差があり、まだ限られた学部でしか課されていません。ただし、共通テスト利用入試で「情報Ⅰ」を課すケースが一部見られるため、受験方式によっては対策が必要になることもあります。出願先の選択肢を広げるためには、早めに準備しておくのが安心です。
情報Ⅰと情報Ⅱの違い
「情報」という科目にはⅠとⅡがありますが、入試で課されるのは「情報Ⅰ」です。共通テスト・個別試験・二次試験のいずれでも、情報Ⅱは出題されません。内容は情報社会の倫理、データの活用、ネットワーク、アルゴリズムやプログラミングといった基礎的な範囲であり、情報Ⅰの対策をしていれば、どの入試にも十分に対応できます。
共通テスト「情報Ⅰ」対策で意識すべき到達ライン
情報Ⅰの学習でまず目指すべき到達ラインは、「教科書の内容を理解し、マーク式の問題集を安定して解けるレベル」です。この段階に到達していれば、共通テスト本番でも7割前後の得点を狙うことが十分可能です。さらに、模試や過去問演習を通じて応用力を伸ばしていけば、8割以上の高得点も視野に入ります。なお、共通テスト「情報Ⅰ」の難易度は、基礎理解を土台にしていれば高すぎるものではありません。大切なのは、暗記に偏らず「状況に応じて判断し解答できる力」を養うことです。
共通テストレベルで個別試験や二次試験にも対応できるか
共通テスト以外に、一部の大学では個別試験や二次試験で情報Ⅰを課すケースがあります。出題範囲そのものは共通テストと同じで、情報Ⅱが出題されることはありません。ただし、形式面での違いがあり、共通テストではマーク式中心なのに対し、個別・二次試験では記述式を含む場合があります。特にアルゴリズムやプログラミングの分野では、疑似コードの穴埋めや処理の流れを短い記述で補う問題が出題されることもあり、マーク式に比べて深い理解が求められるのが特徴です。
もっとも、大学ごとの傾向は一律ではありません。例えば次のような特徴があります。
●京都産業大学:知識系の出題が多く、共通テストの学習内容をそのまま活用しやすい。
●電気通信大学:プログラミング系の記述問題が中心で、共通テストレベルだけでは対応が難しいため、追加演習に取り組んでおくことが望ましい。
このように大学ごとに要求される力は異なりますが、基本となる部分はあくまで共通テスト対策で十分です。そのうえで、志望校が個別や二次で情報を課す場合には、過去問や個別・二次試験向け問題集をプラスアルファで取り入れると安心でしょう。
■学習法と対策:効果的な勉強プランを立てよう
到達ラインがわかったら、次に大切なのは「そのレベルにどう到達するか」です。情報Ⅰは国語や数学のように豊富な種類の問題集があるわけではなく、効率的な勉強方法が見えにくいため、不安を抱く受験生も多いでしょう。ここでは、教科書・問題集・模試などをどう組み合わせ、どのように学習を進めていくかを解説します。
模試・問題集を用いた演習方法
共通テストの情報Ⅰはマーク式で出題されるため、マーク式の問題集で形式に慣れておくことが大切です。しかし、基礎知識がないままいきなり問題集に取り組んでも、内容が身につかず効率的な学習にはつながりません。そこで、まずは教科書や教科書準拠の問題集で基本事項を整理し、用語や仕組みを理解することから始めましょう。その後はマーク式の問題集に取り組み、知識を定着させつつ応用力を伸ばしていきます。さらに演習量を補う方法として、まだ数は少ないものの共通テストの過去問を取り入れるのも効果的です。とはいえ、まずは『教科書・準拠問題集→マーク式問題集』という基本の流れを着実に押さえることが大切です。
他教科との勉強バランスとスケジュール管理
情報Ⅰの学習にどれだけ時間をかけるかは、受験する大学での配点の扱いに左右されます。ただし共通して言えるのは、国語や数学といった主要科目ほど大きな比重を置く必要はないという点です。例えば「情報だけを一か月間集中的に勉強する」といった極端な方法は、現実的ではありません。仮に夏前に詰め込んでも、共通テスト本番までに内容を忘れてしまいやすいのが実情です。そこで有効なのは、本番から逆算して、適切な時期に学習を始め、隙間時間を使って毎日少しずつ積み重ねる方法です。例えば200ページのマーク式の問題集を使う場合、1日4ページ(見開き2ページ)進めてみましょう。30分程度で進められると思います。このペースであれば1周に約25時間、2周で約50時間の学習量になります。9月に開始すれば12月上旬には2周でき、そのまま12月中旬から共通テストの過去問に移行可能です。9月にマーク式の問題集を開始するまでは、定期的に模試を受験し、弱点や抜け落ちている単元を教科書や準拠の問題集で復習しておきます。このように断続的に「情報」に触れて、忘れてしまわないようにすることが重要です。模試はピンポイントで「どの単元を復習すべきか」を教えてくれます。都度、受験するかどうかを検討するのではなく、あらかじめ年間の模試計画をスケジュールに組み込んでおきましょう。
■まとめ
情報Ⅰは新設科目で不安を抱きやすいですが、対策の軸はシンプルです。まずは「教科書で基本を理解し、マーク式の問題集で安定して解ける」ことを到達ラインとしましょう。深い専門知識や高度なプログラミング技術は不要で、基礎理解と演習を重ねれば十分対応できます。そのうえで、主要科目と同じ比重をかけるのではなく、隙間時間を活用してコツコツ学習する方法がおすすめです。学習計画を早めに立てて、無理なく続けていけば、本番でも安定した得点につながるでしょう。
<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>
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